富山大学医学部整形外科学講座の関 庄二診療講師らは、手術前後のCTで専用ソフトを用い3次元的に比較し、思春期特発性側弯症患者さんの手術の際に、平均で約1センチ伸びること が明らかになった。
思春期特発性側弯症は 10 代に発症する背骨の曲がりであり、その発症頻度は約 2%であり女児に多い。腰痛、背部痛やひどくなると呼吸障害を引き起こし、死亡率も上昇する。また 背骨のバランス不全のために、体幹の変形に悩む女児も多い。治療法は、Cobb 角(背骨のレ ントゲンでの角度)が 25 度を超えると装具治療を行い、40 度を超えると手術加療が一般的である。
本研究の対象は、胸椎カーブをもつ思春期特発性側弯症患者 77 名。手術前後のCTで第二胸椎から第二腰椎までの脊柱管の中心距離をそれぞれ計測し、手術前と手術後で 3 次元的に どのくらい伸びたかを計測した。今回の研究により Cobb 角 50 度で約 1 センチ、Cobb 角 70 度で 2 セ ンチ背骨が伸びることが分かった。これは、脊髄は約 3 センチ以上伸びると麻痺の危険性が増大することから、手術の安全性の面から非常に重要な点が解明できた。
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