東京都健康長寿医療センターの石神昭人研究部長らは東邦大学の永田喜三郎教授、首都大学東京の相垣敏郎教授、順天堂大学の町田修一教授らと共同で、骨格筋でのビタミンC不足は、筋萎縮や身体能力の低下をもたらすことを明らかにした。
▶︎ <プレスリリース>骨格筋でのビタミンC不足は筋萎縮や身体能力の低下をもたらす
東京都健康長寿医療センターが以前実施した血漿ビタミンC濃度の高い高齢者女性は、握力、開眼片足(片足で立っていられる時間)、通常歩行速度などの筋力や身体能力が高いことを報告している。しかし、逆に血漿ビタミンC濃度が低いと筋力や身体能力が低下するのかは分かっていなかった。
本研究では、ヒトと同様に体内でビタミンCを作れないビタミンC合成不全マウスを用いて、血漿や骨格筋のビタミンCが減少すると骨格筋にどのような影響があるかを詳細に調べた。すなわち、雌のビタミンC合成不全マウスをビタミンC投与群と非投与群の2群に分け、腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋、前脛骨筋、長趾伸筋などの骨格筋の筋重量を定期的に測定した。
その結果、ビタミンC不足期間が長くなると筋肉を構成する筋線維が細くなり、筋重量が減少し、再びビタミンCを与えると回復することが分かった。また、筋力や自発的活動量などで評価した身体能力も同様にビタミンC不足期間が長くなると低下し、再びビタミンCを与えると回復した。