産後リハ研究会の活動内容
インタビュアー:研究会の活動内容としてはそういった方たちも含めて講座を行うのですか?
山崎先生:とりあえず、まだ個別のアプローチ方法とかを確立されていないものを研究会の中で大々的に伝えるのは違うと思っていまして、今は基礎的なことを学ぶ機会を作っています。
「ゴッドハンドをつくる」ではなく、最低限の知識レベルを底上げするというところです。基礎的なところを産科の先生に話してもらうこともあります。しばし、そういう形でやっていきたいなって思っています。
リハビリの意義が理解されていない
インタビュアー:産科の先生がケアの必要性に理解がある人もたくさんいるのですか?
山崎先生:「必要だよね」と思ってくれている人はやはりすごくわずかで、先生たちも骨盤底の知識はあるので「リハビリがあってもいいよね」とは思ってくれます。
でも先生の中でも本当に骨盤底筋などの知識がある人もごくわずかだそうです。骨盤底の知見がある先生が出産すると骨盤底筋群の神経損傷があり、その回復に6か月くらいかかるとおっしゃっていました。
でも「その神経損傷が回復するまで骨盤底筋群のトレーニングの必要性は明確ではないという感じです。そこを促すのがリハビリテーションなのではないのかなと思うのですが、そもそもリハビリの意義とか意味が周知されていません。まずはそこから始めなくてはと思っています。
最近、お子さんがいらっしゃらなくてもこの分野をやっている方とか結構いらっしゃいます。そういった方の話を聞くと、「まだ出産の経験とかしてないのにこの分野は…」という感じで、ネガティブなイメージを持っているという声はあります。
私たち研究会のメンバーでよく話すのですが、ウィメンズヘルス分野の勉強会があっても、子供がいると時間的制約で参加できなかったりします。独身の方たちが参加して、どんどん情報を発信してくれるとすごく助かりますよね。
山崎愛美先生経歴
【資格】
理学療法士・呼吸療法認定士
ガスケアプローチ研修受講終了
ベビーセラピスト・リフレクソロジスト
【所属】
産後リハビリテーション研究会 代表
baby port主宰
【ブログ】
女性のからだを守る産前産後ケア baby port
【コラム】
美と健康のガーデン通信 「山崎愛美の未病塾」
バックナンバー
第一回:子供がいても仕事はできる
第二回:技術ではない制度の問題
第三回:小さな成功が生む自信
第四回:産前産後ケアの関わり方
第五回:出産すると骨盤底筋群の神経損傷があり、回復に6ヶ月を要する?