滋賀医科大学の三浦 克之教授らは、国民栄養調査参加者を対象とした長期追跡研究によって、野菜・果物・魚・食塩の摂取量と循環器疾患死亡リスクの関連を明らかにした。
▶︎ 日本人のための食事因子による循環器疾患リスク 評価チャートの作成
国民栄養調査は、1980年にて全国から参加した30から79歳の男女9,915名を29年間追跡したデータを用いて分析。野菜、果物、魚、食塩の1日摂取量を評価し、それぞれの推奨量に対する過不足により、複数のカテゴリに分類し、追跡期間中の循環器疾患(脳卒中および心臓病)による死亡リスクとの関連を分析。
食事因子の組み合わせによる循環器疾患死亡リスクを検討したところ、野菜、果物、魚摂取量が最も少なく、 食塩摂取量が多い場合、参照カテゴリ(野菜、果物、魚摂取量が最も多く、食塩摂取量が少ない場合)と比較して、循環器疾患死亡リスクは約3倍高くなった。研究者らは「野菜、果物、魚、食塩の望ましい量を摂取するための個人における食事の見直しや、専門家による食事指導のために、本リスク評価チャートを活用が期待される。」と述べている。
なお、本研究は、4月19日付けで、日本循環器学会の学会誌「Circulation Journal」電子版で公開されている。