主な勉強はケーススタディ
日本には、いつか帰りたいですね。なるべく早く帰りたいとも思っています。ただ、自分がやりたいことができる土台が出来てからになります。
まずやりたいのは、教育の部が一点とアメリカとの架け橋になりたいので、学生をアメリカに連れて行ったりすることもしたいですね。
どこか、チームにつきたいということはあまりなく自分の施設を提供したいなとも思っています。とにかくやりたいことは、いろいろとあります。
アメリカの授業では、教科書というものがほとんどなく文献です。エビデンスのデータをもとに「何をどのくらい行うとよくなる」というものがあれば、それに関する実技を行います。
日本のように「〜テクニック」「〜法」というものはほとんど学ぶことがありません。もちろん必要に応じて習うケースはあります。
国試も、基礎的な問題というよりも専門分野のケーススタディのようなものがほとんどです。ちなみに、国試は共通なのですが、働くためには各州の州法に関する試験に合格しないと働くことができません。
理学療法士の強みとして「基礎知識を知っている、というよりも結果を知っている」ということが強みになっています。基礎知識であれば、理学療法士だけでなくトレーナーさんもよく知っていますからね。
アメリカは、保険料が高いですから、結果にしか興味がありません。日本のように基礎研究ばかりだと結果に直結しないので、アメリカの研究は臨床研究が主です。
オバマケア
今、アメリカは転換期にあります。日本の皆さんも知っていると思いますが「オバマケア」というものが始まろうとしています。
それが出来て、稼働してしまうと理学療法士の給料は、ガクッと下がることと思います。もちろん、理学療法士だけでなく保険診療にあたる全ての職業に影響が出ます。
おそらくオバマケアは成り立たないとは思いますが。実際どうなるかわかりませんが、徐々に給料が下がっていくことは間違いないと思います。
ただ、保険点数が下がることでの減収、というよりは保険会社が支払ってくれる額が下がっていることでの減収というところが日本と違うところではあります。
ただし、研究レベルで結果を出し続けているので、資格としての価値が下がるということはないと思います。結論から言うと給料もめちゃくちゃ下がるわけではなく、患者の負担額が増えるので、気兼ねなく理学療法に通える人は減るのだとお思います。
Photo:capt_tain Tom
特にカリフォルニア州は厳しいのでお金儲けではお勧めしません。お金儲けであればアラスカ州がオススメです。サーモンも美味しいはずです。極寒ですが(笑)
一色史章先生経歴
【所有資格】
DPT,MS、PHI Pilates Master インストラクター
【経歴】
徒手療法と運動療法を専門とするスポーツ理学療法士。
インターンでは日本プロ野球3球団、アメリカンフットボールピッツバーグスティーラーズ、シアトルマリナーズを経験。
日本国内整形外科勤務を経て、米国へ渡米しピッツバーグ大学大学院修了。
Kaiser 病院でPNFレジデントの勤務を終えて、Loma Linda University にてPost Professional Doctor of Physical Therapy Program卒業(博士課程)
【所属】
Seal Beach PHYSICAL THERAPYにて外来整形外科勤務
【講習会情報】
一色先生が講師をこなうアメリカ最新の知見を交えたセミナーはこちらから
バックナンバー
第一回:私が理学療法士を目指したきっかけ
第二回:アメリカにおける理学療法教育
キーワード
♯アメリカ ♯テクニック ♯学生支援 ♯臨床研究
♯オバマケア