【Workshopレポート】療法士×公共交通=マッチングアプリ!?

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 今、療法士業界では起業する人が増えてきました。 ひと昔前と比べると療法士が病院や施設以外で活躍できる場は徐々に広がりつつあります。しかし、療法士として新しいリハビリビジネスを展開しようと考えても上手くいかないことがほとんどです。それはなぜか?私は2019年8月18日に吉橋明夫先生による「新しいリハビリビジネスを創造するワークショップ」でその理由を学びました。今回は療法士の職域拡大のためにも必要な知識を学ぶことができました。ここではワークショップの一部をPOST読者の皆様にもお届けしようと思います!


ワークショップはじまりました!みなさん真剣なまなざしです!この中から新しいサービスを生みだす方がいるかもしれません!?

 

サービスデザイン思考の5原則とは

 以前まではモノが産業の中心となっており、サービスは付加的なものとされていました。現在、モノは飽和し容易かつ安価に手に入れることができるようになっています。

 

そのため、顧客はサービスによる経験を求めるようになりました。そこでサービスを利用する顧客に豊かな経験をしてもらうことを目的として、人々の活動やプロダクト、情報、空間、プロセスなどを総合的に扱うデザイン分野としてサービスデザインの概念がでてきました。

 

普段の生活で、美容院・飲食店・リハビリテーションなどのサービスを受け、それに対価を支払っています。そこで私たちは普段受けているサービスに直感的に良い・悪いという評価をしています。

 

良いと感じたサービスは「また同じものを受けたい」と思い、悪いと感じたサービスには足が遠のくことは、誰でも経験したことがあると思います。

では、どこでサービスの質を判断しているのでしょうか?とあるカフェを例に見て考えていきましょう!

あなたは、ネットで見つけた近所のとあるカフェに行きました。そこは、まるで時が止まっているような心地よい空間です。店長と思われる方にコーヒーを注いでもらい、それを飲んでいます。そんな中、ふと前を見ると新メニューであるケーキの広告が目に入り、ついつい買ってしました。一時間程度読書をしてから、お会計をお願いするとお得なポイントカードを作ることができることを知りました。また来たいと思っているところ、今度はタピオカを新メニューにするというメールが届きました。流行りものに目がないあなたは、次の日曜日にまたあのカフェに行くことにします。こうして週に1回はあのカフェに出入りするようになりました。

この物語には、新規顧客が常連客になっていくための過程が描かれています。吉橋先生のお話より、良いサービスには下のようにサービスデザイン思考の5原則が考えられていることが多いです。

1.ユーザー中心 (It is User-centerd)

2.共創 (It is Co-creative)

3.インタラクションの連続性 (It is Sequencing)

4.物的証拠 (It is Evidence)

5.ホリスティック (全体的)な視点 (It is Holistic)

出典:This is Service Thinking

 

 5つの項目を見ただけではイメージをつかみにくいのですが、普段私たちが提供している理学療法・作業療法・言語聴覚療法もサービスですので、普段行っている業務をこの5つの原則に当てはめると理解しやすいです。

 

療法士×○○

それでは、今回のワークの様子をお伝えしたいと思います!

 

今回のお題は療法士×公共交通で新しいサービスを考えよでした。私のチームでは、理学療法士と作業療法士が集まりワークスタートです。

 

①療法士の特性を考える

 療法士がもっている知識や情報を整理することで、療法士が社会において強みにできるものは何か?という問いについて考えていきます。思いのほか、ここには参加者のみなさん苦戦していたようです。

療法士の強みとは!?思いついたものを貼りだしています

②新サービスの立案

 公共交通を利用する人にはどんな人がいて、どんな困りごとがあるのか、その困りごとに療法士の知識やスキルを活用して、「顧客に供できることはあるのか、などを考えていきます。チームで多くのアイデアを出し合い、具体的なサービス内容をつめていきます。

 

今まで考えることのなかったサービスデザインですが、結果としてチームのみなさんから多くの意見を出してもらうことができました。始めはありきたりな意見が多く、すでにサービスとして社会にあるようなものばかりでした。ここで、療法士のみで完結するアイデアでは新規性の高いサービスは生み出せないので、他の業種 (飲食、アパレル)とも掛け合わせすると斬新な意見が出やすいと教えてもらい、一気にアイデアが広がりました。そこからはチーム内ででてきた「〇〇〇〇〇アプリ」をキーワードにして新しい療法士によるビジネスができあがりました。

 

それは...

療法士×公共交通=マッチングアプリ

 

でした!これは車いすユーザーが、電車を快適に利用するためのマッチングアプリです。一見ネタとして考えたようなサービスでしたが、吉橋先生も「常識にとらわれず、このような目新しさも大切です」とお話しされていました。いつかこのサービスが実現される日はくるのでしょうか!?

 

短い時間のため詳細な部分までは決められませんでしたが、サービスを考えるという新しい経験ができました。みなさまも一度サービスについて考える機会を設けると、なにか新しい発見があるかもしれません。ぜひ良いサービスを作り出したら私に (こっそりと)教えてください(´・ω・`)

 

最後までイベントレポートを読んでいただきありがとうございます!ご意見・ご感想はtwitter (@kuuu_chankonabe)までお願いします。

 

吉橋明夫先生オススメ本

 

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【Workshopレポート】療法士×公共交通=マッチングアプリ!?

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