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【初告白】豪州留学後、2度の留年。資格取得を諦めた時のホンネ|三木貴弘

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日本に戻る気なんて微塵もなかった

 

三木先生は理学療法士3年目にオーストラリアに留学していますが、海外に興味を持ったのはいつごろからだったのでしょうか?

 

三木 それは高校生の時から既にありました。というのも、理学療法士になったきっかけが、海外のフィジカルセラピストを取り上げた新聞記事を読んで興味を持ったことにあったので。海外に漠然とした憧れはありました。

 

具体的に海外に行くことを決めたのは、専門学校4年生の頃です。そのために、就職先も留学にかかる資金を貯めるために、実家から通えるところを探して決めました。

 

その頃の私は、正直に話すと海外の方が優れていると思っていましたし、「留学したい」というより、「海外で一生住もう」という気持ちでした。

 

ちょうど私が理学療法士になった頃というのは、「これから日本はPTが増えすぎて大変だ」という話が出始めた頃で、わざわざ日本にいても仕方ないと思っていましたし、オーストラリアで資格を取得したらそのまま働いて、日本に戻ってくる気は微塵もありませんでした。

 

ー オーストラリアを選んだ理由はなぜだったのでしょうか?

三木 英語圏で働きたかったからですね。なので、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリス、ニュージーランドあたりも候補でした。その中から、自分は自然が好きなので、その点でオーストラリアやカナダが合っていると思いましたし、オーストラリアは腰痛分野の研究が進んでいることやマニュアルセラピーも勉強したいと思って決めました。

 

ー もともと英語は得意だったんですか?

三木 いや、全然できませんでしたよ。社会人1年目から留学するまでの期間に、必死に勉強して、テストの点数的には出来たつもりではいたんだけど、それでも全然通用しませんでした。

 

僕が留学したのはパースにあるカーティン大学なのですが、大学付属の語学学校で一定の点数をとれば大学に入学できるという条件付きオファーを日本にいる時にいただいていたので、半年間はそこに通いました。ただ、そこでの勉強も”テストに受かるため”の英語しか身に付かなくて、いざ大学に入学してからは大変でした。

 

大学の授業は、実技演習やディスカッションがあるのですが、全然コミュニケーションが取れなくて。友達と会話もやっとでしたよ。まずリスニングができないので、何を話しているのか理解ができず。入学して1年間くらいは本当に苦労しました。

しくじり?

ー そこから、資格を取得せずに日本に戻ってくるに至った経緯を教えてください。

 

三木 まず、前提として、日本では大学に入学する試験が大変ですが、卒業するのはそこまで難しくありませんよね。海外ではむしろ逆で、入学する時点でのハードルは低くて、卒業することの方が難しいということがあります。

 

カーティン大学では、制度的に留年は2回までしか認められず、同じ科目を2回落としてしまったら卒業ができなくなります。僕はなんとか3年生の後期まで進みましたが、3年後期時の1つの科目(neuroscience)のテストを落としてしまい、その科目だけ留年してしまい、一年後、実習に行きながら再テストを受けたのですが、それも落としてしまいました。卒業することができなければ、当然資格取得もできませんのでそこで僕が海外で働く道は閉ざされたわけです。

 

でも実は、その後学科長との面談があって、特例でもう一回留年してもいいというお話もいただきました。

 

それは、僕が英語ネイティブではなく、日本からの留学生ということで、努力しているのをみてくれていたから。いや、苦労しているところをみてくれていたと言った方が正しいかもしれませんが(笑)、そういう提案をしてくれました。

 

それでも、あと一年留年するための学費も生活資金もなかったですし、「次落ちたら諦める」と決めていたのもあって、お断りして日本に帰ることにしました。

 

ー 未練とかはなかったですか?

三木 なかったですね。必死に勉強して落ちたわけですから、自分に実力がなかったと諦められました。「やっと日本に帰れる」と肩の荷が下りた気持ちもあったと思います。やっぱり辛いことも多かったですから(笑)。

 

僕は資格を取得できず失敗して日本に帰ってきているので、この話をすると周りが気を遣って下さったりするのですが、このインタビューでハッキリ言っておくと、全然気を使う必要ありません。もっといじってほしいくらい(笑)。

 

むしろそのことを言いたくてインタビューを快諾しました。僕は全然後悔していないですし、胸を張って「夢を追いかけたけどダメだった」と言えます。確かに自分の目標として成功はできなかったですけど、間違いなく成長はできました。

 

その成長というのは英語力や理学療法の知識や技術だけではなくて,人間力などすべてにおいてです。当初の目標には届きませんでしたが、世界でトップクラスの授業を受けられました。英語力も身についたし、視野も広がりました。

 

オーストラリアに行った中で多くの尊敬できる知り合いと出会えました。今も一緒に研究活動をしたり、付き合いがあります。オーストラリアに行ったことは間違いなく僕の人生を変えたできごとです。自信を持って「行って良かった」と言い切れますし、資格取得ができなかったことも恥ずかしいと思っていません。そして今は新たな夢に向かって進んでいます。

 

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【初告白】豪州留学後、2度の留年。資格取得を諦めた時のホンネ|三木貴弘

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