国立循環器病研究センター糖尿病・脂質代謝内科の大畑洋子医師、孫徹医長、細田公則部長らの研究チームは、2型糖尿病患者さんにおいて、簡便に判定できる隠れ肥満が高血圧・脂質異常症の合併と関連していることを発見した。
▶︎ http://www.ncvc.go.jp/pr/release/191219_press.html
一見肥満とは思われなくても、腹腔内に脂肪が蓄積する内臓脂肪蓄積型の肥満、隠れ肥満症。体脂肪の蓄積と比べて、より心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患関連していることが報告され、より改善すべき病態と言える。
従来、この「隠れ肥満症」の判定は、腹部CTで臍の位置での内臓脂肪面積を測定することが必要だったが、近年開発された簡便な内臓脂肪測定機器では、インピーダンス法を使って簡単に計測ができるようになった。
この検査法は、微量な電流を使用するため、体に余分な水分が溜まっているような状態(心不全や、腹水貯留、むくみなど)では正確に測れない。動脈硬化性疾患を起こしやすい2型糖尿病患者さんにおいても、内臓脂肪蓄積型肥満の有無を調べることは重要だが、この簡便な機器で調べられるかどうか、これまでよく分かっていなかった。
研究チームは、2011年10月から2012年9月までに糖尿病脂質代謝内科へ入院され、腹部CTとインピーダンス法で内臓脂肪測定を行った患者98名(男性73名、女性25名)を解析。2型糖尿病患者さんにおいて、インピーダンス法はCTと同様に内臓脂肪蓄積型の肥満の有無を調べられることが明らかになった。
本研究成果はCardiovascular Diabetologyの電子版に2019年10月22日に掲載されている。