はじめから簡単にいったわけではない
POSTインタビュアー:重田先生のような形で携わっている理学療法士ってあまりいないと思うんですが、医師とタッグを組んで自費診療という形を作られるにあたり、重田先生はどのようなアプローチをされたんですか?
重田先生:そう簡単にはいきませんでした。ここに就職するまでに大学院卒業後も色んなところに履歴書を送りましたよ。
就職する時に大学院で研究はやってみたものの、まだ誰も理学療法の女性医療については日本ではやっていなかったので、ネットで検索して「骨盤底筋やっています」と謳っている病院に見学に行っても、理学療法士ではなく、自主トレメニュー渡して、運動トレーナーのような人が集団でやっているようなレベルだったんですよ。
就職したいという話をしても「う〜ん」と言われちゃうんですよ。最終的に今のクリニックの先生が、海外では理学療法士が女性医療に携わっているのを知っていて、双方のタイミングが合って就職できたんです。
そういう理解を示してくれるドクターってまだまだ少ないです。泌尿器科分野ではやっと理学療法士の存在を知ってもらえるようになってきたという感じですね。
保険が利かない分野ですし、PT一人では絶対できないので理解してくれるドクターが必要なんですよ。全国には当院のようなスタイルでやりたいドクターが増えてきていると感じます。
だから私のところに見学に来るドクターもいます。他にも看護師やPTも見学に来てくれるので関心が広まってきていますよね。
POSTインタビュアー:とてもありがたいですね。PTでもやりたいという人が増えてきていますし、ウィメンズヘルスという分野が盛り上がってきているので、研究も盛んになってきている。でも実際保険適応とは介入となるとまだハードルが高いように思います。
重田先生:絶対この分野に理学療法は必要なんですよ。でも法的な問題もあるし,PTだけやりたいと言ってもドクターを巻き込まないといけないからね。
POSTインタビュアー:はい、おっしゃる通りです。
自分で道を選択する
インタビュアー:先生が、教員だった頃の学生さんはどのような感じでしたか?
重田先生:みんな一生懸命な人が多かったですよ。
新設の専門学校だったんですが,一旦社会に出てから改めて学生になった人や,大学卒業後に入学した人,もちろん現役で入学した人と,バラエティに富んでいました。
学問ができるから臨床実習でうまくいくわけでもないし,その個人の向き不向きはありますよね。
インタビュアー:実習を中止にされてしまう子はどのような学生さんなんですか?例えばコミュニケーションが取れないとかですか?
重田先生:そうですね,少なくともコミュニケーション能力は必要ですよね.
学校教育や臨床実習でうまくいかなくても,指摘されて改善できれば成長するけど,そうでない人もいる.
壁に当たってがんばれる場合もあれば,ドロップアウトして違う道を選択する学生さんもいました.
でもそれはそれで自分の道を修正することも時には必要だと思うんですよね。
(第3回へ続く・・・)