「友達を作る」というミッションの攻略法【吉藤オリィ】

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コミュニティー復帰をどうサポートするか

ー 高齢者ですと、そもそも外出したいというモチベーションが低い人も多いです。そこの解決策について、オリィさんの中で何かお持ちではないですか?

 

オリィ そうですね。そのモチベーションを生み出すヒントは、やっぱり”人”にあると私は思っています。

 

家の外にはコミュニティーが存在し、そこに参加することで、自分という存在が承認されます。海外ですと、宗教文化が根付いているので無条件の愛を与えてくれる存在として神様が存在しますが、日本人にはそれがある人の方が少ないですよね。

 

日本では承認欲求を満たしてくれるシステムが別に必要だと思っていて、それを私は人で満たしたいと考えています。

 

孤独は消せる(サンマーク出版)」にも書きましたが、私は学生の頃、体調を崩してしまい、学校を数週間休んでしまったことを引き金に、不登校になった経験をしています。

 

一度、コミュニティーから離れてしまうと、元に戻るのが億劫になってしまうことは誰にでもあることです。高齢者ですと、体力も落ちてしまいますから尚更です。

 

そこにもう1回戻りたいと思うための仕組みづくりが必要だと考えています。

 

OriHimeを利用すれば、リアルな空間にバーチャル上で行けるようになるので、入院中でもコミュニティーに参加することができます。

 

それによって「私のこと心配してくれてるな」とか、「俺のこと忘れてないな」とかと本人が感じることができれば、復帰のためのモチベーションを維持することが可能かもしれません。

 

老若男女平等社会

 

ー 前回の話で「人との出会い」の話がありました。「一緒に居たいと思える人・場所」がいない高齢者はどうすれば良いのでしょうか。

 

オリィ まず、年齢差別が当たり前に存在していることから向き合わなければいけないと考えています。

 

今の時代でも、年下には敬語を使わないことが当たり前になっていて、年上には敬語を使うのが当たり前という文化・風習が残存しています。

 

黒人差別や女性差別は、ひと昔前、当たり前に行われていました。今はテクノロジーによって、知識・経験の差が埋められるようになっていますので、その差別意識は徐々に溶けてくると思います。

 

これから先「逆年功序列社会」を経て「老若男女平等社会」になると考えています。

 

変な差別意識が残存していると、高齢者になった時に20歳下の人に敬意を示せないですし、その態度でこられた年下からも20歳上と仲良くなりたいとなかなか思えないと思うんです。

 

私たち世代が高齢者になる頃には、今より人口が減少してしますので、より年齢関係なく「友達になる」ことが人生を楽しむ上では大事になってくると思っています。

 

 

ー 高齢者が新しく友達を作りたいと思ったときに、年齢差別意識があることで変なバリアが生まれてしまうということはあるのかもしれません。

 

オリィ そもそも、「友達を作る」というミッションは、皆さんが思っているよりも難易度が高いものなんです。

 

まず外に出る一歩が踏み出せない人も一定数いますし、ただ外に出るだけではなく、人がいるところに行かなければいけません。

 

人がいるところに行ったとしても、友達になるためには「話す」という何かしらの接点を作らないといけません。

 

仮に、ふと目の前を通りかかった人が何かしらを落としそれを拾うことで接点が持てたとしましょう。それでも、そこから会話を広げて、連絡先交換を行うことまで持ち込むことができなければ、すぐにその接点もなくなってしまいます。

 

運良く連絡先を交換できても、そこから食事にでも誘って、相手が来てくれないことには友達にはなれないわけです。

 

これだけのステップを全てクリアすることで、友達になることができます。若い頃は出会う人数(母数)自体が多いですが、高齢になったり障害を持つと、出会う人数が少なくなってきます。

 

ー ICF分類における「参加」は家庭や社会に関与し、役割を果たすことと明記されています。つまり、ただそこにいるだけでは参加とは言えないわけですが、コミュニティーに自分から入っていけないタイプの人にとっては、新しく友達を作るというのはかなりハードルが高いと思います。

 

オリィ でも、不可能ではないですよ。私は、孤独の解消のために、これらステップごとの確度を上げる手段を作っています。例えば、私もコミュ障害なので、自分から声をかけることができません。

 

でも、仲良くはなりたいと思っているんです。そのために、向こうから声をかけやすいようなキッカケを作っています。

 

例えば、この黒い白衣。見た目的にもそうですが、袖口にSuicaが仕込まれていて、そのまま改札のドアを開けることができます。この白衣を着ている事で、好奇心旺盛な興味がある人は声をかけてくれます。

 

【目次】

第一回:OriHimeが創る参加2.0 外出の価値とコミュニティー

第二回:「友達を作る」というミッションの攻略法

第三回:「自分らしく生きる」の正体

 

【連載|ADLTech】

WHILL〜モビリティが叶える移動した"先"の世界〜

 

 

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