僕が障がい福祉グループホームで起業したわけ【穴澤 達徳】

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第346回のインタビューは千葉県で合同会社なゆたを経営する理学療法士の穴澤達徳さん。現在障がい福祉グループホームを4棟経営している穴澤さんに、その働き方を伺いました。

ー 理学療法士がデイサービスや訪問看護ステーションを立ち上げるというのはよく聞く話ですが、グループホームを立ち上げるというのはあまり聞きません。まずは、穴澤さんがPTになってから起業までの経緯を教えてください。

 

穴澤:起業を思い立ったのは、PT6年目の時で回復期病棟に異動になってから職場が全然合わず辞めようと思ったときです。先輩とソリが合わず、次のキャリアを考えた時に起業するか、他の病院で働くか悩んだのですが、起業を選びました。

 

頑固な性格なので、別の病院に移ってもまた同僚と上手くいかないかもしれないですし、そういった組織の中で折り合いをつけることに労力を費やすよりも、もっと自己成長がしたいと思いました。

 

障害者グループホームをやろうと考えた時に、仰った通り、デイサービスや訪問看護ステーションが浮かんできましたが、立ち上げ資金に1,500万円くらいかかることと、既に市場的にも飽和してきているので初めての起業で差別化を図る事が難しいかなと思いました。

 

それでも、一応、ネットの起業家掲示板に、「デイサービスやりたいんですけど一緒にやってくれる人居ませんか」と書き込んだら、大手の学習塾を起業した方からの問い合わせがあったりしました。その中で大阪の枚方の看護師で訪問看護ステーションと障害者グループホームを経営している方から連絡を頂き見学させて頂きました。

 

それで、ランニングコストもかからないし、まだまだ需要が追いついていない。介護が必要ない方が多く、シニアも働けるし空き家対策にもなるというので、やってみようと思いました。

 

 

 

ー グループホームの立ち上げ資金っていくらくらいかかるったんですか?

 

穴澤:だいたい1棟400万円から500万円ぐらいです。ただ、僕はそうは言っても何も分からなかったので、最初はコンサルティングに250万円払いました。

 

ー グループホームって、どんな仕事をするんですか?

 

穴澤:学生寮の寮長さんみたいなイメージですね。入居者は平日の9時から17時は、仕事に行ったり生活介護に出掛けてしまうので、グループホームにはいません。

 

うちはシフトを夕方17時から朝9時に組んでいて、働き方としては、夜ご飯を作って、服薬管理をして、家の掃除をして、夜は巡回して、特に何もなければ仮眠をとります。それから、朝起きて、朝ごはん作って、みんなを送り出して、掃除して終わりです。土日は日勤も雇っていて、1棟につきアルバイト4~5人でシフトを回しています。

 

ー 入居者ってどうやって入ってくるんですか?

 

穴澤:私は、市役所に行くと相談支援事業所の一覧があるので、その資料をもらって、テレアポを取りましたね。それで、各事業所にチラシを撒いて「お願いします」と声をかけたら、だいたい2ヶ月ぐらいで埋まりました。それくらい需要は多く、まだまだ足りていない地域が多いのが現状だと思います。

 

ー 入居者は知的障害だったり、精神障害の方が多いと思いますが、そうなるとトラブルも色々と起こりそうな気がしますがどうでしょうか?

 

穴澤:弊社は重度の方の受け入れをしているのでトラブルは正直、めちゃくちゃあります。自傷他害行為による強制退居もちらほらあります。なので、最初は体験入居というのをしてもらって、お試しで入居者同士の相性とか、働いている世話人との相性とかをみて、慣らしながら入ってもらうようにしています。

 

ー 安定している職場ではないということですね。

 

穴澤:弊社は重度の方や触法障がいの方も受け入れているので、多職種連携に重点を置いて対応していますが、色々と問題や課題は多いです。

 

グループホームによっては軽度の方しか受け入れていないホームもあるので、方針によって違いはあると思います。あとは、入居してもらってから「その情報聞いてないよ」というのケースも多いです。アセスメント表というのがあって、それを見て入居者を判断するのですが、アセスメント表に書いてない問題も多いです。

 

すぐ入りたいという方が多いので、ご家族や相談員から話を聞いても、情報の取りこぼしはどうしても発生してしまっています。

 

ー PTやOTの資格を持っている人がグループホームを運営するメリットって何かありますか?

 

穴澤:特にOTで精神病院で働いている方ですと、入居者を専門的にアセスメントできることは、運営していく上でかなり強みになると思います。

フランチャイズで展開している他の事業所さんですと、不動産や金融出身の人など未経験の方が介入してきて受給のバランスが崩れている地域もあります。うちは医療に特化していると言えるので、事業所の売りにはなっています。今後は市場調査やグループホームの売りなど差別化を図る必要があると感じています。

 

ただ、入居者は障害年金と生活保護で生活されている方が多いので、自費でリハビリを提供する方はある程度お金に余裕がある方に限られます。

 

ー 入居者が卒業することってあるんですか?

 

穴澤:弊社は重度の方が入居しており、服薬管理、金銭管理、食事の提供など支援が必要なので卒業される方は少ないです。65歳になると、介護保険に切り替えるのですが、それでも、障害福祉サービスとの併用で、そのまま住むことはできます。

 

東京都には通過型グループホーム(なゆた含め多くのグループは滞在型)というのがあって、地域で自立した生活ができるよう取組や援助を行う目的で入居させるので、加算が付きますが、原則2年で出ていかないといけないというものもあります。

 

仕事なので、色々と問題や課題はありますが、空き室リスクが少ないので、安定した収益に繋がる事業だと思います。また入所系の事業なので、災害やコロナによる影響も少ない事業だと感じています。

 

 

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