「影絵」を用いた新しいリハビリ方法を開発し、複合性局所疼痛症候群(Complex Regional Pain Syndrome: CRPS)に対する実践した ー。
畿央大学大学院博士後期課程の修了生の平川善之氏らは、国際誌「Journal of Pain Research」で報告した。
CRPSは、骨折などの外傷や打撲など比較的軽微な障害を受けた後、その痛みが長期間残存する症候群で、その症状は、痛みのみではなく、通常の治癒過程と異なる異常感覚、自律神経症状、骨や皮膚の萎縮性変化など多岐にわたる。
中でも、自己の身体に対する負の概念(醜形感や異形感など)や感情(嫌悪感など)がCRPSの痛みを増悪させることが報告されている。
今回報告した症例は、自身の患肢に対し強い醜形感・嫌悪感を有しており、これが痛みなどの症状に対して負の影響を与えていた。CRPS患者に対して、比較的効果があるとされている運動イメージなどの介入ではほとんど効果が得られず、自肢への負の概念を是正でき得る効果的な治療方法は開発されていないのが現状である。
今回、平川氏らは「影絵」を利用した臨床介入を新たに開発し、CRPS一症例に対して臨床実践し,痛み症状などの改善を確認するに至った。
詳細は⬇︎