施術を通した「出会い」を大切にするために考えていること
こんにちは!世界一周しながら世界の人々を施術する旅をしている柿澤です。現在はベトナムのホーチミンにおります。
旅の中で500人の方の施術をしようと目標を立て、現在130人の身体を見させて頂きました。
今回は土地勘も知り合いもいない僕がどのようにして世界で多くの人に施術を提供できているのかをお伝えします。これは普段の臨床や社会というコミュニティを生きる上で重要な事だと感じているので是非読んで頂ければと思います。
僕は旅をするにあたって現地の情報を最低限しか調べていきません。それは施術から生まれる「出会い」を通じてガイドブックには載っていない旅をしたいからです。
では、どのようにして現地人、もしくは外国人の方の施術にあたるかです。施術する場所や時間、見せ方など様々な工夫はあるのですが、まずそれより前に「信頼を得る」という作業を行い自分がどういう人となりかを感じてもらいます。
例えば路上で治療院を開く場合では、どんなに人通りの多く対象者がいそうな場所でも「初対面で見ず知らずの日本人が身体を見させてください」なんて怪しすぎて誰もこないですよね。笑
そこで、まずは僕を知ってもらう為に、そこに暮らしている人と仲良くなる作業から始めます。
ことアジアに関しては人との距離が近く、こちらが話しかけると興味津々で人が集まってくるので、そこでいかに相手との距離を縮めて僕という存在を信頼してもらかという事をします。一緒にお茶を飲んだり、雑談をしたり、遊びに加わったり、同じ時間を「同じテンション」で共有します。
相手はこういう話しでスイッチが入りやすいんだ!ボディタッチや気さくに接するといい笑顔するな!真面目な話を目を見て話すと相槌が多くなる!など、相手の行動が高まるタイミングを感じ適切な距離感を模索します。
信頼され、心を許した所で施術を行います。我々、医療職はその専門知識や技術を対象者に還元しNeedsに応える事が仕事であり、それに加えいかに相手との適切な関係が成り立った上での「信頼」を得るかが重要だと考えます。
以前勤めていた病院でもこの部分を重要視しており、この方は少し砕けて接したほうがいいな。解剖の教科書を引っ張り出してでも細かく説明をした方がいいな。とにかく会話を傾聴して不安を聞いてあげよう。なと治療をするのと同等にその方に合った場面設定をする事を意識しました。これは治療と同時進行します。
治療では最初の導入で評価~治療効果を対象者の自覚的変化をもたらす事で実感してもらい、問題箇所となる要素をフィードバックします。問題点を解消すれば身体が変わるという変化を認識してもらう事で行動や情動変容が得られ治療成績にも影響するからです。
これらは決して顔色を伺うという訳ではなく、その人、そのコミュニティの中でいかに距離感を保ち、自分を出しつつも良好な関係を築いていく為の工夫なのかと思います。
職場内を見渡すと、対象者から人気があり、信頼が厚いというセラピストが何人か思い当たるかと思います。その方たちは人と付き合ったり、コミュニティで動く上でこの「信頼」を勝ち取る能力が高いのだと思います。
自分をいかに信頼してもらうか。信頼を得る為にはどんな事が必要なのか。自分が「こういう人になりたいなぁ」と思う人がいたら、その人の良い所は何かを感じ、真似てみると良いかもしれませんね。
誰だって気持ちのいい人間関係が最高だと思います。
その作り方は人それぞれあり、どれが正解でもないですが社会生活やリハビリテーションでは、まず相手ありきの自分となるので、よりそこに意識を向ける必要はありますよね。
これからもこの旅は続きますが、人種や言葉が違えど、この「全人類共通事項」をより高める事で最高に楽しくワクワクした旅にしたいと思います。
人生悔いなく生きましょう!
>>連載第6回:”意識高い系療法士”にならないためのポイント柿澤健太郎先生 経歴
【所有資格】
理学療法士
【経歴】
静岡医療科学専門学校卒業 (現在臨床7年目)、卒業後「フジ虎ノ門整形外科病院」にて急性期~回復期~外来を経験
御殿場南高校野球部帯同(2013~2014)
御殿場看護学校非常勤講師(2014)
勉強会団体「丸裸会」会長(2011~)
<バックナンバー>
連載第1弾:私が病院勤務を辞め、世界を目指したきっかけ
連載第2弾:旅の過程は「臨床推論」と同じ
連載第3弾:多くの療法士はまだ本気を出しきれていないのではないか?
連載第4弾:覚悟を持った行動が自分を成長させるチャンスとなる
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