キャリアコンサルタントが徹底サポート

Withコロナ時代の『遠隔リハ』 第二波・第三波に備えるために今必要となる取り組みとは?

6867 posts

~動画コミュニケーションアプリ「ケアコチ」で”離れていても繋がる介護”を実践する リハビリコンパス佐藤さんに聞く~

 

春日部市を中心にデイサービスや訪問看護を提供する「リハビリコンパス」でデイ統括リーダーとして働く理学療法士 佐藤 斎さんのインタビュー。介護業界における新型コロナウイルス感染拡大の影響や、第二波・第三波に向けてどのような取り組みが必要になるのか、見解を寄せてもらった。

 

 

現在に至るまでのご経歴を教えてください。

 

21歳の時に理学療法士の資格を取得し、その後3年間は、地域に根付いた介護老人保健施設で在宅復帰を目指す方のリハビリテーション支援や、退院されている方々に向けた通所・訪問のリハビリ支援を行っていました。

 

しかし、そのような仕事に携わる中で、これらのリハビリ支援には地域格差があり、需要があるのに供給者が少ないと感じるようになりました。

 

そこで、自分が培ってきた知識や技術をもっと広く活かしたいと考えていた時に、春日部で訪問看護ステーションを立ち上げるという話を聞き、そこからのご縁で合同会社リハビリコンパスに入社しました。

 

ー現在の仕事内容は具体的にどのようなものですか?

 

リハビリコンパスに入社してから管理者として2店舗のデイサービスの立ち上げに関わったのですが、現在はデイ統括リーダーとして、その2店舗がより良いサービスを提供し、利用者の自立支援をサポートする業務をメインに行っています。

 

スタッフや利用者がより良いコミュニケーションをとれるような環境作りから、営業、広報、採用活動まで、内容は結構幅広いですね。

 

また、理学療法士として現場にも出ているので、楽しく体を動かすことのできる運動指導を通して、利用者の方に少しでも元気になってもらうためのサポートなどもしています。

  

 

ーとても幅広い仕事内容ですね。

 

そうですね。やりたいことはすぐに実行したくなる性格なので、デイサービスの運営をメインとしながらNPO法人を立ち上げ、理事長として介護者同士のコミュニティサービス「家族会」の運営も行っています。

 

ー「家族会」とはどのようなコミュニティサービスですか?

 

「家族会」は、自宅で介護をしている家族の方々が交流し、お互いに支え合うことができるコミュニティサービスです。

 

介護を受ける方々に元気になってもらい、住み慣れた地域や家で少しでも長く家族と一緒に暮らしていきたいという望みを叶えるためには、私たちが理学療法士としての技術を活かして良いサービスを提供することももちろん大切ですが、それと同時に家族の方々のサポートも非常に大切になります。

 

そのため、「家族会」のようなコミュニティの運営も行うことで、介護に携わる家族の方々の健康も、心身ともにサポートしていければと考えています。

 

ー介護をする人/される人のために様々なお仕事をされていますが、今回の新型コロナウイルス感染拡大による影響はありましたか?

 

やはり大きな影響がありました。実際にリハビリコンパスでも訪問看護ステーションスタッフが新型コロナウィルスに感染している疑いが出たことがあり、その際には利用者の安心・安全を第一優先に考え、一週間ほど自主休業するという対応をとっています。

 

検査の結果は陰性だったのですが、利用者や地域の方々を不安にさせてしまいました。また、休業していたことでサービスを受けられなくなった利用者に認知症の進行や持病の悪化などの影響が出てしまいました。

 

また、デイサービスの方では、集団でのレクリエーションや体操など、どうしても”密”になりやすい環境があるため、ウイルス感染への不安からお休みする利用者が増えてしまいました。

これにより、運営面においても稼働率が下がり利益が減少してしまうといった影響がありました。

 

ーそのような影響を受け、新たに始めた取り組みなどはありますか?

 

まずはマスクの着用や、手洗い・うがいの機会を増やすなど、基本的な感染予防対策を徹底することで、利用者や地域のケアマネジャーに安心感を持ってもらえるようにしました。

 

また、店舗リーダーと各スタッフのコミュニケーションの場を意識的に作ることで、少しでも安心感を持って働ける環境を整えたほか、遠隔でもデイサービス利用者や家族の方との繋がりを持ち続けるため、動画コミュニケーションアプリ「ケアコチ」の導入も開始しました。

 

ーケアコチとはどのようなアプリですか?

 

AIを利活用している、介護現場向けの動画コミュニケーションアプリです。

 

リハビリコンパスでは主に、デイサービスのスタッフが利用者や家族の方とのコミュニケーションを活性化させることなどに役立っています。

 

普段デイサービスでやっている体操の動画を利用者に送り、それを見ながら自宅で実施している様子をアプリで動画撮影・アップロードしてもらうことで、スタッフがコメント動画や赤ペンを付けて返信することができるので、モチベーションを保ちながら自宅での運動を実施してもらえています。その際、撮影は家族が行うので、これが家族の方がより前向きに介護と向き合うきっかけにもなっていますね。

 

また、自宅で使ってもらうだけでなく、デイサービス内でiPadを使って運動プログラム動画を見せたり撮影したりして、利用者にも楽しんでもらっています。

 

動画の共有機能の他には、AIによる歩容解析がスタッフの間でも人気ですね。歩いている姿をアプリで撮影するだけで利用者の歩行リズムやふらつき、左右のバランスなどをわかりやすく数字で見て変化を追っていくことができるので、今後もどんどん活用していこうと思っています。

ーケアコチの導入により、利用者側に何か変化はありましたか?

 

そうですね。主に「モチベーション」、「運動の質」、「継続性」の3つの点で良い効果がありました。

 

アプリを使うことで利用者とスタッフが遠隔でも動画を通じて繋がることができるので、デイサービス内で「スクワットの運動を家でも実践してね」と口頭で伝えるよりもスタッフを近くに感じることができ、モチベーションの向上に繋がっているのだと思います。

 

また、在宅運動プログラムを実践している動画をアップロードしてもらうことで、アプリを通じてフィードバックすることができるので、運動の質も徐々に向上させることができます。

これにより、利用者自身がその効果を実感することに繋がり、運動の継続性という点でも良い効果があるようです。

 

 

ーこのような時代だからこそ、自宅で効果的なトレーニングができ、遠隔でも繋がりを持ち続けられるのは良いですね。

 

はい。動画を通じたコミュニケーションなので離れていてもお互いに顔を見ることができ、「あなたを見ていますよ」ということがしっかりと伝わるのが利用者にとっても嬉しいみたいです。

 

また、夫婦で一緒に在宅運動プログラムを実践してくれているケースもありますので、利用者とスタッフ間の繋がりだけでなく、家族同士の繋がりにも役立っています。

 

ー リハビリコンパスではすでにWithコロナの時代に対応する取り組みを実践していますが、今後予想されている第二波・第三波に向けて、介護業界ではどのような準備や取り組みが必要になるでしょうか?

 

Withコロナの世界では、対話や繋がりを途絶えさせないために工夫し、アクションを起こしていくことの重要性がより一層増していくと思います。

 

そのため、こういった時期だからこそ、今後予想されている第二波・第三波に向けた準備として新しいテクノロジーをどんどん取り入れ、少しでも自分たちのサービスの質を向上させていくことが大切です。

 

リハビリコンパスではその取り組みの一つとしてケアコチを導入し、動画を通じたコミュニケーションを活用していますが、このように遠隔でもリハビリができる介護サービスの整備を進めることで、今後、第二波・第三波がきてしまっても、対話や繋がりを持ち続けることができます。

 

新型コロナウイルスの影響によりできなくなってしまったこともたくさんありますが、そこばかりに目を向けていても何も進みません。

 

それまで当たり前だったことが急にできなくなってしまうようなWithコロナ時代だからこそ、積極的に新しいテクノロジーを取り入れ、サービスの質を向上させる取り組みを実践し続けることにより介護で救える人を少しでも増やしていきたいと思っています。

 

ケアコチ説明希望フォーム

ケアコチ/歩容解析AIに関する問い合わせは下記の説明希望フォームよりご連絡ください。

説明希望フォームURL:forms.gle/xKdBQ62suWPv1aYL

【ケアコチとは】

AIを利活用した動画コミュニケーションアプリ。自宅での運動や家族が介護をしている様子を撮影した動画に、スタッフがコメント動画や赤ペンを付けて返信することができるため、言葉や文書だけでは伝えにくい手の当て方や体の動かし方などを伝えることができる。また、撮影された歩行動画をAIが解析する歩容解析AIも搭載しているため、歩容状態から「転倒リスク」を推定し、アセスメントの1つとして活用することも可能。

ケアコチ公式サイト:https://carecoaching.jp/

 

Withコロナ時代の『遠隔リハ』  第二波・第三波に備えるために今必要となる取り組みとは?

Popular articles

PR

Articles