理学療法士(PT)照屋一樹先生-”故郷沖縄”と”大都会大阪”での関わり方の違い-

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県外から見る故郷沖縄の現状

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POSTインタビュアー:最終的には沖縄で何かしたいという思いがあったからこそ行動することができたということですか?

照屋先生:そうですね。自分の地域に帰った時に、老健があるのか、手厚く365日受けることのできるリハビリテーションがあるのか、必要なときに入院できる病院があるのか。

そういうのを考えるきっかけになりましたね。

POSTインタビュアー:なるほど。沖縄の医療を大阪から見ていて感じたことや、沖縄のリハビリテーションの特徴を教えていただけますか?

照屋先生:沖縄県外にずっと就職していたので、帰ってきてすぐという今の自分の立場で沖縄のリハビリテーションがどうなのかというのは、コメントできないですね。

ただ外から見たときに、僕が県外に出たときと帰ってきたときを比較すると、良い方向に向かっているというのは感じます。

養成校も増えているし、療法士の数も増えてきています。沖縄県の療法士も1400人くらい出てきています。ただ、7割強は本島に出てきていますが、離島という位置付けもあって、広域に供給できていないのが現実ですかね。

本島や都市部には充実した質の高いリハビリテーションが提供されていると思うが、一方それが出来ていない地域もあるということです。

今後は充足していない地域でも、療法士がどういうことが出来るのか、これからやっと議論できて、そこに向け挑戦できる体制にあると思うので、これからが非常に楽しみです。

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大阪と沖縄での”サービス”の違い

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インタビュアー:今現在の取り組みについて教えていただけますか?

照屋先生:今はですね、事業としては訪問看護事業の一事業で、構成としては療法士1名、看護師3名で24時間体制で展開しているステーションになります。

やはり療法士が軸となって、起業して立ち上げているところも踏まえると、地域にとって必要とされるサービスじゃないといけないのかなというところと、看護だけに捉われず、私自身としても療法士としては医療から福祉・介護まで幅広く関わってきた経験がありますからそれを地域で事業をしながら、そうじゃないところでも療法士の気づきや専門性を生かしたチーム作り・地域作りがこれからは必要になってくるのではないかと思います。

なので、今はステーションの運営と地域・行政との関わり、事業所間の関わり、住民を取り巻く地域単位での関わりをやっていますね。

インタビュアー:今はどういった段階なのでしょうか?

照屋先生:今、地域でやっていることは特段変わったことをしているわけではなくて、今何を求めているか、これからどうしたいのか、将来どういうものがあれば生活がしやすいのか、ということを問い合わせ、確認しながら提供できるものは何かと考えています。そういった段階ですね。

そして、その中で自分としては何ができるのか落とし込むことを意識して働いていました。

インタビュアー:実際沖縄で訪問看護ステーションを運営されていますが、大阪での患者さんとの関わりと沖縄での関わりで何か違うところとか、ニーズの部分での違いはありましたか?

照屋先生:ニーズとして合致する部分は、「何をしてくれるのか。」「あなたが関わることでどう変化していくのか。」ということは求められていますね。

求められている期待値は高くて、それに応えないといけないという葛藤は常にあるんですが、その先に「ありがとう」と言われるその一言で頑張れている。

違いとしては、横のつながりの影響でサービスが利用しづらい部分がまだまだあります。あとは相談する場所ですかね。資源としてはあるにも関わらず、望んでいるものに対して実際に提供できているものがマッチングしていないケースが多いですね。大阪のように情報や目に見えるサービスがいっぱいあるわけではないので、そこが違いますかね。沖縄に来ると周りが調整してくれるので、本人の選択がどこまであるのかなという感じがします。

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<第二回に続く(9月17日を予定しております)>

照屋一樹先生経歴

沖縄県沖縄市出身の理学療法士

大阪リハビリテーション専門学校卒業後、みどりヶ丘病院、株式会社メディケア・リハビリ勤務を経て、現在は「株式会社まなざし」代表取締役として訪問看護ステーションを経営している。        

 

 

<照屋先生の施設紹介がされている「訪問リハビリテーション」>

第5巻第2号2015年6・7月:「整形疾患別の訪問リハビリテーション」  

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