【書籍紹介】精神療養病棟で疾患別リハ算定可能になった今学ぶべきこと

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 精神療養病棟入院料の算定要件を変更し、疾患別リハビリテーション料やリハビリテーション総合計画評価料は別に算定できるよう見直されました。厚生労働省の中央社会保険医療協議会が開催され、令和2年度の診療報酬改定に関する個別改定項目が提示されましたー。

 

精神疾患に対して我々ができること

 昨今の情勢をみても精神的な問題に対するサービスが今現在、十分であるとは言えません。一方で、現在でも精神疾患の患者数は増加傾向にあります。

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/data.html

しかし一方で、以下のデータを見ると医療でのサポート、つまりは在院日数は減少傾向にあり、「平成元年から平成29年の間に約220日短縮」していることがわかります。

 

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/data.html

 

これは、医療での締め付けではなく、「精神疾患患者の地域・社会移行」の流れと考えることもできます。我々の業界において、精神疾患に対するそもそもの専門分野は作業療法士にあり、PTSTの介入はほとんどなかったかと思います。

 

しかし、「精神疾患患者の地域・社会移行」と考えた場合、リハ職種としてはPTOTSTでの協力、そのほかの専門家に合わせて、ピアサポーターの役割も多くなると考えられます。

 

整形外科、脳血管疾患を担当するのが当たり前である現状から考えても、精神疾患に対する理解は、リハ専門職にとって今後必須要素であると考えます。

 

書籍概要

 PT・OT・STの方に限らず、精神科医療に携わる各職種の皆さまにとって、精神科医をはじめとする他の職種は、怖かったり、話かけにくかったり、方針がちがったり…と対立軸で向き合うことも多いようです。他職種を知ることで、機能的な多職種チームへとつなげることが本書の目的となっています。

 

精神科チーム医療に携わる各職種のスペシャリストたちが、①自職種の強みと弱み、②理解を深めてもらうための事例紹介、③自職種をどのように活用してほしいか、④他の職種にはどのようにアピールすべきかといった点を中心に、これから本格的に多職種連携に取り組む人々へ向けそれぞれの職種をわかりやすく理解できるように伝える1冊となっています。

 

もちろん、PT・OT・STも登場。すでに精神科チーム医療に参画し精神疾患患者のリハビリ・ケアに携わっている皆さん、これから参加を求められる方、いずれにも役立つ書籍となっているはずです。これからの精神科医療に必要とされる連携を機能的なものにできるよう、まずは多職種を知ることから始めよう!

 

【掲載職種】 精神科医、看護師、行政保健師、公認心理士・臨床心理士、精神保健福祉士、薬剤師、管理栄養士、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、ケアマネジャー、ピアサポーター

 

本書のポイント

・精神科医からピアサポーターまで、精神科医療に携わる各職種の特徴、得意な点・不得意な点などがこの1冊でよくわかる!

・典型事例を各項目に入れ、現場での連携や多職種における困難がより身近に感じられるようにしている。

・他の職種がどのような考えのもとに患者・利用者と向き合い、チーム医療のなかでの役割を果たそうとしているかがよくわかる。

 

【書籍紹介】精神療養病棟で疾患別リハ算定可能になった今学ぶべきこと

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