15日、東京大学医科学研究所の城村由和助教(癌防御シグナル分野)、中西真教授(癌防御シグナル分野)らの研究グループは、新たな老化細胞の純培養法を構築し、老化細胞の生存に必須な遺伝子群をスクリーニングにより探索した結果、グルタミン代謝に関与するGLS1を同定したー。
この研究成果は、米国の国際科学雑誌「Science」に公表された。
▶︎https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00065.html
発表のポイント |
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・老化細胞はリソソーム(注1)膜に損傷が生じることで細胞内pHが低下すること、その結果としてグルタミン代謝酵素GLS1(注2)の阻害剤に感受性を示すことを明らかにしました。 ・老齢マウスや加齢関連疾患モデルマウスへのGLS1阻害剤の投与により、さまざまな臓器・組織の加齢現象や老年病、生活習慣病を改善できることも見いだしました。 ・本研究成果により、老化細胞の代謝特異性を標的とした老化細胞の除去による新たな抗加齢療法の開発に貢献することが期待されます。 |
発表雑誌
雑誌名:「Science」
論文タイトル:Senolysis by glutaminolysis inhibition ameliorates various age-associated disorders
著者:Yoshikazu Johmura*, Takehiro Yamanaka$, Satotaka Omori$, Teh-Wei Wang$, Yuki Sugiura, Masaki Matsumoto, Narumi Suzuki, Soichiro Kumamoto, Kiyoshi Yamaguchi, Seira Hatakeyama, Tomoyo Takami, Rui Yamaguchi, Eigo Shimizu, Kazutaka Ikeda, Nobuyuki Okahashi, Ryuta Mikawa, Makoto Suematsu, Makoto Arita, Masataka Sugimoto, Keiichi I. Nakayama, Yoichi Furukawa, Seiya Imoto, and Makoto Nakanishi* (*共同責任著者、$共同第二著者)。
DOI:10.1126/science.abb5916
URL:https://science.sciencemag.org/content/371/6526/265