理学療法士を目指した理由
インタビュアー:松井先生が理学療法士になろうと思ったきっかけを教えてください。
松井先生:私が理学療法士になったきっかけは、高校時代テニスに打ち込み肘を故障してしまったのですが、セラピストにフォームの修正を指導してもらい、痛みが取れてくるっていう実体験がありました。おかげで夏の総体も乗り越えられ、若者の青春をすべてダメにしてしまう障害を親身に寄り添って考えてくれる素晴らしい仕事があることを初めて知ったんですよね。それがきっかけでこんな仕事がいいなって単純に思ったのを覚えています。そして憧れの病院というかっこいい場所で白衣を着て働ける、こんなやりがいのある良い仕事他にないなと思ったのがきっかけですね。
インタビュアー:ということは、学生時代からリハビリ職種との距離が近かったのですね。
松井先生:そうですね。私自身もお世話になりましたし、母親の骨折後のリハを見学しに行ったこともありました。学生時代に見るPTはかっこよかったですね、このとき憧れとなる良き療法士に出会えた縁に感謝しています。
インタビュアー:養成校時代はどんな学生だったのですか?
松井先生:学校になかなか行かなかったです。最初のオリエンテーションでバイトを辞めなさいと言われてびっくりしましたね。正直、どんな厳しい学校なんだ よと思いました。結局バイトは続けましたけど、成績は赤点とらない程度にぼちぼちやってて、どちらかというとバイトや遊びに一生懸命でした。
インタビュアー:松井先生は勉強が特別できたわけでもなく、普通だったってことですか?
松井先生:そうですね。どちらかというとスクールライフを楽しみたいと思っていたのですが、学校がハードだったので、両立する厳しさに逃げていた気がします。理学療法士として世の中に出てどんどん前に進みたいと思っている今の自分にびっくりしているくらいです。本気で辞めようとしたとき「一緒に卒業しようぜ」と仲間が支えてくれたから、今こうして療法士として仕事ができています。また諦めずに教育して下さった教員の先生方にも頭が上がりませんね。
インタビュアー:今は松井先生の学生時代のような『辛いから辞めたい』っていう学生も多いと思いますが、そういう人たちにアドバイス等はありますか?
松井先生:私が思うことは、看護とかリハビリとかの学校ってその資格しか取れないんですよね。せっかく1番大事な学生時代を過ごして取った資格なので、誇りを持って世の中に広めていくべきだと思います。自分に対して否定的ではなく、自分の人生を胸張って生きていこうと考え、30~40歳になった時の自分の将来を想像していくと、どんな風にセラピストとして生きていこうっていうのが考えられるんじゃないかなと思います。壁を越えられた達成感は必ず後から自分についてくるので。
※病院勤務時代の松井先生(写真前列右から2番目)
起業を意識し始めた3年目
インタビュアー:先生は5年病院で働いていて、いつから起業を意識しだしましたか?
松井先生:私が起業を意識しだしたのは3年目の時です。教育して下さった先輩の方々には失礼かもしれませんが。私が働いていた病院はRAに特化した病院で、薬剤とか総合的な病理関係を多く勉強できた場所なので、逆に徒手療法の手技とかを広くは勉強しなかったんですよね。RAは特に緩解と憎悪を繰り返しますが、その中でPTのゴールは何なんだってところにぶつかることが多くありました。また、生活期っていうワードが流行ってきた中で、私たちが表現できることっていうのは社会的な復帰ですよね。その人らしい役割を出していくことに仕事感がつながっていったというか、そういう維持期の患者さんが旅行に行きたいって言ったのをどうやって支援できるかを初めは考え、いまの関わり方では手段が少ないことに気付きました。その時とった手段は休日を使って旅行についていくことでした、コンプライアンスには問題があったと思いますが。でもこういう関わり方ってすごくいいなって思いましたね。リハビリテーションにおいてもっとも大切な「全人間的復権」を最大限にサポートできるフィールドがなければ、自分で作りあげたいなと思ったのが起業のきっかけです。
⇧光の森リハビリセンターsmile-スミレ- 開設当初
松井亨先生 プロフィール
熊本県出身理学療法士
●合同会社EMIAS 代表
●地域活性化プロジェクト ジャムカフェ理事
●地域包括ケア推進リーダー
●介護予防推進リーダー
2007年 西日本リハビリテーション学院卒業 理学療法学科
医療法人社団星輝会 松原リウマチ科・整形外科入職
2012年 オーストラリアへ海外留学
帰国後、施設運営コンサルタントとして活動
2013年 合同会社EMIAS設立
光の森リハビリセンターsmile-スミレ- 開設
2015年 光の森リハステーションspito-スピット- 開設
第2回▷▷no.2- 「起業するまで準備したコト」
第3回▷▷no.3-「私の役割〜地域の仲間や社員をワクワクさせること〜」
第4回▷▷no.4- 最終回「プロフェッショナルとは?」
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