皆さん、こんにちは。火曜日担当の藤本裕汰です。本日もよろしくお願い致します。前回は肩関節インピンジメントについて解説しました。本日は前々回の続きのプライミングの各論について解説していきます。
プライミングの復習
プライミングとは、以前の刺激に基づく行動の変化と定義されています1)。プライミングは暗黙学習に分類され、1回の学習エピソードの後に生じます。また神経疾患に対して、障害を軽減する回復的介入として有効な手段として考えられています。
プライミングとは事前運動・準備運動の様なイメージであり、その後の運動にポジティブな効果をもたらします。その結果、様々な研究の中で効果が認められ、非常に有効であると考えられます。また自分で実施出来るものも多くリハビリ前に自主練で実施してもらうなど様々な方法で活用することが出来ます。
種類に関しては以下の5つが挙げられます1)。
(1)刺激に基づくプライミング
(2)運動イメージと行動観察
(3)感覚入力の操作
(4)運動に基づくプライミング
(5)薬理学に基づくプライミング
運動に基づくプライミング
運動に基づくプライミングには、リハビリの効果を高めるために反復的・継続的な動きが含まれます。両側性または片側性の動作、ミラー療法の能動的または受動的動作、両側プライミング、有酸素運動、等尺性運動、バランス運動などのあらゆる種類の運動が含まれます。この中で一番多く解説されている内容に関しては両側運動になります。両側プライミングに関して有名なのはThe rockerと呼ばれる機器にて行うというものがあります。
運動に関するプライミングに関しては感覚のプライミングと比較すると高価な機器が必要ないものも多く非常に有効であると考えています。実際に使用することでより機能が改善するということが多く報告されています。ここからは実際の研究の内容も合わせて、運動に基づくプライミングを解説します。