28日参議院予算委員会が行われ理学療法士制度推進議員懇話会会長であり、参議院議員の山本香苗氏が理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など医療従事者の賃上げについて岸田総理大臣はじめ、武見厚生労働大臣、鈴木財務大臣に質問を行いました。山本議員は質問の中でリハ専門職は20年間給与に変化がなく、人材流出が深刻な状態にあると説明しました。以下に今回の予算委員会のリハ関連部分のみを抜粋し全文文字起こしいたしました。
本日の予算委員会。喫緊の課題である物価高から国民生活を守る対策や医療・介護など福祉現場で働く方々の賃金引き上げを実現するための報酬改定、イスラエル・パレスチナ情勢等について質問させていただきました。… pic.twitter.com/mdxXBhu07X
— 山本かなえ堺からはじまる新たな挑戦 (@Yamamotokanae) November 28, 2023
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以下全文文字起こし
山本香苗参議院議員(山本):医療現場においても理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリテーション専門職の給料は20年間変化がない上賃金が低く人材の流出は10年間で7倍です。兵庫県のある大学では、卒業生の半数以上が理学療法士としての勤務を辞めて、福井県では理学療法士から製造業など全く異なる医療種への人材流出が起きております。診療報酬により看護職員の処遇改善というのは全体の3分の2に当たる約100万人の看護職員が対象外でありまして看護職員の人材流出も深刻です。こんな状況の中でですね、仮に財務省が言うように今回マイナス改定となったら、民間の給与水準に追いつくどころか、さらに賃金格差が広がって人材流出は加速して、医療や介護福祉の現場が崩壊してしまいかねません。先般の政労使会議におきまして総理は経済界に対してですね来年の春闘に向け、今年を上回る水準の賃金引上げへの協力を要請されました。医療福祉人材今や全就業者の約14%を占め、約900万人にのぼります。一大産業です。制度があってもそれを担う人がいなければ制度は成り立ちません。国が先頭に立ってですね医療や介護など福祉現場であたる方々の賃金引上げを実現すべきと考えますが、厚生労働大臣いかがでしょうか?
武見厚生労働大臣:委員ご指摘の通りですね、この公定価格に基づくこうした医療介護福祉の分野における賃金の引上げ、そしてまた物価対策というものはこれも喫緊の課題であろうというふうに認識をしております。でご指摘のとおり。約900万人がこの分野働いているわけでありますから、今回のこの賃上げ処遇改善というものは、間違いなく来年の賃上げというものをしっかりと支えていく大きな役割もになっていくことは必死であって、そうしたことを確実に実現していくために、この成長と分配の好循環実現する。まさにその役割を果たすということが重要であると考えます。
このために医療介護分野については、人材確保に向けた必要な財政措置を早急に講じることとして、補正予算案においても施策を盛り込んだところでありますけれども、令和6年度の同時改定において、さらにこの物価高騰、賃金上昇、経営の状況、支え手が減少する中での人材の確保の必要性、患者利用者負担、保険料負担への影響を踏まえまして、この患者利用者が必要なサービスが受けられるよう、必要な対応を行ってまいりたいと思います。
山本:財務大臣にお伺いしたいと思います。財務大臣は「リハビリテーションを考える議員連盟」の会長でもいらっしゃるので、現場のこともよくご存じだと思いますがご答弁お願いいたします。
鈴木財務大臣:政府全体として賃上げを最重要課題とする中で、医療介護等の分野。先生は先ほど理学療法士の方々の状況についても言及されましたが、そういう方々も含めまして、現場従事者の処遇改善これは喫緊かつ重要な課題と私も認識をしているところであります。一方におきまして、国民が負保険料等が増加すれば現役世代の賃上げ効果を損なう面があることも留意をする必要があるんだと思いますが、こうした観点からに2024年度の報酬改定においては国民負担を最大限抑制しつつ、現場の方々の処遇改善に構造的につながる仕組みの構築が重要であると思いまして厚生労働省と共に検討を深めて参りたいと考えております。
山本:国民負担を極力抑える、そのために報酬というものを引き下げていく一見すると良さそうに聞こえるんですけれどもそれによって人が確保ができなくなって、そして医療や介護の必要なサービスが提供できなくなったらもともこもないと思うんです。先日総理や衆議院の予算委員会で社会保障費をどのように拡大していくのか、このことについて議論をしそして必要なものにはしっかり用意をしていかなくてはならないと答弁をされました。私はおっしゃる通りだと思います。でもそのためには社会保障関係費の伸びをこの高齢化の伸びに抑えるという、いわゆる歳出の目安というやり方は見直すほかないと思うんです。もちろん合理化、効率化が必要なところもありますが、歳出の目安というやり方は、このインフレ局面においては通用しないと思うんです財源もないわけではありません。消費税の増収分もございます。
労働者全体の賃金が上がる中で、保険料の増収ということも見込まれておりますそうした中で、今、喫緊の課題であると、一番必要な賃金の引き上げのための報酬改定を抑え込むということは、あってはならないと思います。すでにですね、年金の物価スライドと賃金スライド分については、この高齢化の伸びと別に国で予算を確保する仕組みもございます。
医療や介護など福祉の現場で働く方々の賃金をこのインフレ局面においても、単発ではなくてですね、継続的に引き上げていくための、この新たな仕組みが必要です。賃金引上げのためのこの報酬改定の財源については、この歳出の目安に含まない別枠とする、こうした仕組みを導入していただけないでしょうか?
岸田総理大臣(岸田):まず医療介護分野等における処遇改善、賃上げこれは産業全国体の賃上げを目指していく経済の好循環を目指していくというこの流れの中にあって、またこの人の確保人手不足こういった大きな社会課題が議論されている中にあって、この分野における賃上げも大変重要な課題であると認識をしています。そのためにまずは今ご審議いただいている補正予算の中にあっても、こうした分野で働く方々への予算の確保を行ったところでありますし、加えてご案内のとおりに令和6年度の同時改定に向けてこの処遇改善も含めてこの議論を深めていかなければならないこういった状況にあります。
ぜひ、たちまちこの目の前の医療介護分野の皆さんの賃上げという観点から今のこの同時改定の議論等もこの議論を深めなければならないと思っております。そして、併せて社会保障費について別枠を考えたらどうかというご指摘でありますが、これについては、目の前の令和6年度の予算編成における社会保障費については、2024年度までの社会保障関係費、これは委員がご指摘のような従来の方針、実質的増加を高齢化による増加分に相当するのみに収めるこの方針すなわち、必要な措置と財政規律の両立を図るという趣旨での方針これはたちまち目の前のこの予算についてはこの方針に基づいて両立を図っていくことを考えているところでありますが、今後の少子高齢化、人口減少、こういった社会の変化を考える中で必要な社会比をどう維持していくのかこれは前世代型社会保障改革の議論等において、従来から大きな課題となってきたわけですがこの大きな議論の中で考えていくことは必要だ。これを先日私も答弁の中で申し上げた次第であります。
問題意識を共有しながら、まずは目の前の賃上げに向けて努力をしたいと思いますがそれから先のこの我が国のありよう我が国の社会保障のありようという観点からあらゆるこの選択肢について議論を深めていくこういった姿勢は政府としてもこれからも大事にしていきたいと考えています。
山本:総理確認でございますが、ご丁寧ご答弁いただいたんですけれども別枠とするということをご検討いただけるということでよろしいですね?
岸田:まず目の前の予算編成に向けては、この財政と必要な措置との両立を図る基本方針これを維持いたします。将来に向けて様々な選択肢を我々としては考えていかなければなりません。別枠というご指摘をいただきましたご指摘も踏まえながらこの未来に向けてこの議論を深めていきたいと思っております。
山本:別枠のこともしっかり検討していただけると、おっしゃっていただいていると認識をしております。近々、公明党といたしましてもこの点につきまして緊急要望させていただきますので、またどうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。