皆さん、こんにちは。火曜日担当の藤本裕汰です。本日もよろしくお願い致します。2週に渡り股関節前面痛について解説しました。本日は具体的な介入について解説していきます。
股関節前面痛の復習
前編では股関節前面筋と関与する脊柱由来・仙腸関節由来の疼痛との鑑別方法を解説しています。この辺りは脊柱疾患・仙腸関節においても同様の部位に疼痛が生じるため注意が必要になります。詳細に関してはこちらを確認してください。
中編では股関節前面痛で関係する組織について解説しています。股関節前面痛に関与する組織に関しては①大腿神経、②大腿直筋、③内転筋群、④腸腰筋、⑤腸恥滑液包、⑥関節包、⑦関節唇が挙げられます1)。これらの組織についての復習はこちらを確認してください。
股関節前面痛に対する介入
ここからは各組織に対する介入について解説していきます。
①大腿神経
大腿神経由来の疼痛の評価に関しては大腿神経伸張テストが挙げられます。これは腹臥位にて膝関節屈曲、股関節伸展を誘導し大腿前面に疼痛が生じる場合が陽性となります。
また別の方法としてはFemoral slump testがあります。この方法は側臥位で下側の下肢を抱えて、反対側を膝関節屈曲、股関節伸展誘導します。大腿神経伸張テストとの違いは頸部の屈伸を合わせて行うことです。頸部の伸展で症状に変化がある場合は大腿神経、変化がない場合は大腿直筋が原因であると考えることが出来ます。