【厚生労働省】令和6年度介護報酬改定案(訪問リハビリテーション)

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22日令和6年度介護報酬改定の主な事項について、社会保障審議会介護給付費分科会にて内容が了承されました。今後、審議会から厚生労働大臣へ答申が行われパブリックコメント募集後、告示公布・関連通知等発出が行われます。今回は訪問リハビリテーション(リハが関わる部分のみ)についてまとめました。

※訪問リハビリテーションにおいて介護報酬改定は2024年6月1日施行されます。

訪問リハビリテーション 改定事項

★予防含
基本報酬の見直し(要介護・要支援のリハビリの差別化)
医療機関のリハビリテーション計画書の受け取りの義務化★
退院後早期のリハビリテーション実施に向けた退院時情報連携の推進★
業務継続計画未策定事業所に対する減算の導入★
高齢者虐待防止の推進★
身体的拘束等の適正化の推進★
集中的な認知症リハビリテーションの推進
リハビリテーション、口腔、栄養の一体的取組の推進
みなし指定の見直し★
リハビリテーションの質の向上に向けた評価(予防のみ)
退院直後の診療未実施減算の免除★
診療未実施減算の経過措置の延長等★

ケアプラン作成に係る「主治の医師等」の明確化★
口腔管理に係る連携の強化
テレワークの取扱い★
特別地域加算、中山間地域等の小規模事業所加算および中山間地域に居住する者へのサービス提供加算の対象地域の明確化★
特別地域加算の対象地域の見直し★

基本報酬の見直し

要介護者及び要支援者に対する訪問リハビリテーションについて、利用者の状態像に応じた、より適切な評価を行う観点から、訪問リハビリテーションと介護予防訪問リハビリテーションの基本報酬に一定の差を設ける。

訪問リハビリテーション(1回につき)
307単位→308単位

介護予防訪問リハビリテーション(1回につき)
307単位→298単位

医療機関のリハビリテーション計画書の受け取りの義務化★

退院後早期のリハビリテーション実施に向けた退院時情報連携の推進★

退院時の情報連携を促進し、退院後早期に連続的で質の高いリハビリテーションを実施する観点から、医療機関からの退院後に介護保険のリハビリテーションを行う際、リハビリテーション事業所の理学療法士等が、医療機関の退院前カンファレンスに参加し、共同指導を行ったことを評価する新たな加算を設ける。

<新設>退院時共同指導加算600単位/回(退院につき1回まで)

<算定要件>
(訪問リハビリテーションの場合)

○ 病院又は診療所に入院中の者が退院するに当たり、訪問リハビリテーション事業所の医師又は理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士が、退院前カンファレンスに参加し、退院時共同指導※を行った後に、当該者に対する初回の訪問リハビリテーションを行った場合に、当該退院につき1回に限り、所定単位数を加算する。(新設)

※ 利用者又はその家族に対して、病院又は診療所の主治の医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士その他の従業者と利用者の状 況等に関する情報を相互に共有した上で、在宅でのリハビリテーションに必要な指導を共同して行い、その内容を在宅でのリハビリテーション計画に反映させることをいう。

集中的な認知症リハビリテーションの推進

認知症のリハビリテーションを推進していく観点から、認知症の方に対して、認知機能や生活環境等を踏まえ、 応用的動作能力や社会適応能力を最大限に活かしながら、当該利用者の生活機能を改善するためのリハビリテー ションの実施を評価する新たな加算を設ける。

<新設>認知症短期集中リハビリテーション実施加算240単位/日(週2回まで)

<算定要件>

次の要件を満たす場合、1週に2日を限度として加算。

・ 認知症であると医師が判断した者であって、リハビリテーションによって生活機能の改善が見込まれると判断された者に対して、医師又は医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士が、その退院 (所)日又は訪問開始日から3月以内の期間に、リハビリテーションを集中的に行うこと。

リハビリテーション、口腔、栄養の一体的取組の推進

リハビリテーションマネジメント加算(A)イ180単位/月→加算(イ)180単位/月
リハビリテーションマネジメント加算(A)ロ213単位/月→加算(ロ)213単位/月
リハビリテーションマネジメント加算(B)イ450単位/月→廃止(以下の条件に統合)
リハビリテーションマネジメント加算(B)ロ483単位/月→廃止(以下の条件に統合)

<新設>リハビリ事業所の医師が利用者・家族へ説明し同意を得た場合
加算(イ)・(ロ)に加え270単位を加算
※現行の加算(B)イ・ロの医師の説明に係る部分と同要件を設定

<算定要件>

<リハビリテーションマネジメント加算(イ)>

・現行のリハビリテーションマネジメント加算(A)イ と同要件を設定。

<リハビリテーションマネジメント加算(ロ)>

・現行のリハビリテーションマネジメント加算(A)ロ と同要件を設定。

<リハビリテーション事業所の医師が利用者又はその家族に対して説明し、利用者の同意を得た場合>

<新設>

・現行の(B)の医師の説明に係る部分と同要件を設定し、別の加算として設定。

リハビリテーションの質の向上に向けた評価(予防のみ)

介護予防サービスにおけるリハビリテーションの質を評価し、適切なサービス提供とする観点から、以下の見直しを行う。

ア 利用開始から12月が経過した後の減算について、拡大を行う。ただし、定期的なリハビリテーション会議によるリハビリテー ション計画の見直しを行い、LIFE へリハビリテーションのデータを提出しフィードバックを受けて PDCAサイクルを推進する場合は減算を行わないこととする。

イ 要介護認定制度の見直しに伴い、より適切なアウトカム評価に資するようLIFE へリハビリテーションのデータ提出を推進するとともに、事業所評価加算の廃止を行う。

<現行>1回につき5単位を減算

<改定後>要件を満たす場合 減算なし<新設>
要件を満たさない場合 1回につき30単位を減算

事業所評価加算(1月につき)120単位→廃止

<算定要件>
利用開始日の属する月から12月を超えて介護予防通所(訪問)リハビリテーションを行う場合の減算を行わない基準

・ 3月に1回以上、リハビリテーション会議を開催し、リハビリテーションに関する専門的な見地から利用者の状況等に関する情報を構成員と共有し、当該リハビリテーション会議の内容を記録するとともに、利用者の状態の変化に応じ、リハビリテーション計画を見直していること。

・ 利用者ごとのリハビリテーション計画書等の内容等の情報を厚生労働省に提出し、リハビリテーションの提供に当たって、当該情報その他リハビリテーションの適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること。

退院直後の診療未実施減算の免除★

入院中にリハビリテーションを受けていた利用者が、退院後早期に介護保険のリハビリテーションを開始する観 点から、退院後1月に限り、入院中の医療機関の医師の情報提供のもと、訪問リハビリテーションを実施した場合の減算について見直す。

<現行>診療未実施減算 50単位減算

<改定後>変更なし

※入院中リハビリテーションを受けていた利用者の 退院後1ヶ月に限り減算を適用しない

<算定要件>

・医療機関に入院し、当該医療機関の医師が診療を行い、医師、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士からリハビリテーションの提供を受けた利用者であること。

・訪問リハビリテーション事業所が、当該利用者の入院していた医療機関から、利用者に関する情報の提供を受 けていること。

・当該利用者の退院日から起算して1月以内の訪問リハビリテーションの提供であること。

診療未実施減算の経過措置の延長等★

訪問リハビリテーションについて、リハビリテーション計画の作成に当たって事業所医師が診療せず、「適切な研修の修了等」をした事業所外の医師が診療した場合の減算(診療未実施減算)について、以下の見直しを行う。

ア 事業所外の医師に求められる「適切な研修の修了等」について、令和6年3月 31 日までとされている適用猶予措置期間を3年間延長する。

イ 適用猶予措置期間中においても、事業所外の医師が「適切な研修の修了等」の要件を満たすことについて、事業所が確認を行うことを義務付ける。

<現行>診療未実施減算 50単位減算

<改定後>変更なし

<算定要件>

事業所の医師がリハビリテーション計画の作成に係る診療を行わなかった場合には、以下を要件とし、診療未実施減算を適用した上で訪問リハビリテーションを提供できる。

(1)指定訪問リハビリテーション事業所の利用者が当該事業所とは別の医療機関の医師による計画的な医学的管理を受けている場合であって、当該事業所の医師が、計画的な医学的管理を行っている医師から、当該利用者に関する情報の提供を受けていること。

(2)当該計画的な医学的管理を行っている医師が適切な研修の修了等をしていること。

(3)当該情報の提供を受けた指定訪問リハビリテーション事業所の医師が、当該情報を踏まえ、リハビリテー ション計画を作成すること。

○ 上記の規定に関わらず、令和9年3月31日までの間に、次に掲げる基準のいずれにも適合する場合には、同期間に限り、診療未実施減算を適用した上で訪問リハビリテーションを提供できる。

・上記(1)及び(3)に適合すること。

・(2)に規定する研修の修了等の有無を確認し、訪問リハビリテーション計画書に記載していること。

▶︎https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37407.html

【前回改定】

第一回:令和3年度介護報酬改定案(概要サマリー)

第二回:令和3年度介護報酬改定案(訪問看護)

第三回:令和3年度介護報酬改定案(訪問リハビリテーション)

第四回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護1)

第五回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護2)

第六回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護3)

第七回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護4)

【厚生労働省】令和6年度介護報酬改定案(訪問リハビリテーション)

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