【厚生労働省】令和6年度介護報酬改定案(通所介護)

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22日令和6年度介護報酬改定の主な事項について、社会保障審議会介護給付費分科会にて内容が了承されました。今後、審議会から厚生労働大臣へ答申が行われパブリックコメント募集後、告示公布・関連通知等発出が行われます。今回は通所介護(リハが関わる部分のみ)についてまとめました。

※通所介護において介護報酬改定は2024年4月1日施行されます。

通所介護 改定事項

基本報酬の見直し
豪雪地帯等で急な気象状況の悪化等があった場合の所要時間の取扱いの明確化
業務継続計画(BCP)未策定事業所への減算導入
高齢者虐待防止措置未実施減算の導入
身体的拘束等の適正化の推進
通所介護・地域密着型通所介護における認知症加算の見直し
リハビリテーション・個別機能訓練、口腔管理、栄養管理に係る一体的計画書の見直し
通所介護等における入浴介助加算の見直し
科学的介護推進体制加算の見直し
ADL維持等加算の見直し
処遇改善加算の一本化
テレワークの取扱い
外国人介護人材に係る人員配置基準上の取扱いの緩和
個別機能訓練加算の人員配置要件の緩和・評価の見直し
特別地域加算、中山間地域等の小規模事業所加算、中山間地域に居住する者へのサービス提供加算の対象地域の明確化
送迎に係る取扱いの明確化

基本報酬の見直し

※以下の単位数はすべて1回あたり(7時間以上8時間未満の場合)

通常規模型

要介護1 655単位→658単位
要介護2 773単位→777単位
要介護3 896単位→900単位
要介護4 1018単位→1023単位
要介護5 1142単位→1148単位

大規模型Ⅰ

要介護1 626単位→629単位
要介護2 740単位→744単位
要介護3 857単位→861単位
要介護4 975単位→980単位
要介護5 1092単位→1097単位

大規模型Ⅱ

要介護1 604単位→607単位
要介護2 713単位→716単位
要介護3 826単位→830単位
要介護4 941単位→946単位
要介護5 1054単位→1059単位

地域密着型通所介護

要介護1 750単位→753単位
要介護2  887単位→890単位
要介護3 1028単位→1032単位
要介護4 1168単位→1172単位
要介護5 1308単位→1312単位

認知症加算の見直し

通所介護・地域密着型通所介護における認知症加算について、事業所全体で認知症利用者に対応する観点から、 従業者に対する認知症ケアに関する個別事例の検討や技術的指導に係る会議等を定期的に開催することを求めることとする。また、利用者に占める認知症の方の割合に係る要件を緩和する。

認知症加算
60単位/日(単位数は変更なし)

<算定要件>

○ 指定居宅サービス等基準第93条第1項第2号又は第3号・指定地域密着型サービス基準第20条第1項第2号又は 第3号に規定する員数に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2以上確保していること。

○ 指定通所介護事業所・指定地域密着型通所介護事業所における前年度又は算定日が属する月の前3月間の利用者の総数のうち,日常生活に支障を来すおそれのある症状又は行動が認められることから介護を必要とする認知症の者の占める割合が100分の15以上であること。

○ 指定通所介護・指定地域密着型通所介護を行う時間帯を通じて、専ら当該指定通所介護・指定地域密着型通所介 護の提供に当たる認知症介護の指導に係る専門的な研修、認知症介護に係る専門的な研修又は認知症介護に係る実践的な研修等を修了した者を1名以上配置していること。

当該事業所の従業者に対する認知症ケアに関する事例の検討や技術的指導に係る会議を定期的に開催していること。 (新設)

リハビリテーション・個別機能訓練、口腔管理、栄養管理に係る一体的計画書の見直し

リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の一体的取組を推進する観点から、リハビリテーション・個別機能 訓練、口腔管理、栄養管理に係る一体的計画書の見直しを行う。

<算定要件>

リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養に係る一体的計画書について、記載項目の整理するとともに、他の様式におけるLIFE提出項目を踏まえた様式に見直し。

入浴介助加算の見直し

入浴介助加算(Ⅰ)
40単位/日(単位数は変更なし)
入浴介助加算(Ⅱ)
55単位/日(単位数は変更なし)

<算定要件>
入浴介助加算(Ⅰ)
・入浴介助を適切に行うことができる人員及び設備を有して行われる入浴介助であること
入浴介助に関わる職員に対し、入浴介助に関する研修等を行うこと

入浴介助加算(Ⅱ) ※入浴介助加算(Ⅱ)の算定要件に係る現行の Q&A や留意事項通知で示している内容を告示に明記
(入浴介助加算(Ⅰ)の要件に加えて)
・医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士若しくは介護支援専門員、又は利用者の動作、浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専門相談員、機能訓練指導員、地域包括支援センターの職員、そのほか住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者(以下「医師等」という)が、利用者の居宅を訪問し、浴室における当該利用者の動作、浴室の環境を評価していること。この際、当該居宅の浴室が、当該利用者自身又は家族等の介助により入浴を行うことが難しい環境にある場合には、訪問した医師等が、介護支援専門員・福祉用具専門相談員と連携し、福祉用具の貸与・購入・住宅改修等の浴室の環境整備に係る助言を行うこと。ただし、医師等による利用者の居宅への訪問が困難な場合には、医師等の指示の下、介護職員が利用者の居宅を訪問し、情報通信機器等を活用して把握した浴室における当該利用者の動作、浴室の環境を踏まえ、医師等が当該評価・助言を行っても差し支えないものとする。
・当該事業所の機能訓練指導員等が共同して、医師等と連携の下で、利用者の身体の状況、訪問により把握した居宅の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画を作成すること。ただし、個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画に記載することをもって個別の入浴計画の作成に代えることができる。
・上記の入浴計画に基づき、個浴または利用者の居宅の状況に近い環境(利用者の居宅の浴室の手すりの位置や使用する浴槽の深さ及び高さ等に合わせて、当該事業所の浴室に福祉用具等を設置することにより、利用者の居宅の浴室の状況を再現しているものをいう)で、入浴介助を行うこと。

科学的介護推進体制加算の見直し

科学的介護推進体制加算について、質の高い情報の収集・分析を可能とし、入力負担を軽減し科学的介護を推進する観点から、以下の見直しを行う。

ア 加算の様式について入力項目の定義の明確化や他の加算と共通している項目の見直し等を実施。

イ LIFEへのデータ提出頻度について、少なくとも「6月に1回」から「3月に1回」に見直す。

ウ 初回のデータ提出時期について、他のLIFE関連加算と揃えることを可能とする。

<算定要件>

○ LIFEへのデータ提出頻度について、他のLIFE関連加算と合わせ、少なくとも「3月に1回」に見直す。

○ その他、LIFE関連加算に共通した見直しを実施。

<入力負担軽減に向けたLIFE関連加算に共通する見直し>

・入力項目の定義の明確化や、他の加算と共通する項目の選択肢を統一化する

・同一の利用者に複数の加算を算定する場合に、一定の条件下でデータ提出のタイミングを統一できるようにする

ADL維持等加算の見直し

ADL維持等加算について、自立支援・重度化防止に向けた取組をより一層推進する観点から、ADL維持等加算 (Ⅱ)におけるADL利得の要件について、「2以上」を「3以上」と見直す。また、ADL利得の計算方法の簡素化を行う。

<算定要件>

< ADL維持等加算(Ⅰ) >

○ 以下の要件を満たすこと

イ 利用者等(当該施設等の評価対象利用期間が6月を超える者)の総数が10人以上であること。

ロ 利用者等全員について、利用開始月と、当該月の翌月から起算して6月目(6月目にサービスの利用がない場合は サービスの利用があった最終月)において、Barthel Indexを適切に評価できる者がADL値を測定し、測定した日が属 する月ごとに厚生労働省に提出していること。

ハ 利用開始月の翌月から起算して6月目の月に測定したADL値から利用開始月に測定したADL値を控除し、初月のADL 値や要介護認定の状況等に応じた値を加えて得た値(調整済ADL利得)について、利用者等から調整済ADL利得の上位及び下位それぞれ1割の者を除いた者を評価対象利用者等とし、評価対象利用者等の調整済ADL利得を平均して得た値 が1以上であること。

< ADL維持等加算(Ⅱ) >

○ ADL維持等加算(Ⅰ)のイとロの要件を満たすこと。

○ 評価対象利用者等の調整済ADL利得を平均して得た値が3以上であること。

<ADL維持等加算(Ⅰ)(Ⅱ)について>

初回の要介護認定があった月から起算して12月以内である者の場合や他の施設や事業所が提供するリハビリテー ションを併用している利用者の場合のADL維持等加算利得の計算方法を簡素化。

個別機能訓練加算の人員配置要件の緩和・評価の見直し

通所介護、地域密着型通所介護における個別機能訓練加算について、機能訓練を行う人材の有効活用を図る観点から、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロにおいて、現行、 機能訓練指導員を通所介護等を行う時間帯を通じて1名以上配置しなければならないとしている要件を緩和するとともに、評価の見直しを行う。

個別機能訓練加算(Ⅰ)イ 56単位/日(変更なし)
個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ 85単位/日→個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ 76単位/日
個別機能訓練加算(Ⅱ) 20単位/月(変更なし)

【前回改定】

第一回:令和3年度介護報酬改定案(概要サマリー)

第二回:令和3年度介護報酬改定案(訪問看護)

第三回:令和3年度介護報酬改定案(訪問リハビリテーション)

第四回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護1)

第五回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護2)

第六回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護3)

第七回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護4)

【厚生労働省】令和6年度介護報酬改定案(通所介護)

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