第9回「ヨガジャーナル presents Yoga People Award 2024」授賞式にて産婦人科医でスポーツドクター、ヨガ講師である高尾美穂さんとモデル・女優の堀田茜さんが受賞されました。授賞式では、呼吸と認知行動療法の可能性についてのお話がありました。
インタビュアー
お忙しい中、どんなタイミングで呼吸法を取り入れていますか?
堀田さん
緊張する前や眠れない夜には(呼吸法を)取り入れるようにしています。呼吸法を取り入れることを大切にしています。
インタビュアー
高尾先生も、NHKの「健康ch」の中で、睡眠改善に呼吸法や簡単なヨガが有効とおっしゃっていますね。ヒトの生理学的 観点からも、やはり呼吸法やヨガは体と心の緊張をほぐすのに有効でしょうか?
高尾さん
私たちにできることって骨格筋の調整ぐらいで、筋肉を収縮させることや弛緩させることぐらいしか自分の身体をコントロールできないんです。でも呼吸を上手に使うことによって心拍数を穏やかにすることもできれば、それによって心が少しずつ落ち着いていく感覚も感じることができると思います。
インタビュアー
高尾先生には、身体と心の緊張をほぐすヨガのポーズを1つ教えていただきたいのですが、よろしいでしょうか?
高尾さん
緊張をほぐす方法として、わざと身体を緊張をさせてその後にほぐれやすくなるというものがあります。 息を吸いながら肩をグッと耳に近い位置まで持ち上げてから力を抜いてみます。実は精神科領域の認知行動療法の1つとしても、色々な身体のパーツに力を入れて意識的にほどくといったものがあります。 眠れない方に対する治療方法としても使われているんですよね。
呼吸調整や身体意識化はリハビリテーションでも重要な手段です。高尾さんの言葉からは、呼吸法やヨガの動作が認知行動療法の手技として活用できることが分かります。ストレスマネジメント時の自律神経の安定化や、睡眠障害への対処など、様々な効果が期待できそうです。
また堀田さんのように、日常生活においても呼吸法を取り入れることで、心身のリフレッシュや緊張緩和ができるとのことです。呼吸法やヨガ、瞑想などのマインドフルネスに関するエビデンスも増えてきており、リハビリテーションの現場でも有用な手段となりつつあります。患者様への心身両面のケアに、これらの手法を上手く取り入れていくことで、さらなる効果が期待できるのではないでしょうか。