ランナーの機能障害として代表的な【鵞足炎】。
一時的に痛みが改善していても「走ると症状が戻ってしまう・・」
「このまま改善せずに運動が再開出来ないのではないか・・」
と完治に至らず悩んでいるセラピストも多いのではないでしょうか?
本記事では、鵞足炎の鑑別方法から機能解剖から考える具体的な筋膜アプローチ方法まで動画を用いながら紹介していきます。
是非、臨床で試してみて下さい!
■この記事を読むとこうなる!
・鵞足炎の症例に対して鑑別から治療戦略が立てられるようになる
・足底腱膜炎に対する筋膜アプローチを行えるようになる
✅鵞足炎とは
鵞足炎とは、
「鵞足(がそく)」と呼ばれる膝の内側下方(膝から5-7㎝ほど下)にある縫工筋、半腱様
筋、薄筋の腱の付着部炎および同部の滑液包炎とされている。
✅主な症状
・鵞足炎部の圧痛
・ランニングやサッカーなど鵞足部への繰り返す負荷による疼痛
・階段昇降時などの膝内側部痛
✅効果判定や鑑別に用いる整形外科テスト
基本的には鷲足に関わる各筋を単独に評価する事が必要であり、その為には各筋を個別に伸
張させ痛みを誘発していく。
ポイントとしては、各筋の伸張位から膝関節を他動屈伸させるとより誘発しやすい。
①縫工筋の鑑別
【方法】
側臥位から、股関節を伸展・内転・内旋させ、この肢位から膝関節の他動屈伸。
→痛みが出れば縫工筋の可能性。
②薄筋
【方法】
背臥位から、股関節を外転させ、この肢位から膝関節の他動屈伸。
→痛みが出れば薄筋の可能性。一番多い。
③半腱様筋
【方法】
背臥位から、股関節を制限手前まで屈曲。この肢位から膝関節の他動屈伸。
→痛みが出れば半腱様筋の可能性。
引用:薗部俊晴の臨床 膝関節 株式会社 運動と医学の出版社 2021 p181-182
上記3つの鑑別法は痛みの原因を見極める為に必須の評価となりますね。
では、鑑別後にどのようにアプローチをしていくとよいのか。
鵞足炎を改善するためのアプローチポイント
結論から言うと、
・鵞足を構成する筋の緊張を和らげるとともに柔軟性を改善させること
そのためにはアライメントやランニングのフォーム改善、鵞足への過度な負荷がかからない
ための筋力強化・可動域の向上、そもそも運動の休止、など必要な手段は状態により異なっ
てきますが、筋膜の観点だとどうアプローチしていくべきか。
以下でご紹介したいと思います!
鵞足炎と筋膜の関係
筋膜の観点で考えると、
鵞足を構成する各筋に関与する筋膜の機能解剖を理解する必要があります。
まず、前提として理解しておくべきことは、
筋膜が高密度化を起こす(硬くなる)と
その周囲の筋肉の伸張性も低下する
ということ。
今回は鵞足炎を生じる上で最も割合が多いとされる
に着目をして筋膜を介したアプローチ方法をご紹介させていただきます!
筋膜の評価とアプローチ方法
では実際に筋膜の評価をしていきましょう。
ポイントは、シンプルで
筋肉上でゴリっとしたポイントを探す
ことです。
▼実際にはこんな感じです。(動画)
筋肉上を滑らすように丁寧に触っていくと
高密度化を起こしているケースでは、筋線維がカチッと固まっているようなポイントがあります。
少し圧迫してフリクションした時に痛みを訴えるような場合は、そこの筋膜が硬くなっていると判断します。
硬いところが見つかったら、
各筋肉上のゴリゴリを無くすように、アプローチをしていきましょう。
▼実際にはこんな感じです。(動画)
正しくアプローチできていると、
「ゴリゴリした感じ」と「痛み」があります。
その固さと痛みが取れるまで3分程度続けてみてください。
※このアプローチは、深筋膜に対し機械的刺激と炎症反応による熱刺激を加えてヒアルロン酸の状態を変えるので、かなりの痛みを伴います。
なので、アプローチはマイルドに行ってくださいね。
また、アプローチの目的と理由をしっかりと患者さんに説明し、同意を得てから介入してください。
さて、このアプローチを行ったら前後で実際に痛みが誘発される姿勢や動作にて症状の変化をみてみてください。
これで改善がみられるようであれば、数回に分けて介入を続けて症状の改善を目指します。(※1回の介入で取り切るのは難しいです。)
運動を休止していても再開すると症状が戻ってしまうケースなど、アプローチに行き詰まっている場合は筋膜の要素も取り入れてみてください。
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