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沖縄の理学療法士事情【Physio salon G'hands代表|比嘉 俊文】

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理学療法士としてのキャリアを考える際、独立開業や地域に根ざした活動は多くの療法士にとって大きな目標の一つです。特に、美しい自然と独特の文化を持つ沖縄では、理学療法士としての活動がどのように展開されているのか興味深いところです。今回、POSTの輪違が、沖縄で理学療法士として活躍し、現在2店舗を運営している比嘉さんにインタビューしました。コロナ禍を乗り越え、地域密着型のサービスを提供する比嘉さんの経験から、沖縄における理学療法士の現状や課題、そして将来への展望を深掘りします。沖縄で理学療法士として働くことに興味がある方、独立を考えている方必見の内容です。

輪違
こんにちは、POSTの輪違です。沖縄の比嘉さん、よろしくお願いします。

 

比嘉さん:
はい、お願いします。

 

輪違
比嘉さんが「なぜ理学療法士になったか」とかは過去記事をご覧ください。

 

輪違
比嘉さん、以前インタビューしたのが5,6年前だと沖縄で自分のお店を構えた頃ですかね。

 

比嘉さん:
そうですね、今8年目を迎えていますので、その頃は2-3年目でしたね。

 

輪違
今はコロナ明けてどんな感じなんですか?沖縄での事業の現状はどうですか?

 

比嘉さん:
今は痛みが長引いている方を対象に自費の整体という形で臨床に入っています。当時、前回インタビューを受けた時は1店舗を運営していましたが、今は那覇市に2店舗あります。

 

比嘉さん:
那覇を中心に活動していて、スタッフも4人体制でやっています。専属的に関わってくれている方もいれば、パート的な感じで関わってくれているスタッフもいます。本当に和気あいあいと楽しんでいます。

 

輪違
お客さんは沖縄に住んでいる方が多いですか、それともインバウンドで沖縄に来る外国人の方もいますか?

 

比嘉さん:
沖縄の土地柄もあって、そんなに多いわけではないですが、2、3ヶ月に1人とか2人とかは基地関係の外国人の方がいらっしゃいます。

 

比嘉さん:
例えば、奥さんが来てくださって、軍の中の施設ではよくならないので旦那様が来るとか、軍関係の仕事をされている外国人の方とかがいます。インバウンドで来ている方というよりは軍関係の方が多いですね。

 

輪違
私のイメージでは、沖縄の理学療法士や作業療法士は結構独立するイメージが強いですが、比嘉さんはその中でも初期の開業組だと思います。最近、独立する人は増えていますか?

 

比嘉さん:
かなり増えていると思います。個人企業は確かに増えていて、完全起業というよりはやりたいことをやりつつ、完全に独立しきれずにパートで勤めながらフリーランス的に働いている方が多い印象です。

 

比嘉さん:
病院に勤めながら週末起業をしている人もいますし、病院から訪問リハビリなどのインセンティブ性のところに移って、週3で訪問し、週3で自分で活動している人もいます。

 

輪違
10年ぐらい前の関東に似ています。「独立しました」と言っても、週4で訪問看護ステーションで働きながら独立したと言って、マンションで週1-2回ぐらい整体をやっているようなエセ独立組が結構いますが、そんな感じですね。

 

比嘉さん:
でもある意味賢いですね。例えば週4で社保をもらいながらやっている方もいるので、守りながら最小限の攻めをする働き方が増えているんじゃないかと感じます。

 

輪違
例えば、独立して治療院ではなく、訪問看護ステーションやデイサービスなどで起業している人は増えていますか?

 

比嘉さん:
訪問看護で広げている人はちょくちょく出てきているので、介護保険領域での起業も多くはないですが増えていますね。

 

輪違
僕も5,6年くらい前に沖縄でやろうかなと考えたことがありましたが、沖縄の外から来た人に厳しいと聞いたことがありますが、最近はどうですか?

 

比嘉さん:
最近は県外から沖縄に進出している企業が増えているので、以前よりは広げやすいと思います。

 

輪違
沖縄の療法士養成校は今学校が2つですか?

 

比嘉さん:
学校は3校あって、1校が2校舎、金武町と那覇にあり、一応登記上は4学校、名称は3学校ですが、4学校あります。

 

輪違
基本的に卒業したらみんな沖縄に就職するんですか?

 

比嘉さん:
ある学校の先生と話したら、半分ぐらいは県外に行くんです。でも結構Uターンで帰ってきますけどね。

 

輪違
実習はみんな県外に行くんですか、それとも沖縄県内で行うんですか?

 

比嘉さん:
沖縄県内が多いですが、何割かは県外の病院もあります。私も県外の実習に出ましたので、長期実習は沖縄県内だけでは実習地が確保できないので県外の病院に行くこともあります。

 

輪違
沖縄県内の病院は実習地の取り合いになると思いますが、実習地に就職する人は多いですか?

 

比嘉さん:
就職したい病院に実習に行くこともありますし、ある程度ちゃんとできる子を県外の実習に行かせることもありますね。

 

輪違
就職して基本的にはみんな急性期から入り、回復期で地域に出ていくんですか?

 

比嘉さん:
人気な病院が偏っていて、急性期と回復期、この2つが一番人気の病院です。

 

輪違
就職の事情としては、みんなどうやって就職するんですか?学校の先生の紹介とか、人材紹介とか、求人の媒体とかを使っていますか?

 

比嘉さん:
新卒は各学校に求人票が来るので、それを見て行く人もいますし、実習や家族の看護師さんや療法士さんに聞いて直でアポを取る人もいます。新卒は求人サイトとかはほぼ使わないですね。

 

輪違
中途はどうですか?人材紹介とか使いますか?

 

比嘉さん:
中途は療法士ではあまり聞かないです。ナースとかはよく聞きますが、療法士であまり使っている人は少ないです。

 

輪違
需要と供給で見ると病院側が強いんですか?

 

比嘉さん:
病院側が強いのと、ハローワークに出すとそれを見て整形クリニックに移るとか、それを見て進路が決まることが多いです。

 

輪違
ハローワークが機能しているんですね。ハローワークほどダメなところはないと思っていましたが。

 

比嘉さん:
でもハローワークを見て探している人もいますよね。そこから求人サイトに載せることもありますので。

 

輪違
久しぶりにハローワークという言葉を聞きました。笑

 

輪違
僕は思うのは、独立するのは一つの選択肢だと思いますが、その10年後とかに一定数給料が高くなると、沖縄の人たちは海を越えるのがハードルだと感じると思います。

 

輪違
就職先はありますか?新卒で一定数が入ってくるのに、病院の数は増えないと思うので、30代で頭打ちになりませんか?その辺の問題はありますか?

 

比嘉さん:
結構、今自分たちの同世代が所属長になっているケースが多いです。年功序列じゃない昇進パターンも増えてきて、玉付きのような転職もあります。

 

輪違
転職できるんですか?新卒とか25歳くらいまでは結構どこでもいけると思いますが、そこから先は制限がかかってきますよね。

 

比嘉さん:
教務に移ったり、介護保険のサービスの管理職的な位置に就く人もいますね。

 

比嘉さん:
同世代で転職の話題も出ますが、認定専門のセラピストに手当を出す病院が出てきていて、そういうところが人気です。

 

比嘉さん:
福利厚生が手厚いところが転職集めやすいですね。

 

輪違
協会に所属して研鑽している人は多いんですか?

 

比嘉さん:
沖縄では県士会の理事もしているので、入会率は高いですが、メリットを感じられない途中退会が多いです。

 

比嘉さん:
でも、認定や専門を持っている方に手当を出す病院が出てきていて、転職するケースが増えています。

 

輪違
それはいいですね。点数的には変わらないですが、頑張っている人材を集められるのはいいことですね。他のトレンドは何ですか?

 

比嘉さん:
教育がシステマティックになっている病院が人気で、勉強会に出ていかない分、教育システムを院内で構築しているところが人気です。

 

輪違
教育システムが決まっていた方が楽なんですね。私は真逆の考えです。

 

輪違
自分の個性が学べるのが20代かなと思うと、替えの利く人間を作ってる感じがするんですよね。

 

比嘉さん:
職場に学びに行っちゃう人が多いですよね。

 

輪違
10年後ぐらいに気付くんですよね。やべぇ替えの利く人間になってしまったって。

 

比嘉さん:
一方で若い人の中でも自分の価値を高めるために相談に来る人もいて、起業しがちですね。企業内で自費の部門を構築する人も出てきています。

 

比嘉さん:
インソールや技術をクリニック内で自費化している人もいるんですね。それはいい働き方だと思います。

 

比嘉さん:
完全起業ではなくても、自分の技術を県民に届ける方法としていろいろな選択肢がありますので、それもいい選択だと思います。

 

輪違
独立する時にどういうマインドが大事だと思いますか?

 

比嘉さん:
技術は絶対必要です。

 

比嘉さん:
ただし技術があっても集客できるツール、例えばSNSだけで集客している個人企業の方もいますし、SNSではなくクリック広告だけでやっている人もいます。

 

比嘉さん:
自分の得意分野を持っていることが、沖縄でうまくいっている人の例だと思います。あと、管理能力ですね。数字管理や経営管理がうまくいっていない人も見受けられますので。

 

比嘉さん:
一番調子がいい時ってやっぱり羽振が良くなってしまうので、そういったところで後々困っているような人もいたりします。

 

輪違
沖縄で若手が起業したいという人が他の都道府県より多い印象ですが、どんな分野が良いと思いますか?

 

比嘉さん:
最近面白いなと思ったのは、一般の企業に入って、そこで療法士や医療職種をIT企業に転職するサポートをするPTがいるんですよ。

 

比嘉さん:
他の分野を知って、またUターンで医療に戻ってくることで、沖縄の医療が良くなるんじゃないかという視点での人材交流が面白いと思いました。

 

比嘉さん:
あとは、結構最近起業の分野で健康経営の会社が結構増えてきています。

 

比嘉さん:
例えば建築会社や土木会社などにスタッフの健康管理として入ることがあります。去年、今年だけで2,3社できているんじゃないですかね。

 

輪違
その分野は儲かってそうですか?

 

比嘉さん:
まだ初期投資的なフェーズだと思いますが、成約している報告もあります。

 

輪違
比嘉さんはその領域に入り込まないのですか?

 

比嘉さん:
一度依頼がありましたが、便利屋さん的にスポットで入るのはコスパが合わないと感じました。

 

輪違
では、比嘉さん、今度9月にうちで講習会をしていただきますが、それに参加すれば沖縄で繁盛できるお店の初歩的なところは学べるんですか?

 

比嘉さん:
2時間という短い時間ですが、テーマは肩こりなので、肩こりについてやります。

 

比嘉さん:
この肩こりも「この筋が凝ります」とか「この筋が凝っているのはこうだから」というより、なぜ凝っているのか、どうしたら凝らない体になるのかという視点が大事だと感じています。

 

比嘉さん:
今回の反応が良ければ、各疾患や症状ごとに技術はもちろん、自費の治療完結ではなく、生活サポートの視点も含めてシリーズ化を考えています。面白いと思った方はぜひフォローしてください。

 

輪違
今日はお忙しい中、沖縄の就職や開業事情からセミナーのことまでお話しいただき、ありがとうございました。

 

比嘉さん:
こちらこそ、ありがとうございました。

【過去の記事】

第一回:「沖縄いちご会」の結成

第二回:クリニックの立ち上げに参加

最終回:コンディショニングサロンの開業

比嘉先生によるセミナーの詳細

痛みの根本原因改善

Physio salon G’hands 代表の比嘉俊文先生をお招きして「痛みの根本原因改善 筋膜神経リリース療法」についてご講演いただきます。
このセミナーでは、筋膜神経リリース療法について学べます。学ぶことにより様々な場面や患者さんの痛みを解決できます。

今回は、昨今多い疾患についての介入方法を講演していただきます。主に肩こりを訴える疾患(変形性頚椎症、ヘルニア、肩関節周囲炎など)への効果的な治療法を学び、理学療法士、作業療法士、柔道整復師としてのスキルをさらに深めることができます。具体的な内容としては、痛みの根本原因改善を目的にします。

痛みの原因となる可能性がある身体の評価方法、効果的な徒手療法やエクササイズの選択、そして患者様への適切なアドバイスの提供方法などを学びます

プログラム

1、筋膜神経リリース療法とは?
2、評価から治療プロセスまでの流れ
3、肩こりを訴える疾患(変形性頚椎症、ヘルニア、肩関節周囲炎など)への介入

講師:
Physio salon G’hands 代表
比嘉俊文(理学療法士)

概要

【日時】 9月4日(水) 20:00~22:00
【参加費】3,300円
*POST有料会員(プレミアム会員登録時のメールアドレスでお申し込みください)は無料で受講可能です。
有料会員への登録はこちらをご確認ください。
【参加方法】ZOOM(オンライン会議室)にて行います。お申し込みの方へ、後日専用の視聴ページをご案内致します。

▶︎https://ghands.peatix.com/

沖縄の理学療法士事情【Physio salon G'hands代表|比嘉 俊文】

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