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理学療法学生の未来を拓く改革の道のり【日本理学療法学生協会前会長|齋藤幸実】

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理学療法士としてのキャリアを描く学生たちにとって、今どのような課題があり、未来にどんな可能性が広がっているのかは大きな関心事です。今回は、日本理学療法士学生協会の元会長であり、現在は山形県立保健医療大学で学ぶ齋藤幸実さんに、学生時代の経験や会長としての活動、そして将来への展望について伺いました。地方での学びや理学療法士の未来に向けた取り組み、さらには学生時代に直面した課題解決への挑戦など、齋藤さんの視点から見た理学療法学生の現状とその先にある可能性に迫ります。 

輪違
こんにちは、POSTの輪違です。今日は日本理学療法士学生協会の元会長で、現在は山形県立保健医療大学の4年生の齋藤さんにお越しいただきました。

 

齋藤さん
2023年度の日本理学療法学生協会の会長をしておりました、齋藤幸実と申します。大学は山形県立保健医療大学に通っています。

 

齋藤さん
出身は神奈川県なんですが、4年間の間に新しい経験を積みたくて山形の大学に進学しました。今日はよろしくお願いします。

 

輪違
よろしくお願いします。まず理学療法士になろうと思ったきっかけを教えてください。

 

齋藤さん
理学療法士になろうと思ったきっかけは、中学生から東京都理学療法士協会が行っている「エスカレーターマナーアップ推進活動」に出会ったことです。

 

齋藤さん
この活動では、片麻痺の方やお子様連れの方がエスカレーターに安全に乗るための支援を行っていて、理学療法士の視点に驚いたことがきっかけです。

 

輪違
その活動を見て、理学療法士に興味を持ったんですね。では、山形県立保健医療大学に進学した理由は何ですか?

 

齋藤さん
特に山形が好きというわけではなかったんですが、地方での生活に興味がありました。

 

齋藤さん
また、少子高齢化の問題を意識して、高齢者が多い地方での理学療法の勉強を深めたいと思い、山形の大学を選びました。

 

輪違
なるほど。学生時代にはどのような理学療法士を目指していると考えていますか?

 

齋藤さん
私は、時代に応じた患者様のニーズに沿った医療提供ができる理学療法士になりたいと思っています。

 

齋藤さん
また、リハビリを通じて、社会問題に対してもアプローチし、より良い社会を作り出すことに貢献したいと考えています。

 

輪違
具体的にはどのような分野で理学療法士として活動したいと考えていますか?

 

齋藤さん
具体的には、予防の分野に関わりたいと考えています。産業理学療法の分野では、腰痛の研究結果やデータを基に労働生産性への影響を評価し、腰痛の予防や治療に取り組みたいです。

 

齋藤さん
また、介護予防の分野でも、フレイル人口の削減に向けた取り組みが重要だと思っています。

 

輪違
それは興味深いですね。では、予防の分野における理学療法士の役割について、もう少し詳しく教えてください。

 

齋藤さん
例えば、産業分野では作業姿勢の改善や腰痛の予防に理学療法士が関わることができます。

 

齋藤さん
また、介護予防では集団体操や運動指導の提案など、理学療法士が間接的にでも介入できる余地があると思っています。

 

輪違
理学療法士学生協会での活動についても教えてください。どのようなきっかけで学生協会に参加することになったのですか?

 

齋藤さん
学生協会に参加したきっかけは、大学2年生のときに「リトルフィジオ」というイベントに参加したことです。

 

齋藤さん
そこで他の学生が大規模なイベントを運営している姿を見て、自分もやってみたいと感じました。その後、会長と話し合い、東北支部を設立することになりました。

 

輪違
それはすごいですね。東北支部の設立から日本理学療法学生協会の会長になるまでの道のりは、どのようなものだったのでしょうか?

 

齋藤さん
東北支部を設立した後、私は支部長として活動していました。その経験から、前の代の会長や理事の方々から推薦されて、会長を務めることになりました。

 

齋藤さん
私自身、理学療法学生協会をもっと広く周知し、全国の学生が参加できるような活動にしたいと考えていました。

 

輪違
会長として、どのような課題に取り組んできましたか?

 

齋藤さん
私も大学2年で理事に所属している時から、コロナ禍で自由に活動ができない時期を過ごしました。

 

齋藤さん
その中で、自分自身が理学療法学生協会として行いたい内容や、必要な改革について考えていました。

 

齋藤さん
会長になって実現できる機会があれば、やりたいと思っていたので、実現できたことは良かったです。

 

輪違
どんな課題感があって、それを解決しようと思ったのですか?

 

齋藤さん
まず一つ目は、大学2年生の時に理学療法学生協会の存在を知り、活動が十分に知られていないと感じました。

 

齋藤さん
1年生の時から知りたかったという悔しさもあったので、広く周知し、入りたい学生が増えるようにしたいと考えていました。

 

齋藤さん
具体的には各養成校を1校1校ピックアップして直接連絡しました。

 

齋藤さん
もう一つは、講演会中心の活動が多かったことです。私は大学の授業があまり好きではなく、講演会だけでは参加者が楽しめないと感じていました。

 

齋藤さん
もっとクリエイティブで、参加者が楽しめる活動にしたいと考え、活動内容を変えていきたいと思っていました。

 

輪違
今は次の代表に引き継がれているのですね?

 

齋藤さん
そうです。新しい代表は名古屋大学の学生で、早めに一緒に活動を進め、引き継ぎを行いました。今も頑張ってくれています。

 

輪違
運営には関わらなくなったとしても、今後もイベントなどには参加される予定ですか?

 

齋藤さん
運営には関わらないですが、知り合いも多いので、イベントなどには引き続き参加するつもりです。

 

輪違
理学療法士になってからも、日本理学療法士協会の会長を目指すつもりですか?

 

齋藤さん
いえいえ、そこまでは考えていません(笑)。

 

輪違
お会いしたイベントで、学生の就職活動についてお話ししていましたね。併願に関してはどのように感じていますか?

 

齋藤さん
就職活動の際、学校から「併願はしないように」と指導を受けると聞きます。それが就活生にとって不利な形になっているのではないかと感じています。

 

齋藤さん
併願が許可されれば、学生の選択肢が広がり、病院側もより多くの学生を迎え入れやすくなるのではないかと思います。

 

輪違
他の学部の子であれば就職サイトに登録し、多くの企業に併願するのが普通ですよね。中には50社から100社も受けている人もいます。

 

輪違
私の時代はそれが当たり前だったので疑問すら覚えませんでしたけど。

 

輪違
その点について、業界全体として何か改善の動きはあるのでしょうか?

 

齋藤さん
先日のイベントで斉藤会長(PT)もこの問題について前向きに検討していると話してくれました。私も学生の代表として意見を伝えることができて良かったと感じています。

 

輪違
組織のトップがしっかりしている病院ほど、併願を認めているケースが多いようです。実際に、X(旧Twitter)で少し書いてみたら、併願OKの病院が増えてきているといったフィードバックがありました。

 

齋藤さん
そういった病院が増えるのは、学生にとっても嬉しいニュースです。

 

輪違
そういった自由な選択肢を提供するためには、病院の口コミサイトのようなものが役立ちますよね。

 

輪違
病院の併願の可否や、就職活動に関する情報を学生が簡単にアクセスできるようにすれば、多くの問題が解決されるのではないでしょうか。

 

齋藤さん
あったら嬉しいです。病院の情報を集めて、学生たちが参考にできるような仕組みを作ることが重要です。

 

輪違
さまざまな選択肢を提供することで、学生たちがより自分に合ったキャリアを築けるようになりますね。齋藤さんのお力が必要ですが、これからも一緒に頑張りましょう。

 

輪違
他にも、おかしいと感じる点を挙げられていましたよね?

 

齋藤さん
実習の際に、県外での実習が多く、学生にとっては経済的な負担が大きいと感じています。

 

齋藤さん
また、実習地の選択がもっと自由になれば、学生も病院側もメリットが大きいと思います。

 

輪違
確かに、実習がきっかけでそのまま就職する人も多いですよね。

 

齋藤さん
そうですね。実習地の選択が自由になれば、学生にとっても病院にとっても良い結果をもたらすと思います。

 

輪違
実習についてもう少し詳しく伺いたいのですが、実習地の選択について学生たちはどのように感じているのでしょうか?

 

齋藤さん
実習地の選択に関しては、大学ごとに異なる部分が多いと思います。例えば、私たちの大学では、学生が希望する領域や特定の病院があれば、その希望を聞いた上で実習地が配属されます。

 

齋藤さん
しかし、現実には山形から新潟、岩手、東京など、遠方の実習地に派遣されることもあり、その際には1回の実習で約30万円ほどの費用がかかってしまうこともあります。

 

齋藤さん
学生協会の仲間たちからも、「次の実習はどこに行くの?」というような話がよく出ます。学生たちの経済的な負担は非常に大きく、実習に行くたびにホテル代や移動費で30万円ものお金を使うのは現実的に厳しい状況です。

 

齋藤さん
このような負担を軽減するためにも、大学と病院とのつながりだけでなく、学生と病院が直接つながれるような仕組みが必要だと感じています。

 

輪違
確かに、遠方への実習は学生にとって負担が大きいですね。もっと自由な実習地の選択ができるようになることが望まれますね。

 

輪違
実習地の選択がもっと自由になれば、学生にとっても病院にとってもメリットが大きいと考えています。

 

輪違
例えば、実習に来た学生が、そのまま就職に有利になるような制度を設けている病院もあります。実習がインターンのような形で活用され、病院と学生の双方にとってプラスの関係が築けるようになることが理想的です。

 

輪違
実習での経験が就職につながるケースも少なくないですよね。

 

齋藤さん
はい、実習での活躍が評価され、そのまま実習地に就職する人も多いと思います。

 

齋藤さん
だからこそ、実習地の選択が柔軟になり、学生が自分に合った場所で経験を積むことができれば、結果的に良い循環が生まれると考えています。

 

輪違
デイフェスでも話しましたが、そうした2つの大きな決まりが変わることで、療法士全体の状況も改善されていくでしょうね。

 

輪違
人手が足りなければ、リハビリを提供することが難しくなり、結果的に給与の引き上げや職場環境の改善が求められることになります。

 

輪違
そういった意味でも、実習制度や就職活動の仕組みが変わることが、業界全体に良い影響を与えるはずです。

 

輪違
今日はたくさんの貴重なお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。これからも頑張ってください。また落ち着いたら、ぜひお話をお聞かせください。

 

齋藤さん
こちらこそありがとうございました。またぜひよろしくお願いします。
理学療法学生の未来を拓く改革の道のり【日本理学療法学生協会前会長|齋藤幸実】

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