理学療法士の専門性を活かし、現場感覚で介護制度改革を提言
6月20日、参議院厚生労働委員会において、理学療法士出身の日本維新の会・山口和之議員が、リハビリテーション専門職の視点から介護制度の抜本的改革を訴えました。現場での豊富な経験を背景に「介護のボタンの掛け違い」と表現し、科学的根拠に基づく介護への転換を強く求めた質問は、リハビリ業界関係者にとって注目すべき内容となりました。
PT協会元会長の問題提起を国会の場で代弁
冒頭、山口議員は日本理学療法士協会の前会長が提起していた「訓練」という用語への疑問を国政の場で取り上げました。身体障害者福祉法、精神保健福祉法、知的障害者福祉法に頻出する「訓練」について、「軍隊や動物の訓練のようなイメージがあり、上から目線でその人をサポートしているという感じではない」と、リハビリ専門職の感覚から問題視しました。
「理学療法士を何十年かやっていて、障害のない方々にはあまり使わない言葉。訓練という言葉のイメージはよろしくない」と、専門職としての違和感を率直に表明しました。これは、リハビリテーション分野で長年議論されてきた「訓練」から「支援」「治療」への言葉の転換を、法制度レベルで問うた重要な指摘といえます。
「廃用」へのアプローチ不足を指摘 LIFE活用促進が急務
質問の核心となったのは、科学的介護情報システム「LIFE」の活用促進問題でした。山口議員は「廃用という使わないことに対するアプローチというのは行われていないということだと思っています」と現状を分析しました。「介護予防は一生懸命やられているのかもしれませんけれども、要介護状態になったら、サービス提供者のところでどのようなサービスを提供するかによって、その方の人生変わってくる」と指摘しました。
特にADL維持等加算の算定率が介護老人福祉施設で3-6%、通所介護事業所で3-8%という現状に対し、「数パーセントしかないということ自体が、申し訳ないけど『おばかさんですか』という感じに感じられます。もったいなすぎて、あまりにももったいない現状がある」と率直に問題視しました。
具体的な改善実績を示し、可能性を強調
山口議員は具体的な改善事例を挙げて論を展開しました。「デイサービス事業所が日常生活の動作の改善率を90%以上改善しているところがあったり」「特別養護老人ホームの約4割から5割の方が新しく入ってきた方が要介護度が改善していったり」「デイサービスでかなり充実させたデイサービスを提供しているところが要介護度の改善率が要介護5に対して4割から5割の改善率、重度の方が改善率が高い」と、実際のデータを示しました。
その上で「介護の病院で行っているリハビリとかそういうところは改善は当たり前だと思っていらっしゃると思うんですけれども、介護の現場ではその改善のところにどうやって向けるかということはすごく大事」と、医療リハビリと介護現場での取り組みの違いを指摘しました。
訪問看護ステーションからのリハビリ制限問題も言及
質問時間の制約により詳細な議論は次回に持ち越されましたが、山口議員は「生活機能向上連携加算ということで、訪問リハビリテーションからは可能だけれども、訪問看護ステーションからのリハビリは取っちゃだめっていう内容」についても問題視していることを明らかにしました。この発言は、訪問看護ステーションに所属するリハビリ職の活動範囲に関する制度上の制約を指摘したものと見られ、今後の議論が注目されます。
東京都の先進事例を全国展開へ インセンティブ制度の重要性
解決策として、東京都の「要介護度改善促進事業」を例に挙げ、成果を上げた事業者への報奨金制度の全国展開を提案しました。「人参ぶら下げないと動かないのかもしれないが、介護のスタンダードをしっかり作った上で、こうした取り組みも必要」として、現実的な政策提案を行いました。
リハビリ業界への影響と今後の展望
山口議員は「5年遅らせることで1.5兆円程度の介護保険費用削減が可能」と試算を示し、リハビリテーションの経済効果も強調しました。「日本が課題解決国として世界にアピールできる絶好のチャンス」として、リハビリ専門職が社会保障制度の持続可能性に貢献できる可能性を示しました。
理学療法士出身の国会議員として、専門性を活かした政策提言を行う山口議員の今後の活動は、PTOTST業界全体にとって重要な意味を持つといえるでしょう。
質疑応答全文
山口和之議員(日本維新の会):
日本維新の会の山口和之です。介護のボタンの掛け違い、今の現状、日本は大変な状況になっていますけれども、自分としてはですね、やっぱり三大介護、入浴・排泄・食事、これを中心として、お世話の介護ということが、そこからスタートしていることだったのかなと思います。
その上、その3大介護に合わせて最低基準というのを設けて、めちゃくちゃ忙しい中で介護が行われてきていたと。介護のスタンダードというものを日本版でちゃんと作ってこなかったことが大きな問題だったんじゃないでしょうか。
例えば介護福祉の学校には若者がたくさん集まって、それで夢を見て「介護っていうのは素晴らしいんだ」って言って学校出てきたけれども、現実的には何か忙しい場所で大変なことをずっと続けているっていう、何かボタンの掛け違いがずっと続いているような気がします。
そういった意味で介護のスタンダードというのは極めて重要だと思っていますし、例えば予算委員会の中で自分は話させていただきましたけれども、デイサービス事業所が日常生活の動作の改善率を90%以上改善しているところがあったり、あるいは以前にも厚生労働委員会で話させていただいたことがあるんですけれども、特別養護老人ホームの約4割から5割の方が、新しく入ってきた方が要介護度が改善していったり、あるいはデイサービスでかなり充実させたデイサービスを提供しているところが、要介護度の改善率が要介護5に対して4割から5割の改善率、重度の方が改善率が高いんですけれども、そういったところが見受けられると。
そういったものが日本中で起こさなければいけなくて、この前の予算委員会でも話させていただいたのは、要介護というのは悪化させることを遅らせることもできるし、改善させることもできると。それは廃用、使わないことに対するアプローチというのは行われていないということだと思っています。
介護予防は一生懸命やられているのかもしれませんけれども、要介護状態になったら、サービス提供者のところでどのようなサービスを提供するかによって、その方の人生変わってくるし、5年遅らせることで日本は世界に誇れる日本の介護というのができると自分は信じています。
質問したいとは思うんですけれども、その前に言うチャンスがないので、資料の1を見ていただきたいんですが、これを質問させていただきます。個人的に思っているのでこれ何ともあれなんですが、身体障害者福祉法、それから精神保健・精神障害者福祉に関する法律、それから知的障害者福祉法、ここにも出てくるんですけれども、自分は理学療法士としてずっと働いていて、日本理学療法士協会で以前の会長は「訓練という言葉を使うのやめませんか」という話をしました。
それはやっぱり訓練のイメージというのは、例えば軍隊の中での訓練、それから動物、何ていうんですかね、警察犬の訓練とか、そういうイメージがある中で、この古い法律の中に出てくるんですけれども、例えば身体障害者のところでは「身体障害者が日常生活または社会生活を営むために必要な訓練」、それから精神保健の方では「社会経済活動への参加の促進のために必要な訓練」、それから「精神障害者の社会復帰を促進するための訓練」。
この訓練という言葉が、どうも自分、理学療法士を何十年かやっていて、その中で非常にあまりいい言葉に印象にないところがあって、どこか上から目線でその人をサポートしているっていう感じではなくて、その人を訓練してやっていると。障害児、子どもたちに対して訓練しています。これ、いわゆる障害のない方々にはあんまり使わない言葉なんですね。消防訓練とかそういうのは使うかもしれない、職業訓練とか使うかもしれませんけれども、訓練という言葉のイメージというのは実はよろしくないって自分は思っているんですけれども、こういう話を官僚の皆さんに話をしても、法律があまりにも多すぎるせいなのか、どうしてもこのことには特に違和感がないと。
確かに訓練という言葉は違和感がなくて、日本中広まっている言葉ですから何ともあれなんですけれども、自分としては何か違うんじゃないかなと思うので、大臣にちょっと伺いたいなと思います。
福岡厚生労働大臣:
訓練という文言の意味は、一般的には実際にあることを行って修熟させること、また一定の目標に到達させるための実践的教育活動とされておりまして、各種公的制度であったり法律においても広く用いられている用語でございます。
御指摘のこの障害者の方々に対して訓練という文言が用いられる例としましては、例えば障害者総合支援法であったり精神保健福祉法等がございますが、これらにおける訓練につきましては、いずれも強制的に行わせるというようなものではなく、障害者の方々の尊厳を害するような意味合いはないというふうに認識をしております。
このため、障害者の方々に対しまして訓練という文字の使用を中止するということは考えておりませんが、今後とも関係者の方々のご意見にはしっかり耳を傾けながら、障害者施策の推進に努めてまいりたいと思います。
山口和之議員:
大きな声にならないと変わらないんだと思いますけれども、そういった感性というのがやっぱり日本の中に必要なところなんじゃないかなと自分は思っていますので、こういう話が出てくることによって少しずつ変わっていくんだろうと思っておりますので、引き続きこういった話をさせていただきたいなと思います。
次に資料2を見ていただきたいなと思います。資料2は介護保険法なんですけれども、これ第4条の中で赤線のところ、赤文字で書いてあるんですけれども、「要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保険医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする」というものがあります。
これめちゃくちゃ大事なことなんですけれども、なかなかこれが浸透してなくて、膨張する介護保険費用ですね。今12兆円と言われています。これを5年遅らせると、5年遡った数字をそのまま引用するとすれば、1.5兆円ぐらい浮くわけなんですよね。
社会保障ってめちゃくちゃ、今維新の中ではこれを何とか整理して、社会保障、持続可能な社会保障に持っていかなかったら大変なことになるぞと、少しでも社会保障に貢献できるような政策を打ち出していこうということで出しておりますが、これは当たり前のことで、見逃し三振は非常によろしくなくて、要介護状態にならなくても済む方がたくさんいらっしゃったり、寝たきりにならなくても住んだ方がたくさんいらっしゃる、それから要介護が重度化を防止できる方もたくさんいる中で、これを見逃しているようでは我が国の介護保険制度そのものが問題だと思います。
そこで質問のような資料3になるんですが、LIFEって極めて重要なんですけれども、科学的介護情報システムLIFEについて、その目的について改めて教えてください。
黒田老健局長:
お答え申し上げます。御指摘のLIFE、科学的介護情報システムにつきましては、高齢者の自立支援・重度化防止の取組を推進するための科学的根拠に基づく介護を推進するために、令和3年度の介護報酬改定において位置づけられたものでございます。
具体的には、高齢者の状態、ケアの内容などのデータを収集して、そのデータを活用しながらPDCAサイクルに沿ったケアの質の向上を目指す取組を行い、科学的介護情報システムLIFEを活用することによって加算で評価することとしました。こうした目的の下で創設されたものでございます。
山口和之議員:
極めて期待できる内容だとは思うんですけれども、どの程度の利用率で、その実績の理由を教えていただきたいと思います。
黒田老健局長:
お答え申し上げます。科学的介護情報システムLIFEを活用している事業者数は年々増加傾向にございまして、令和6年3月時点で、施設系サービスの約73%、通所・居住系サービスの約44%がLIFEの関連加算を算定しているところでございます。
山口和之議員:
低い実績。施設系ではいいのかもしれませんけれども、低いところ、この低いところの理由を教えていただきたい。
黒田老健局長:
お答え申し上げます。令和3年度の介護報酬改定で位置付けたところでございますが、この改定の後に行いました効果検証及び調査研究に関わる調査におきましては、各種情報の入力に手間がかかること、それからADLなどの評価方法が分かりにくいなどの指摘がございました。
これを受けて令和6年度介護報酬改定では、加算によって異なっていた入力項目を可能な限り統一するとともに、データの重複入力を不要とすること、それから加算によって異なっていた国へのデータの提出頻度を統一することなどの対応を行ったところでございます。
令和6年度介護報酬改定後の状況につきましては、今年度改定検証調査を実施し、LIFE関連加算の算定を行っていない事業所にもその理由を把握する調査を行うなど、さらなる活用が進むように検討を進めてまいります。
山口和之議員:
とにかく簡素化して、ここに手を出してくれる人がいなければ話にならないし、いつまで経っても良くならない。
もう一つめちゃくちゃ大事なところで、まず最初にホームヘルパーが入ってきたり、あるいはデイサービスというところに行くんだと思いますけれども、ADL維持等加算の目的とその利用率について教えていただきたいと思います。
黒田老健局長:
お答え申し上げます。委員御指摘のADL維持等加算につきましては、自立支援・重度化防止に軸足を置いた介護を進めることという観点に基づきまして、利用者の状態の改善等に着目をした評価として、平成30年度介護報酬改定におきまして新設されたものでございます。
令和3年度介護報酬改定では、対象サービスの拡大、LIFEへのデータ提出の義務付け等を行ったところでございます。
山口和之議員:
すみません、今利用率を教えてください。
黒田老健局長:
お答え申し上げます。令和5年4月時点で、ADL維持等加算、これ1と2がございまして、1につきましては介護老人福祉施設の約3%、通所介護事業所の約3%、ADL維持等加算2につきましては介護老人福祉施設の約6%、通所介護事業所の約8%が算定してございます。
山口和之議員:
極めて重要なところで、介護の病院で行っているリハビリとかそういうところは改善は当たり前だと思っていらっしゃると思うんですけれども、介護の現場ではその改善のところにどうやって向けるかということはすごく大事で、先ほどデイサービスであっても改善率が90%を超えるADLが、そういうところがあるわけですから、日本のこの現状を考えたら、これをどうやって広げるかというのはめちゃくちゃ大事なのに、数パーセントしかないということ自体が、申し訳ないけど「おばかさんですか」という感じに感じられます。
もったいなすぎて、あまりにももったいない現状があるわけですよね。そこに対して大臣どう思われるか、ちょっとお伺いしたいと思うんですが。
福岡厚生労働大臣:
高齢者の方々の自立支援・重度化防止の取組を推進するために、科学的介護情報システム、このLIFEを活用し、科学的根拠に基づく介護を推進していく、このことは大変重要なことだというふうに考えております。
令和6年度の介護報酬改定は、先ほど参考人も申し上げましたように、データの重複入力を不要とすることであったり、データの提出頻度を統一するなどの対応を行ったほか、動画マニュアルであったり利活用の手引きなどを作成し、活用に向けた周知を行ったところでございます。
令和6年3月時点では、施設系サービスでは7割、通所系・居住系サービスでは約4割の事業所がLIFE関連加算の算定をしていただいておりますが、引き続きこういったLIFEを活用したケアの改善に向けた取組、大変重要だと考えていますので、引き続きこの活用促進に向けた取組を進めてまいりたいと思います。
山口和之議員:
そういったものを加速させるために、資料の4を見ていただきたいんですが、保険者機能強化推進交付金というのが出されていて、これはちょっと予算がぐっと減ったみたいなんですけれども、これ極めて結構使い勝手が、使い勝手というか可能性があるものだと思っておりまして、この保険者機能強化推進交付金について、事業の目的と予算規模について簡潔にお願いします。
黒田老健局長:
お答え申し上げます。保険者機能強化推進交付金等は、保険者・市町村による高齢者の自立支援・重度化防止の取組や、都道府県による保険者支援の取組を推進する目的で、各市町村が行う自立支援・重度化防止の取組及び都道府県が行う市町村支援の取組について、評価指標を設定した上で、その達成状況に応じて交付金を交付するものでございます。
予算規模につきましては、令和7年度当初予算で101億円となってございます。
山口和之議員:
資料の6になります。ちょっと後、6が逆になっていましたので資料の6になりますけれども、東京都が要介護度改善促進事業というのがあって、報奨金を出しています。これは先ほどのLIFEの中のADL維持等加算をもっと加速的に活用してもらうためにインセンティブをつけて、それを公表していくということです。
一生懸命やっているところに対しては報奨金出しましょうと。本当にこういうことをやっていかないと、人参ぶら下げないと動かないのかもしれませんけれども、そもそもは介護のスタンダードというのをしっかり作った上で、少ない人員じゃなくてしっかりした人員で介護をやっていくというのは大事なんですけれども、でも一方でこういうこともやっていかないと広がっていかないので、この東京都がやっていることなんですけれども、東京都はお金があるので自前でできるんですけれども、地方でもこれをやっているところ何か所か、この前も予算委員会で話させていただきましたけど、自治体によってはインセンティブをつけて、そういうものを加速的にやろうと、本当に努力しているところがあるんですけれども、これを先ほどの報奨金が、保険者機能強化推進交付金というのが使えないのかということをお聞きしたいと思います。
黒田老健局長:
お答え申し上げます。東京都の要介護度改善促進事業は、要介護高齢者の自立支援・重度化防止の取組を促進するため、利用者のADL及び要介護の維持・改善に資する取組を行った事業者に対して、都独自に報奨金を交付するものだと承知しております。
委員御指摘いただいた国の保険者機能強化推進交付金の用途は、各自治体が行う自立支援・重度化防止の取組等の強化のため、当該趣旨を踏まえて各保険者の裁量で判断することが可能になってございまして、御指摘のような事業への活用も可能となってございます。
山口和之議員:
もしそうであるならば、ほとんどの方が分からないですね。自治体が推奨するなり、事例を出すなり、自立を加速させるためにインセンティブを、こういう方向でいくんだというところを全国に広げていただきたいんですね。
予算規模が減ってしまって非常にもったいないで、ヒアリングのとき、レクのときにいろいろ話をすると、どっちかというと予防の方にシフトされて、予防大事なんですけれども、予防は一生懸命やっているところも実際結構あるんですけれども、介護になってからの、いわゆる廃用を取り除くだけのパワーはまだないというところがあるので、これをぜひそういうところの事例として広げていただきたいんですが、大臣どうでしょうか。
福岡厚生労働大臣:
この保険者機能強化推進交付金につきましては、各自治体が行う自立支援・重度化防止の取組等を促すため、その取組状況に応じて交付金を交付する仕組みでございます。
参考人が申し上げましたように、この東京都の報奨金のような活用も一つの例だというふうに考えておりまして、引き続きこの交付金を活用して、自治体における高齢者の方々の自立支援・重度化防止等に向けた、この効果的な取組、これを推進してまいりたいと思います。
山口和之議員:
ありがとうございます。ぜひ広げて、せっかく日本が課題解決国として世界にアピールできる絶好のチャンスですので、克服して、高齢者の方々が元気でずっといれるように、そして日本は素晴らしいぞというふうに思ってもらえるように、ぜひお願いしたいなと思います。
3番目の質問、生活機能向上連携加算ということで、訪問リハビリテーションからは可能だけれども、訪問看護ステーションからのリハビリは取っちゃだめっていう内容なんで、これについてはちょっと時間がないので、これはなしにさせていただいて、次回にさせていただいて。
資料の5を見ていただいて、これSDGsの11の2のところですが、「2030年までに女性や子ども、障害のある人、お年寄りなど弱い立場にある人々が必要としていることを特によく考えて、公共の交通手段を広げるなどして、全ての人が安い値段で安全に持続可能な交通手段を使えるようにする」というのが、このSDGsの11-2なんですけれども。
最後の資料7を見ていただくと、エスカレーターなんですけれども、エスカレーターが万博では歩かないようにしましょうということをしました。これは大阪で始まった、エスカレーター歩きましょう、片側開けましょうというのが1967年に大阪から始まったんです。阪急電鉄から始まって日本中広がって、でもやっぱりお年寄りであったり、妊婦さんであったり、子供であったり、障害があったりすると非常に不安なわけなんですよね。
これは国土交通省でやらなきゃいけないことかもしれないけれども、なかなかこれ進まないんですね。でもそういった方々が対象になっている以上は、大臣ちょっと一言激励をいただきたいなと思うんですけれども、万博で始まったこのエスカレーター、それを万博で今度日本の万博で、そこから変えていくというのをしたいなと思うんですが、どうでしょうか。
福岡厚生労働大臣:
はい、あの、まあエスカレーターを歩行することにつきましては、他の方に体や荷物が接触することで転倒・転落・荷物の落下などの可能性があること、歩行してバランスを崩すことによりまして、隙間だったり折り口などの可動部に衣服が巻き込まれる可能性があること、停電や安全装置の作動による急停止によって転倒・転落などの可能性があることなどの理由から、危険との指摘があることは承知をしております。
エスカレーターで歩行者用に片側を開ける習慣につきましては、ご指摘の障害者の方であったり高齢者も含めまして、左右いずれかの手すりにしか捕まることのできない方にとって、利用時の安全性であったり安心が損なわれるものというふうに認識をしております。
このため、エスカレーターを歩かずに立ち止まることであったり、手すりに捕まることにつきまして、一部の自治体による条例制定や事業者による啓発活動が行われているものというふうに承知しておりまして、御紹介いただきましたその万博も一つの例ではないかというふうに思います。
厚生労働省としても必要な協力を行ってまいりたいと思います。
山口和之議員:
はい、ありがとうございました。