老健のリハ、次期改定の焦点に 「同じリハなのに単位が半分」現場が問う訪問要件

8924 posts

令和9年度(2027年度)介護報酬改定に向けた個別サービスの議論が、施設系に入りました。厚生労働省は9日、社会保障審議会・介護給付費分科会(第260回)を開き、介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院、特定施設入居者生活介護の4サービスを議題に載せました。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士に最も直結するのは老健です。事務局が示した論点には、在宅復帰・在宅療養支援機能の促進策として「リハビリテーションの充実」が明記されました。

この日はいずれのサービスも「現状と課題」と「論点」の提示にとどまり、方向性が決まったわけではありません。ただ、通所リハビリテーション(第258回)、訪問リハビリテーション(第259回)に続いて施設のリハが俎上に載ったことで、生活期リハビリテーションの各領域が出そろった形です。

認知症短期集中リハ、単位を分ける訪問要件 老健協会長が見直し要望

老健のリハビリテーション関連加算のうち、この日の議論で具体的に取り上げられたのが認知症短期集中リハビリテーション実施加算です。全国老人保健施設協会会長の東憲太郎委員が、要件の見直しを求めました。

この加算は令和6年度改定で区分が整理され、加算(Ⅰ)が240単位/日、加算(Ⅱ)が120単位/日と、単位数に2倍の差があります(いずれも週3回を限度)。厚労省の資料によると、事業所ベースの算定率は加算(Ⅰ)が43.3%、加算(Ⅱ)が31.2%で、単純合計では約75%の老健が算定している計算です。東委員は、加算(Ⅰ)(Ⅱ)で提供するリハビリの内容は同じであるにもかかわらず、加算(Ⅱ)は加算(Ⅰ)の半分の単位数にとどまり、その差は主に訪問要件によるものだと指摘。算定している施設からも訪問に関する要件が現場の実情に合っていないとの声があるとして、実態に即した要件の見直しを求めました。

加算(Ⅰ)は令和6年度改定で新設された区分で、入所者が退所後に生活する居宅(社会福祉施設等を含む)を訪問し、把握した生活環境を踏まえてリハビリを行うことが要件です。この訪問要件を満たさない場合は、加算(Ⅱ)での評価となり、単位数は加算(Ⅰ)の半分になります。東委員は、提供するリハビリの中身そのものは変わらないとして、評価の差の付け方に疑問を呈した形です。

厚労省の資料も、加算の使いにくさをデータで裏づけています。老健施設に「算定が難しい」と思う加算を尋ねた調査では、認知症短期集中リハビリテーション実施加算を挙げた施設が全体の28.5%に上りました。施設類型別では、在宅機能が高い超強化型の17.2%に対し、基本型では45.9%と、在宅復帰機能が相対的に低い類型ほど「難しい」と感じる割合が高くなります。難しい理由の最多は「医師が必要な研修を終えていない」でした。一方、短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)(258単位/日)を「難しい」とした施設は全体で6.8%にとどまり、その理由は「必要な人員配置が確保できない」が最も多いという結果でした。

在宅復帰指標のなかのリハ 経管栄養評価と「老健→特養」問題

老健の報酬は、在宅復帰・在宅療養支援等指標(最高90点)の得点に応じて超強化型・在宅強化型・加算型・基本型・その他型に分かれます。この指標にはリハビリが深く組み込まれています。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士をいずれも配置し、リハ専門職の配置割合が基準(5以上)を満たせば5点、超強化型・在宅強化型には「充実したリハビリテーション」(週3回程度以上の実施)の要件も課されます。

この指標をめぐって、複数の委員が論点を出しました。日本医師会常任理事の江澤和彦委員は、指標の10項目のうち「経管栄養の実施割合」だけが平均で1点台と極端

老健のリハ、次期改定の焦点に 「同じリハなのに単位が半分」現場が問う訪問要件

Popular articles

PR

Articles