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#1なぜ海外に飛び出そうと思ったのか|世界17ヶ国回ったからこそ見えたこと

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 初めまして、堀田孝之です。私は臨床5年目の時に勤めていた病院を退職し、2018年1月から5か月間でオセアニア、ヨーロッパ、アジアの計17カ国、40以上の医療機関やスポーツ施設を訪問しました。フランスにて国立スポーツセンターINSEPの訪問や、途上国でのJICA青年海外協力隊の活動見学など、貴重な機会も沢山いただきました。

 

実際に私が訪れたのはこちらの国々です。オーストラリア、ニュージーランド、ドバイ(UAE)、フランス、イギリス、ベルギー、オランダ、トルコ、キルギス、インド、スリランカ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、カンボジア、ベトナム、台湾。

 

 

日本の当たり前が世界の当たり前でない

文化

 これらの国をまわり私が最も感じたことです。これは、日々の生活、食事、医療、スポーツ、趣味などあらゆるものに当てはまりました。最も違いを感じたのはキルギスでした。寒冷で乾燥した土地柄のため、彼らは1週間に1度しかシャワーをしません。食後に歯磨きをすることも当然ではなく、むしろ子どもでも入れ歯をしていることが当たり前でした。しかも金色です。インドもとても印象的な国でした。宗教の決まりで、彼らはご飯を食べる時は右手しか使ってはいけません。カレーを食べる時も右手だけで食べます。また、頷くときは、もののけ姫の「こだま」のように首を左右に振るので、慣れるまでコミュニケーションにはとても苦労します。

 

キルギス、ナリン村の子どもたち

 

医療

 海外では理学療法士は開業権を持っていることが多いです。オーストラリアやイギリスはダイレクトアクセスも持っており、日本の整形外科医のようにDifferencial Diagnosisもできます。そのため、学生時代は大学に缶詰めになるほど勉強するそうです。また、人工関節置換術やACL再建術の手術後は、術後数日で退院することが当たり前です。むしろ、手術後に数週間入院することもある日本の当たり前が、彼らにとっては衝撃的なことのようです。

 

 

先進国の多くは、PT一人につき一部屋持っています。

 

 このように「日本の当たり前が世界の当たり前でない」と知れたことで、これまで当たり前だと思っていた物事へ感謝する機会や、その理由を考える機会が増えました。また、この「当たり前の違い」が、そのまま日本人のチャンスにも繋がることも実感しました。例えば、私が大学院時代に行っていた「高齢者の転倒予防教室」をインドで紹介すると、医師や理学療法士、大学の先生など多くの方々から大好評でした。私自身が最も驚き、私たちが日々行っていることが、海外へ出るとスペシャルになることもあると知れた貴重な経験でした。

 

インド、チェンナイの病院で転倒予防について講演している場面

 

なぜ海外に飛び出そうと思ったのか

私が海外に興味を持ち出したきっかけは大学院生の時に参加したアメリカスタディツアーでした(https://www.m-education.co/education3d)。日本理学療法学生協会(JPTSA)国際部セミナー(https://www.facebook.com/JPTSA.international.department/)で紹介されたもので す。 カリフォルニアの病院やスポーツ施設を見学させていただき、アメリカでは日本よりも理学療法士の職域が広いことを知り、そこに大きな魅力を感じました。

 

それ以来、私自身ももっと挑戦できる環境に身を投じたいと思い、免許の書き換えや大学院進学など、海外に進出する方法を模索するようになりました。そうして調べるうちに、様々な国の理学療法やスポーツ現場を見たいと思うようになりました。先進国で最新の医療やスポーツ科学を学びたい!と思う一方で、途上国の現状を知り、その上で、自分の進む方向を決めたいと思ったのです。

 

最初の目的地は、英語を学ぶことができ、徒手療法やスポーツ理学療法が盛んなオーストラリアに決めました。その後、JPTSA国際部とアジア理学療法学生協会(http://www.aptsaweb.org/executive.html)のスーパーバイザーをされている松本大輔先生から、フランスの国立スポーツ研究所(INSEP)を見学できる機会をいただきました。イギリスでは、Movement Scienceの国際学会に参加し、イギリス、ベルギー、オランダ、インド、台湾で活躍する運動器、スポーツ専門の先生方との繋がりができました。キルギス、スリランカには理学療法士の友人がおり、直接の友人がいない国でも知人の知人という紹介をいただくことで、最終的には17カ国40施設以上を見学できました。

 

どのように海外をまわったのか

 費用はすべて実費です。移動や宿泊は、格安航空、夜行バス、シェアハウス、時には友人宅への宿泊など、まさにバックパッカースタイルです。奨学金で海外留学をする友人も多く、彼らのことをとても羨ましく思っていましたが、実費だからこそ自由に旅ができた、という利点も感じました。また、ポケットセラピストという遠隔理学療法サービスのお手伝いもしていたため、少しばかりの旅の資金をいただくことはできました。

 

 英語力に関して、留学する1年ほど前からSkype英会話やNHK英会話、Huluなどでの勉強を開始しました。留学前の英語レベルは、IELTS のoverall 6.0でした。これは、中上級のスコアですが、項目別にみると、speakingとlisteningのスコアが5.0でしたので、オーストラリアでは7週間ほど語学学校に通いました。私の選んだIELTSの試験対策コースは学校内でも英語力の高い学生ばかり集まるコースで、授業や日常会話についていくので必死でした。

 

学校での授業は毎日6時間ほどで、模試が毎日あり、宿題もありました。思っていたより大変な学生生活でしたが、6週間ほどでやっと英語に耳が慣れ、speakingとlisteningのスコアが6.0まで上がりました。テーマがわかっていれば、専門的な会話や質疑応答ができるようになり、後の施設見学に役立ちましたので、英語勉強の一つの目安にしても良いかもしれません。ちなみに、理学療法士としてオーストラリアで働くためには、最低IELTS 7.0が必要だと言われています。

 

*目次

#1:なぜ海外に飛び出そうと思ったのか

#2:先進国の理学療法に触れる旅

#3:途上国での医療と理学療法、そしてスポーツ

#4:盛り上がるアジアの国々

 

堀田孝之先生プロフィール

学歴

2009-2013 京都大学人間健康科学科理学療法学専攻

2013-2015 京都大学大学院医学研究科人間健康系科学専攻(修士:人間健康科学)

職歴

2013-2015 あそうクリニック

2015-2017 社会医療法人行岡医学研究会 行岡病院

2018-   あそうクリニック

2018-   訪問看護ステーションめりっと

#1なぜ海外に飛び出そうと思ったのか|世界17ヶ国回ったからこそ見えたこと

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