Contents
1.咽頭収縮筋筋はこんな筋肉
2.神経
3.摂食・嚥下
1)嚥下時の圧変化と呼吸器
2)老化に伴う摂食・嚥下関連器官の変化
4.文献
1,咽頭収縮筋はこんな筋肉
咽頭収縮筋は、上咽頭収縮筋、中咽頭収縮筋、および下咽頭収縮筋で構成されています。中でも、嚥下の咽頭期に最も重要な働きを見せるのが、下咽頭収縮筋です。
下咽頭収縮筋はさらに二種に分かれ、甲状軟骨に付着する甲状咽頭筋と輪状軟骨に付着する輪状咽頭筋に分けられます。この二種は、前者で食塊の流入に伴い収縮し、後者は食道入口の括約筋としての役割があり、その役割は極めて対照的です。
上咽頭収縮筋は、翼状突起、下顎舌骨筋の後端、および翼突筋靭帯/翼突筋に由来します。上咽頭収縮筋が収縮すると、咽頭上部が収縮します。中咽頭収縮筋は、舌骨と茎突舌骨筋の大角と小角に由来します。
中咽頭収縮筋は、咽頭収縮筋の中央に挿入され、上咽頭収縮筋と下咽頭収縮筋の線維に溶け込みます。中咽頭収縮筋は収縮して咽頭の中央部分を収縮させます。
神経
咽頭筋の運動および感覚神経支配は、主に咽頭神経叢によって支配されています。咽頭神経叢の運動枝は、迷走神経と舌咽神経に由来します。舌咽神経は、茎突咽頭筋に運動を支配します。
迷走神経とその枝は、咽頭の他のすべての筋肉に運動神経支配を支配します。咽頭筋の感覚線維は、迷走神経、舌咽神経、および三叉神経の上顎部に由来します。
摂食・嚥下
食物を認知し咀嚼嚥下をすることにより食物を口腔から胃まで運搬する一連の動作のことを言います。嚥下の部分のみに期間を区切ると3層になりますが、厳密には以下のように5層で成り立っています。
1.先行期(認知期)
2,準備期
3,口腔期
4,咽頭期
5,食道期
今回、紹介する咽頭収縮筋は4期の咽頭期に分類され、収縮と弛緩がタイミングよく起こることで、食塊を食道へ運びます。咽頭期の食塊移動速度、移動量は、咽頭内に生じる圧の変化により決まっています。下咽頭収縮筋(輪状咽頭筋)は、嚥下維持には弛緩することで食塊がスムーズに流れ込むようになっています。
当然、摂食・嚥下はそれ単体で理解することはできず、必ず呼吸器とともにみていく必要があります。
嚥下時の圧変化と呼吸器
横隔膜:吸気時に働き、内臓を押し下げて腹腔内圧高まります→嚥下時には活動を弱め食塊が胃に送り込まれるのを助けます。
腹腔内圧:嚥下時に腹腔内圧↑(横隔膜や腹筋群の活動↑)→胃内容物は食道や咽頭へ戻りやくなります。
老化に伴う摂食・嚥下関連器官の変化
摂食・嚥下の問題として、近年問題視されるのが老化に伴う摂食・嚥下機能の変化です。以下に、口腔・顔面、咽頭・喉頭、食道の3つの分類からそれぞれに起こる機能障害をまとめてみました。
<口腔·顔面>
・舌筋・咀嚼筋の機能低下
・顔面筋の機能低下
・舌・軟口蓋の下垂
・口腔感覚の鈍化
・舌の運動機能低下
・歯の欠損
・顎関節の異常
<咽頭·喉頭部>
・舌骨・喉頭の挙上減少
・喉頭下垂
・喉頭の閉鎖不全
・咽頭括約筋機能不全
<食道>
・蠕動運動の低下
・食道拡張
参考文献
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK551654/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10091260/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibirin1925/65/9/65_9_1109/_pdf
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19479181/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9038006/
PTOTが学ぶ筋肉まとめ【イラスト付き】
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