6日社会保障審議会・介護給付費分科会にて第2ラウンドの議論が開始されました。今回のフォーカスは訪問看護。特に、理学療法士等による訪問看護の評価についての議論をお伝えします。
令和3年度の報酬改定と訪問看護事業所の評価
令和3年度の介護報酬改定では、基本サービス費の見直しを行い、理学療法士等が行う訪問看護が12月を超える場合や、1日に2回を超えて実施する場合の評価が見直されました。これに伴い、訪問看護事業所の評価も変化が見られるようになっています。具体的には、サービス提供体制や実績等に応じて、さまざまな加算等による評価が行われています。
現状の訪問看護ステーションにおける理学療法士等の状況
訪問看護ステーションにおける従事者の中で、理学療法士等の割合を見ると、20%未満の事業所が63.5%を占めています。しかし、20%以上の事業所の割合は徐々に増加しており、特に60~80%未満の事業所が4.1%、80%以上の事業所が0.2%を占めています。また、理学療法士等が10名以上在籍している事業所数も増加傾向にあり、平成21年の20か所から令和2年には342か所へと約17倍に増加しています。このデータから、訪問看護ステーションにおける理学療法士等の役割が年々大きくなっていることが確認できます。
訪問看護におけるリハビリテーションの実施状況
訪問看護におけるリハビリテーション利用者の障害高齢者の日常生活自立度を見ると、「A2(外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている)」が最多で19.7%を占めており、次いで「A1(介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する)」が18.9%を占めています。また、リハビリテーションを受けている利用者の主傷病については、「高血圧」が39.9%、「脳卒中(脳出血、脳梗塞等)」が28.2%を占めています。
今後の対応策について
上記のデータを踏まえて、今後の対応策としては、訪問看護の役割を踏まえたサービスを適切に評価するため、サービスの提供体制や実績を考慮し、理学療法士等による訪問看護の評価の差別化を行うことが提案されています。このように、訪問看護における理学療法士等の評価に関する議論は、今後も続くことが予想されます。進行中の議論や新たな取り組みについては、引き続き注視していく必要があります。
▶︎https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001164130.pdf
【合わせて読む】