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【速報】ドジャース・伊藤憲生氏が母校で講演「身体機能がメンタルを支える」─佐々木朗希との1カ月半

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ワールドシリーズを制覇したロサンゼルス・ドジャースのアシスタント・フィジカルセラピスト、伊藤憲生(いとう・けんせい)氏(31)が22日、母校である徳島文理大学(徳島市)で凱旋講演を行った。日本人理学療法士として初めてMLB球団に雇用され、移籍1年目で世界一の栄冠に貢献した伊藤氏 。会場には学生や医療関係者だけでなく、多くの中高生も詰めかけ、世界最高峰の舞台で戦う「裏方」の言葉に熱心に耳を傾けた。

伊藤氏は講演の中で、華やかなメジャーリーグの光と影、そして過酷な移動やマイナーリーグの環境格差について言及。その上で、理学療法士として選手と向き合う中で辿り着いた、ある一つの「確信」を口にした。「よく『心技体』と言われますが、僕はメンタルで解決できることは意外と少ないと実感しました」

超一流が集うメジャーリーグの現場。不調に陥る選手も少なくない。だが、伊藤氏は安易に「メンタル」を理由にすることを否定する。「身体機能、技術があってこそメンタルは安定する。不安のない身体機能、違和感のない体があって初めて、自信を持ってプレーができるのです」と力を込めた。実際に今シーズン、担当した佐々木朗希投手が不調に苦しんだ際も、伊藤氏は徹底的な身体評価を行った。投球フォームの崩れや身体機能の低下(可動域制限や筋力の不均衡など)を一つひとつ紐解き、修正することで、結果として精神状態も安定し、パフォーマンスを取り戻していく過程を目の当たりにしたという。

「理学療法士としてできることは、その選手の個々の特性に応じた体の評価をして、痛みのない体を作ってあげること。それが一番できることだなと思っています」 レジェンドであるカーショウ選手や、大谷翔平選手らと共に戦った1年間。世界一のチームを支えたのは、精神論ではなく、徹底した「準備」と「身体機能への追求」だった。伊藤氏の言葉は、これから世界を目指す学生や、日々臨床に向き合うセラピストたちへの強烈なエールとなった。

なお、伊藤氏による講演の技術的な詳細(投球障害のメカニズムや具体的な評価視点)や、講演後の囲み取材で見せた素顔については、追って詳報する。

【目次】

ドジャース・伊藤憲生氏が母校で講演「身体機能がメンタルを支える」─佐々木朗希との1カ月半

「かつては私もメンタルのせいにしていた」ドジャース伊藤憲生PTが“原点回帰”で突き止めた、佐々木朗希「回外型スライダー」の代償

「登板1時間前の打撃練習」 ドジャース伊藤憲生PTが見た、大谷翔平とレジェンド・カーショウの“異常”な準備

恩師の教え、ロッテへの執念、そして「一緒にドジャースへ」 ドジャース伊藤PTの運命を変えた「3つのターニングポイント」

深夜1時半の着信。WSの舞台裏と、伊藤憲生PTが迫られた「究極の決断」

 

この記事の執筆者
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今井俊太
【POST編集部】取締役 兼 編集長

理学療法士としての現場経験を経て、医療・リハビリ分野の報道・編集に携わり、医療メディアを創業。これまでに数百人の医療従事者へのインタビューや記事執筆を行う。厚生労働省の検討会や政策資料を継続的に分析し、医療制度の変化を現場目線でわかりやすく伝える記事を多数制作。
近年は療法士専門の人材紹介・キャリア支援事業を立ち上げ、臨床現場で働く療法士の悩みや課題にも直接向き合いながら、政策・報道・現場支援の三方向から医療・リハビリ業界の発展に取り組んでいる。

【速報】ドジャース・伊藤憲生氏が母校で講演「身体機能がメンタルを支える」─佐々木朗希との1カ月半

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