不安(anxiety)や抑うつ(depression)は痛みの感じ方に影響を与える可能性がある。しかし、このことに性別によってどのような差異が存在するかは明らかでない。
この研究では、95人(うち女性52人)に熱・寒冷刺激を用いた量的な感覚検査、及び不安と痛みに関する複数のアンケート調査を行った。この感覚検査の目的は熱・寒冷による痛み刺激の閾値と耐用性を判断することにある。
そして、アンケートによって示された特性不安(Trait anxiety:性格的な不安になりやすさ)、痛みへの不安の構成概念(constructs:存在を仮定することである現象を説明可能とするもの)、抑うつ症状の男女間の差異と、これらの因子と感覚検査の結果との関連性を調査した。
不安への敏感さを示す値(Anxiety Sensitivity index)は女性において有意に高かった。しかしアンケートでは他に男女間で有意差は示す項目は認められなかった。そして…
>From: Thibodeau et al., Pain 154 (2013) 419-426. All rights reserved to Elsevier.