熊本震災の際、避難所(あるいは車中で避難している方)では、生活不活発病になるリスクが高く、体力や筋力が低下するだけでなく抑うつや精神的不安定になる二次被害が出ていました。エコノミークラス症候群もこれに含まれます。
エコノミークラス症候群に対する予防の知識があるだけで防げるため、少しでも多くの被災した方々に正しい知識と方法論が広がることが望まれます。
<エコノミークラス症候群の簡単な予防方法>
この症候群の名前を聞いたことがある方も多いと思いますが、海外旅行などで飛行機に長時間乗っていると発症してしまう恐れのある「エコノミークラス症候群」という病気があります。
これは、長時間同じ座っている姿勢で過ごしていたために、血流の流れが悪くなり、足の血管に血液の塊(血栓:けっせん)ができてしまうというものです。
できてしまった血栓は、歩き始めた際などに心臓や脳に飛んで詰まってしまい、重症事例や場合によっては命に関わる事もあります。
車中泊など、車で長時間座っている際も、同じ現象が起きやすいので特に注意が必要です。
エコノミークラス症候群を予防するためには、ズバリ『血流を良くすること』です。
一般的な予防方法としては、
1.水分補給。
2.足を動かす。(運動、ストレッチ、マッサージ)
以下、具体的な運動方法を紹介していきます。
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【解説】
①足の指をグーパーグーパー。(5回ずつ)
②足首回し。(5周ずつ)
③床に足をつけて踵上げ運動。(10回)
④床に足をつけてつま先上げ運動。(10回)
⑤足を組んで、身体を前に倒す。(左右20~30秒)
→お尻の部分の筋肉のストレッチです!
⑥足裏・アキレス腱・ふくらはぎを下から上にマッサージ。(写真参考)
*身体の中から水分を減らさない為にも、利尿作用があるコーヒーなどは控えた方がいいかもしれません。
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次に紹介する方法は、エコノミークラス症候群の予防だけではなく、日頃から私たちリハビリテーションの現場でも「腰痛」の方などに対して実際に行っています(下写真)。
腰痛にも、疲労回復にも、エコノミー症候群の予防にも使えます。
避難生活においては不活発な環境が長期間続くため、多くの方々がエコノミークラス症候群になる可能性にあると思われます。
特に、高齢者の方にはくれぐれも周りの人が気にかけてあげてほしいです。
予防の為にも、ぜひ試してみてください。
さらには、この方法をより多くの人へ伝えてあげてください。何卒よろしくお願い致します。
文責
(記事寄稿:田川祐希 編集:POST編集部 舟越、細川)