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【柴伸昌先生】整形外科医が求めるリハビリ職者とは

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みなさんがやっていることを蓄積しエビデンスにする必要があります。

今の医療制度は、医師を中心にサテライトのように他職者(PT、OT、ST、Nrsなど)が配置されていますが、それぞれの職種の視点で医療が回っています。

 

そこで重要なのが、リハビリテーション的に患者さんが良くなる手段を持っている必要があるということです。例えば、看護師は「看護診断学」という学問があります。そのように、理学療法診断学、簡単に言うと理学療法士的診断、介入が大事で、そこは目指すべきところだと思います。


そのためには、これを学問的に証明する必要があります。重心が常に前にあることにより椎間板の位置がどうなるか?とかの診断は、理学療法士が得意としている分野だと思うんです。

 

それを、どんどん発信していく必要がありますね。客観的に説明できて初めて専門家としての価値がでます。周りに説明できるようにすることが大事なことですからね。

 

こうしたらよくなったという事例も大事だけど、こういうことやったらよくならなかった、変わらなかったという発表も大事です。そしたらそんなことないと誰かがまた調べディスカッションし、その積み重ねの結果、エビデンスが構築されていく。


医者っていうのは学者だから、自分のやっていることがどれだけ価値のあるものなのか、実証出来るのかということを常に追究していくことも教育されてきたからね。ただ医者の世界もここ20年位だからね、研究が盛んに行われてきたっていうのは。

みなさんは医療として認められています。自信をもってください。

リハビリ職者の仕事は、障害を持った人たちを基本的には対応するけれど、その知識を持った人たちが予防分野に入っていけば、健康寿命は延びると思います。ただ、保険を使ってそれをやるのは難しいかもしれないですね。人間ドックも自由診療としてやっているわけだし。


それと同じようなことは、自由にやって良いわけですよ。スポーツクラブはそれを狙ってやっていますよね。ただリハビリの専門家であれば、スポーツクラブとはまた違った部分から介入出来るわけだよね。それを学問として成立させていくことが必要だと思います。


リハビリは医療として確立しているので、リハビリセラピストだからこそとれる点数もあるわけだよね。いくら優れた鍼灸師や柔道整復師でもリハビリテーション料はとれないわけ。そこは自信もってやって良いと思いますよ。

 

ただし、一般社会的に「リハビリで料金とられて納得いかない」って事が起これば、見直される可能性はありますよ。

 

 私たち医者はみなさんと話がしたい。そのために理解して欲しいことがあります。

臨床において医師がリハビリ職者に期待する知識として、全てのデータを知る必要はないと思いますが、医師が書いているカルテが読める程度は理解して欲しいですね。

 

全部の数値を覚える必要はないです。そんなことをしていると自分たちの必要な知識を網羅することができないですしね。


例えば、CRPが高いと書いてあればCRPは何?ではまずいですけど、「炎症をみる一つの評価なんだな」くらいでいいんじゃないかな。そしたら熱とか気をつけないといけないなとかでいいと思います。


しかし、レントゲンはある程度診れたほうがいいかな。運動器の変形とか骨折がどういうものか骨がついてくる過程とかは知っていた方がいいよね。これくらいついてくればこれくらい荷重かけていいとか、部位によって違うからそれは覚えていて欲しい。わからなかったらわかる人に聞くとかの工夫は大切だよ。


病院の医者が「これをやりなさい」って言ったものをその通りにできる方が、病院の運営としてはスムーズだし、一定の医療を平等に提供できるっていう面では良いのかも知れないけど、本当に患者さんが満足する病院とは離れていってしまうかもしれないよね。

 

難しいんだけど。

柴伸昌先生経歴

≪略歴≫
1985年:新潟大学医学部卒業後、同年東京警察病院整形外科入局。
2007年:東京警察病院整形外科 部長就任。警察病院のほか、墨田区中村病院や中央区木挽町医院、宮崎県日向市千代田病院においても診療と手術を行ってきた。
2013年6月:東馬込しば整形外科開業

≪資格≫
日本整形外科学会専門医 / 日本整形外科学会スポーツ医 / 日本整形外科学会脊椎脊髄病医 / 日本整形外科学会リウマチ医 / 日本整形外科学会リハビリ医 / 日本リハビリテーション医学会臨床認定医

≪所属学会≫
日本整形外科学会 / 日本リハビリテーション医学会 / 日本ペインクリニック学会 / 日本整形外科スポーツ医学会 / 日本脊椎脊髄病学会 / 日本アロマセラピー学会 他

≪著書≫
関節・軟部組織注射マニュアル(丸善出版) / 前立腺癌の骨管理マニュアル (医学図書出版) / アロマセラピー標準テキスト臨床編(丸善出版)

関節・軟部組織注射マニュアル 基本テクニックと診断 原書5版

【柴伸昌先生】整形外科医が求めるリハビリ職者とは

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