腹横筋トレーニング | ドローインの前に診ておきたい評価法

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体幹のインナーマッスルとして名高い腹横筋。頭の中で立体的なイメージができていますか?図を使って、立体的なイメージを作っていきましょう。

Contents

1.腹横筋ってなに?

2.腹横筋の働き

3.腹筋群の層構造を理解しておこう

4,腹横筋トレーニングーDraw inー

5.Draw inの前の腹横筋評価

腹横筋ってなに?

 

起始

第7~第12肋軟骨内側面、胸腰筋膜深層、腸骨稜、上前腸骨棘内唇、腸腰筋膜

停止 剣状突起、白線、恥骨稜
支配神経

肋間神経(Th7-12)、腸骨下腹神経、腸骨鼡経神経

髄節 Th7-12
作用

腹圧を高める

英語

Transversus abdominis muscle(略:TrA)

 

最近ではよくテレビにもよく出てくる筋肉。腹筋にあるのはわかるけど、一体腹筋のどの辺にあるのか、どんな走行をしているのかを図で見ながら確認しよう。

 

 

図でみると、字のごとく、腹部を横に走行する。全身の筋肉をみてもあまりこのような走行をする筋肉はないので、文字で覚えるより図でイメージして覚えるほうがわかりやすいと思います。

 

腹横筋の働き

腹横筋の機能はいくつもあります。それをいくつか紹介しよう。

〇腹横筋は「関節を動かす」より「体を支える」要素の筋肉

起始停止の関係や腹横筋で検索すればまず出てくるのは体幹の話や姿勢の話が出てきます。

腹横筋はインナーユニットの1つで、体幹のコアを形成する部分です。

「側面が腹横筋、下部は骨盤底筋群、上部が横隔膜、後面は多裂筋」で構成されています。

すべての身体動作の働き出しの準備を行ったり、脊柱を支持したりする働きがあります。

 

〇呼吸時使われる筋

呼吸をするときにも腹横筋は使われています。

主に呼吸は胸式呼吸と複式呼吸に分けられ、筋肉も呼気筋と吸気筋に分けられます。

腹横筋は腹式呼吸で使われる筋肉です。

吸気筋:横隔膜、外肋間筋、胸肋筋

(補助吸気筋:胸鎖乳突筋、斜角筋、大胸筋、小胸筋、前鋸筋下部繊維、広背筋)

呼気筋:内肋間筋

(補助呼気筋:腹横筋、外・内腹斜筋、腹直筋、腰方形筋、腸肋筋下部繊維、最長筋)

腹横筋はお腹をしぼませる方に作用します。

 

 

〇腸内環境を整える筋肉

腹横筋は腸内環境を間接的にサポートしています。

腹圧性尿失禁は、横隔膜・腹横筋・骨盤底筋群・多裂筋の四つの筋が協調的に機能せずに尿道 をうまく締められないことによって起こると言われています。

また、便秘に関しても、腹圧の減少で蠕動運動がうまく行われず起きるといわれております。

 

腹筋群の層構造を理解しておこう

もっとも深層に位置するのが、腹横筋ですね。ついで、内腹斜筋→外腹斜筋→腹直筋という順番です。視覚的にイメージして、患者さんへ還元しましょう。

 

腹横筋トレーニング

 腹横筋のトレーニングといえば、お馴染みなのがDraw inですね。しかし、このトレーニングに対して、否定的な見解をする専門家がいるのも事実です。確かに、どのような患者に対して、どんな意味を持って行うかによって、その方法は様々あります。

 

生理学的な見方をすると、筋の張力には筋によって適切な筋長が存在(長さ張力曲線)し、元の長さに対して、長くても短くても、十分な筋発揮は行われません。

 

つまり、不慮姿勢の環境下に置かれた腹横筋に対して、Draw in(腹横筋の収縮)を行なった場合、最大張力を発揮できない筋長にあると、その効果は半減するのではないかということです。しかし、全く効果がないのか?と言われれば、そうでもありません。実際に、腹横筋のトレーニング効果を推奨する研究も数多く存在しています。

 

また、そもそも腹横筋の全く機能していない症例に対しては、Draw inのようなトレーニングから開始し、ある程度のパワーをつけておく必要があるかもしれません。どちらの意見にしろ、目の前の患者さんがどのような状態にあるのかを評価する必要があるのはいうまでもないでしょう。

 

Draw inの前の腹横筋評価

 簡単に診ておくべき機能は、ズバリ「お腹を膨らませることができるのか?」という機能です。これによって、腹横筋を収縮するために必要な筋の長さが保たれているのかを簡易的に評価します。もちろん、腹横筋だけに限った機能ではありませんが、スクリーニング程度に行っておくと良いでしょう。

 

腹横筋トレーニング | ドローインの前に診ておきたい評価法

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