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吉村和也先生−厚生労働省保険局保険課で働く理学療法士(PT)−第一部

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理学療法士になるきっかけ

 PTを目指したきっかけは、高校生の時に「仕事をするなら人のためになることがしたい。それだったらやっぱり医療に携わりたい。」という思いを持ちさまざまな職業について情報収集をしている中、ある時偶然PTのことを知り、この職業であれは自分が頑張った分だけ人に還元することができやりがいもあるのではないかと思ったことでした。

人の命を守るという観点から医師という選択肢もあり迷うこともありましたが、PTは命には関われないがその人の生活や人生を支えることができる職業である、という考えに至った時、PTで頑張ろうと決意しました。
yoshimura厚生労働省で働く理学療法士、吉村先生にインタビューさせていただきました。今回は、輪違氏との対談をまとめたものです。

覚悟をもった学生時代

日本理学療法学生協会(JPTSA)といいまして、発足したのは2004年です。当時、ある大学の学生が自分たちの受けている教育について疑問を持ち、「他の学校はどういった勉強をしているのか?」ということを知るために他校と情報交換をする場を設けたことが今のJPTSAの交流会の始まりです。交流会では、毎回さまざまな分野で活躍されている先生の講演や学生間の意見交換を通して、学生の視野の拡大や横のつながりを強化していくことなどを目指しています。私も学生時代は協会の理事を勤め、自分の学校で交流会を開催する機会をいただきました。

その他にも、交流会をきっかけにAPTSA(Asia Physical Therapy Student Association)という国際団体の立ち上げに関わる機会があり、組織の代表を2年間務めさせていただきました。APTSAとは、アジア地域における学生の国際的な地域間協力や競争力の向上などを目的に学生や大学院生が運営する非政治的団体です。APTSAには現在9つの国と地域が関わっており、毎年加盟国が持ち回りで総会を開催し、毎回設定するテーマに基づく各国発表やグループディスカッションなどを通じて各国間の情報交換や意識の向上を図っています。私にとってAPTSAでの活動は、その後のキャリア形成や理学療法業界に対する考え方に大きな影響を与えた重要な経験となっています。 当時、こうした活動を積極的にやっていた人は私の周りにはいなかったため、周りからは不思議がられることもありました。ただ、私の中で4年間の学生生活は、将来少しでも良いPTになるためにできることを全てやると覚悟を決めていたので、何か新しい情報が得られる機会などがあれば、積極的に参加していました。
 yoshimura国際交流において得たことを語っていただきました。

地域に根ざした理学療法士のあり方を考える

 大学に入学したころは、卒後は当然のように病院で働くことをイメージしていましたが、実際に卒業することには、地域に出てやっていきたいという想いを強く持つようになっていました。

そう考えるようになったきっかけは、ある先生の講義の中で、地域在住高齢者の寝たきり率の高さとその三大要因が脳卒中・老衰・転倒骨折であることを知ったことです。その時の衝撃は今でも忘れられません。これらの要因は全てPTが介入することで予防できる可能性があるものです。そう思った瞬間から、たとえ医療機関でリハビリを行っても、退院後にこれらが要因となり寝たきりになってしまっている実態があるのであれば、地域が受け皿としてしっかりこうした人たちをフォローする必要があると考えるようになりました。 「医療機関で理学療法を行うことはもちろん大事だけれども、それはみんながやってくれている。であれば、自分はその後のフォローをしていこう」と考え、卒後は地域や福祉の分野でやっていきたいと思うようになりました。 急速な高齢化を始めとした世の中の今の流れを踏まえると、おそらく地域リハや予防分野の需要はこれからますます増えていくと思います。とはいえ、PTの本丸はこれからも医療機関で提供される治療理学療法やリハビリテーション理学療法であることは変わりないと思います。それがあった上で、今後は予防や維持期、地域リハなどの分野も一層大事になってくると思いますし、PTが急増している今だからこそ「需要と供給を考えるならこの分野を広げていかなければいけない」という問題意識を強く持っています。

吉村和也先生経歴

資格:理学療法士

所属:厚生労働省保険局保険課

経験年数:4年目

出身校:京都大学大学院修士課程、畿央大学

吉村和也先生−厚生労働省保険局保険課で働く理学療法士(PT)−第一部

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