ランニングなどのハードな運動は、関節を壊す。そんなイメージをお持ちではないだろうか。
それを覆す可能性が研究で示された。
ランニングは、変形性膝関節症の発症を遅らせる
詳細を読む(引用元):CareNet
Seeley氏らは、18~35歳の健康な男女の膝関節の関節液を分析し、意外な結論に達した。
30分間のランニング前後で、炎症の徴候を示す化学マーカーが有意に減少したことが判明したという。
ランニングにより炎症成分が減少し、変形性関節症などの発症を遅延させるとの興味深い研究結果だ。
しかし、研究対象は、あくまで18〜35歳と若年者である。
では、高齢者ではどうだろうか。こんな報告がある。
中高年ランナーに対しての注意事項と走行距離
引用元:日本臨床スポーツ医学会誌: Vol. 13 Suppl., 2005.
・ランニングは膝、腰椎の骨・関節の退行性変性の促進には明らかな影響をおよぼしていない(骨棘・骨硬化の出現がランナー群とコントロール群に差がなかった)
・男性ランナーでは月間走行距離が200 km を超えると腰痛,膝痛の発生頻度が増加している。
・女性は男性よりも膝関節の退行変性の出現が早期に発現するため,中高年の女性ランナーでは約150 km 程度の走行距離に止めることが望ましい。
高齢者の場合、直接的な原因とはならないものの、軟骨などの退行性変化により、関節に負担はかかりやすいため、走行距離に注意することが必要だ。
日で換算すると
・男性は、1日約1㎞(714m)
・女性は、約500m(535m)
その他、ランニング初心者には、重心を少し前に傾けて小走りするスロージョギングという方法も推奨されている。
「1日1㎞走ってみて下さい」では患者さんの理解が得られにくい。
「病院から自宅まで、重心を前にして小走りで帰ってみて下さい。そうすれば膝が、痛みにくくなりますよ!」とすれば、我々も言い易く、患者さんもやる気になってくれるのではないか。
昨今のランニングブームにより、中高年向けのランニングイベント・スクールも多数開催されている。
そちらもチェックし、患者さん・クライアントの社会参加を促す一機序にされてみてはいかがだろうか。
文責 POST編集部 林・渡邉
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