第三回:今一番増えている労災事故は転倒事故【産業理学療法研究会代表|高野 賢一郎先生】

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―――1日のスケジュールはどのような状態ですか?

 

 いろいろあります。何例かだけ紹介すると、例えばゴルフ場に行って、転倒予防の講習会をキャディさん向けにすることもあります。

 

ゴルフ場でデータを取っていると圧倒的にキャディさんの転倒が多かったんです。キャディさんって芝の状態によってはよく転んだりするし、ながら仕事が多く、つい自分への注意がおろそかになって転ぶことがあるようです。

 

自然のままでプレーするゴルフ場ですから、滑らないようにしたり、手すりをつけるわけにはいきません。靴の選択、体操の励行、山歩きのコツの取得などが重要であり、これらをわかりやすく指導するのです。

 

 

あとは年齢。平均年齢が50歳以上の職業なので今後のことも考えると予防する必要がある人たちと言えます。

 

今やっていることとしては、不慣れが原因でケガの多い新人には体操指導や体力作り、体力が低下してケガが多い60代以上のキャディさんには体力チェックをして、問題があれば改善方法を指導するのです。

 

「将来的に怪我しやすくなるから今のうちからこういった運動をしておきなさい」という風に指導をしています。この話はキャディさんに限った話ではなく他の分野でもいえる話で、今一番増えている労災事故って転倒事故なんです。

 

転倒予防のために評価をする職種としてこれからどんどん僕らが入っていく必要がある分野だと思っています。あとは環境設定。靴底とかを評価して転倒しにくいものに変えたりすることも僕らがやれることの一つだと思っています。

 

学校の先生向けに指導することもあれば、大きな企業の若い社員向けに講習会をすることもあります。デスクワークの人には肩こり予防の講習。

 

事務職への肩こり予防研修会の一コマ

いろんなところに講習に行っても結局やってくれないと意味がないので、DVD作ったり、指導者に対して指導し、指導してもらったりもします。会社ごとに必要な運動は変えながらやっています。

 

大切なところは、報酬ですが一回行って5万円以下では、なかなか厳しいのが現状です。できれば年間契約、複数年契約をとってやっていければ経営的にもらくになることでしょう。

 

内容を知ってもらうためには安くても足を運んでみることです。

 

そこで価値を認められれば自ずと報酬は上がります。ここも、焦ってはいけませんね。Give & Take の無償のGive と予防への熱意が大事で、これらがないとうまくいかないかもしれません。

 

―――センター内でのお仕事はどういったことをされているんですか??

 

 資料を作っているか外部とメールでのやり取りなんかが多いですね。講習ごとに資料はアップデートしていく必要があるので、資料と向き合う時間は多いです。

 

あとは産業リハの指導者向けに講習をしたりします。最近は結構人気になってきているみたいで、受講者も多いようです。

 

あとは産業理学療法士だけではなく、産業医や保健師などの産業スタッフとも一緒にやる必要があります。産業系のスタッフは理学療法学会とかには全く顔を出さないので我々のことはあまり知りません。

 

だから、我々は産業衛生学会などで研究発表をしたり自由集会をしたりして名前と顔を売っています。

 

一般社団法人 産業理学療法研究会 会員募集中

産業理学療法確立のために

多くの理学療法士に関心を持って参入していただきたい。

本邦では積極的な予防にウェートが移り、ここに多くの予算がつきました。理学療法士にとって今がまさにチャンスなのです。我々には予防に関する情報が豊富にあり、若い力も豊富にあります。今これを使わずにいつ使うのでしょう。

あなたの情熱と創意工夫で多くの悩める勤労者を救ってあげられるのです。一緒に企業に介入してエビデンスの高い成果を上げ、社会に産業理学療法を広めていきましょう。

勇気を振り絞って一歩を踏み出してみませんか。

 

当会へ入会された会員には以下の特典が与えられます。いずれも産業理学療法の実践に役立つものです。奮ってご参加ください。


①いつでも質問ができ、スピーディに回答が得られるメーリングリストに参加できます。
②指導用ファイルを共有でき、講習会などに自由に利用することができます。
③産業理学療法研究会の研修会を一般より安く受講できます。
④産業理学療法やそれ以外の理学療法を学べるeラーニングを1年間12,000円のところ9,000円で学ぶことができます。
⑤海外の産業理学療法の情報を入手することができます。
⑥産業理学療法研究会の共同研究へ参加することができます。

 

 

*目次

第一回:時代は予防を求めていた

第二回:最も腰痛予防をできていない職種が医療福祉関連職員だった

第三回:今一番増えている労災事故は転倒事故

最終回:産業理学療法士になるために取得しておきたい資格

 

 

高野先生オススメ書籍

1,松平浩;ホントの腰痛対策を知ってみませんか;労災保険情報センター

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高野 賢一郎先生プロフィール

略歴

・昭和59年、九州リハビリテーション大学校卒業

・同年、理学療法士として独立行政法人労働者健康福祉機構 関西労災病院リハビリテーション診療科に就職

・平成12年、阪神アスレチックリハビリテーション研究会設立

・平成16年、関西労災病院 勤労者予防医療センターに移籍
産業保健分野の理学療法士として活動

・平成23年5月産業理学療法研究会設立(H25年5月に一般社団法人化)

・平成26年4月関西労災病院 治療就労両立支援センターに異動

・現在に至る。

資格

・運動器における専門理学療法士(日本理学療法士協会認定)

・内部障害における専門理学療法士(日本理学療法士協会認定)

・作業管理士(産業保健人間工学研究会認定)

・第一種衛生管理者

・介護支援専門員

最近の研究発表              

Stiff shoulder pnd lower back pain in different occupations, and the use of exercise for their preventation;ER-WCPT congress2016

ゴルフ場における新人と熟年キャディの体力と転倒事故の調査;第64回日本職業・災害医学会学術大会2016

最近の執筆  

日本のこれからと理学療法 企業で働く理学療法士;理学療法学42巻4号 365-369;2015

産業理学療法の展開;総合リハビリテーション 43(6), 527-534, 2015;医学書院

労働災害の予防;予防理学療法学要論_第3章-6 、P151-160、2017.1.25;医歯薬出版株式会社

主催する研究会/所属学会研究会

産業理学療法研究会/産業理学療法部門、予防理学療法学会、日本職業・災害医学会

産業保健人間工学会、日本産業衛生学会、日本衛生学会、アスリートケア研究会

 

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