理学療法士は昭和四十年に制定された理学療法士法にて「医師の指示の下に、理学療法を行うことを業とする者」と定義されました。それから現在に至るまで、いまだに理学療法士には開業権が認められていないことは皆さんもご存知の通りだと思います。
しかし、業界を見渡すといわゆる"グレーゾーン"である「理学療法士が、保険を使用しない整体院・サロンを開業」といったケースは多く存在します。また、その多くが整体院として開業しながら、週末に理学療法士に対して起業セミナーや、"自費でも通用する治療技術を売りにしたセミナー"で儲けている人が多いのが現状です。
平成25年にて、介護予防事業に関しては医師の指示がなくとも業務を行えるようになりました(詳細は以下)が、今後も職域拡大に向けて動いていくときに、グレーゾーンが多く存在することにより逆風にさらされる可能性も大いにあると言えます。
「理学療法士が、介護予防事業等において、身体に障害のない者に対して、転倒防止の指 導等の診療の補助に該当しない範囲の業務を行うことがあるが、このように理学療法以外 の業務を行う時であっても、「理学療法士」という名称を使用することは何ら問題がないこ と。また、このような診療の補助に該当しない範囲の業務を行う時は、医師の指示は不要 であること。
しかし、保険内で働いている以上、サービスを提供するのに制約があるのは事実ですし、給料もなかなか上がりにくい現状にあるのも事実です。自分の人生として、理学療法士ではなく整体で自費サービスに挑戦したいというのも、個人の自由だと思います。
ただ、それだけの自信があるなら、「理学療法士」なんていう肩書きにこだわらずに「自分」というブランドで勝負した方がいいとは思いませんか?
理学療法士免許を持っている人が、整体院を開業すると法律的にグレーなんだか、アウトだか言われてしまうくらいならいっその事、理学療法士免許なんて国に返還してしまうという選択肢も一つありなのではないでしょうか。
ということで、前置きが長くなりましたが、今回は「理学療法士免許は返還できるのか!?」その真偽に迫りたいと思います。
厚生労働省医政局に問い合わせる
調べてみると、「理学療法士、作業療法士の死亡、失踪宣告による理学療法士名簿登録、作業療法士名簿登録の消除申請手続」は見つかりました。
しかし、理学療法士が死亡も失踪もしていない場合は返還できるのでしょうか。
よく分からないので、さっそく厚生労働省医政局に電話で質問してみました。
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