2次運動野は運動学習による大脳皮質の変化に必要である
運動学習において脳内ではどのような変化が生じているのか。療法士にとって興味深い論文を紹介する。
2017年5月にNature誌に発表されたもので、米国California大学 牧野氏が「運動学習にともなう大脳皮質におけるマクロな神経活動の変化」を研究したものだ。
運動学習により2次運動野から新たな神経活動の伝達がはじまりほかの領域に影響をおよぼすようになることが明らかにされたが,実際に,2次運動野は運動学習により起こる脳の変化に必要なのかどうかを検証するため,運動学習ののちに2次運動野における神経活動を抑制したところ,マウスの行動および大脳皮質の神経活動のどちらもあらゆる点について運動学習のまえの状態にもどった.
詳細を読む(引用元):ライフサイエンス 新着論文レビュー
脳卒中患者に再び運動を教育していく際に、2次運動野に障害があるとうまく進んでいかない可能性がある。
その際にはもしかすると、代わりに環境設定や自助具を使用するなどの手段を検討する必要も考えられる。
よくリハビリ効果の持続を考えた際に、やみくもに回数であったり運動量を増やせばいいと考えるセラピストもいるがそれは大きな誤りである。
患者さんの運動学習を促進していくには、どのような感覚情報を入ればいいか考慮し、最適な運動プログラムを立案する必要性がある。