脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)の治療において、血栓の増大を防ぎ、新たな血栓を作らせないために、抗血小板療法が行われる。
Hilkens氏らは、再発予防のために抗血小板療法を受けている脳梗塞やTIAを経験した患者の出血リスクを予測するモデルを開発するため、抗血小板薬の臨床試験6件に参加した計4万3,112人のデータを統合して解析した。
大出血リスクの予測因子は(1)男性、(2)喫煙、(3)抗血小板薬の種類(ジピリダモールとの併用の有無を問わないアスピリンの使用、あるいはアスピリン+クロピドグレルの使用)、(4) 中等度以上の障害(modified Rankin Scale3以上)、(5)脳卒中の既往、(6)高血圧、(7)低BMI、(8)高齢、(9)アジア系人種、(10)糖尿病―の10因子で、最も強いリスク予測因子は年齢であることが分かった。
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高齢になると抗血小板薬の出血リスクが高いという結果になった。
抗血小板薬は、血小板の働きを抑えることによって血栓を予防し血液をさらさらにするが、消化管出血などのリスクが高くなる。
脳卒中学会のガイドラインでは、非心原性脳梗塞の再発予防への抗血小板薬の投与はグレードAと、強く推奨されている。
担当患者の服薬情報を見ると、アスピリンやクロピドグレルが処方されることは多いだろう。
脳卒中患者の多くは高齢者であり、脳卒中再発リスクの裏には、出血リスクがあることを頭に入れ、担当患者のリハビリを進めていく必要があると言える。