来月より慶応義塾大学理工学部の牛場潤一准教授らが開発した、「ニューロテクノロジー」が実際の病院で脳卒中後遺症の片麻痺患者に実施される。
脳からの電気信号に基づいて患者の装具を連動するシステム「ブレイン・マシン・インターフェース」(BMI)などを用いる総合的なリハビリ治療の研究を始めた。6日開院の湘南慶育病院のリハビリステーションで、脳卒中の後遺症で片まひのある患者を対象に実施する。
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事前に行われた実験では、1日に1時間、手の開閉運動を40回繰り返すことで、患者の7割に脳の活性パターンの改善がみられた。
また、同大学の随意運動介助型電気刺激装置(IVES)と手関節固定装具を組みわせた装置を使用する「HAND療法」を併せて行うことで、重度の麻痺患者も物をつかんだり、おさえることが可能になったそうだ。
BMIにはいくつかのタイプがあり、今回は、損傷した脳細胞周囲からの電気信号を解析し、筋へ電気刺激を送る、信号に合わせて電動装具を動かしアシストするタイプのBMIを使用して行われる。
BMIの技術発展は、運動機能だけではなく、重度のALS患者に対し、考えただけで文字を入力することができる装置なども開発されている。
時代は、ニューロサイエンス「脳を理解する」ことから、ニューロテクノロジー「脳を活用する」時代になってきている。