理学療法士(PT)小平愛子先生 -性に対するリハビリテーションの普及を目指して- 第1回

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 「本当に自分のやりたいことだろうか?」

インタビュアー細川:

青年海外協力隊に行かれる直前にも関わらず、インタビューありがとうございます。

さっそくですが、PTを目指したきっかけを教えていただけますか。

小平先生:

高校生の頃にスポーツで腰を痛め、理学療法に通いました。

その時、診てくれたのが女性のセラピストで、KC姿がカッコ良く思ったのと同時に、

自分も将来それを着て働いている姿が直感的に想像できました。

当時、文系への進学を考えていたのですが、急遽コース変更をし、理学療法士を志しました。

インタビュアー細川:

ありがとうございます。一般的に小平先生の働き方は「少数派」だと思うのですが、

なぜ今の働き方に決めたのでしょうか?

小平先生:

理学療法士になり回復期や維持期、訪問リハなどに従事していましたが、

毎日を淡々と過ごしていく中で、このままで良いのだろうかと思い始めました。

そんな時、スティーブジョブズの『もし今日が人生最後の日だとしたら、

今日やろうとしていることは本当に自分のやりたいことだろうか』という有名なフレーズを

日々の生活の中で度々目にすることが多くなりました。

これは何かのお告げに違いない!と思い込み(笑)、今後に向けて模索し始めました。

インタビュアー細川:

それ、すごい思い込みですね。笑

でもある種そういった思考って何かを始める時には大事なことかもしれませんね。

小平先生:

ありがとうございます。いくつか選択肢がありましたが、「海外で長期間過ごしてみたい」

という気持ちもあり、以前から興味のあった青年海外協力隊に応募しました。

自分のような人間が果たして現地で役立つのか分かりませんが、

現地の方々に色々と教えて頂きながら、頑張りたいと思います。

今後、2年間スリランカへ派遣され、地域に根ざしたリハビリテーション(CBR)プログラムの

推進活動に協力する予定です。

具体的には地域の巡回を行い、障害を持つ方のADL・QOLの向上、

社会参加を目的にした指導を主に行うといった内容です。

インタビュアー細川:

すばらしい。是非、頑張ってきて下さい。いつから行かれるんでしたっけ?

小平先生:

2日後(1月14日)です!頑張ってきます。

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「身体障害者の性」について考え続けた

インタビュアー細川:

少しずつ色々聞かせて頂きたいんですが、

病院で働いていた時を振り返って印象に残っていることは何かありますか?

小平先生:

私が理学療法士として勤め始めた頃、一つの出来事がありました。

担当していた患者さんから自分の性的欲求に関する悩みを打ち明けられました。

その方は、先天的に四肢の麻痺があり、生活はほぼベッド上で過ごし、日常生活においては全ての介助が必要でした。

その方から、「自分は死ぬ前に一度でいいから射精を経験してみたい」と相談されたのです。

私は、学生の頃に『セックスボランティア』という身体障害者の性事情について書かれている本を

読んだことがあったので、性に関する悩みもあるのだろうと思ってはいました。

しかし、いざ悩みを相談され、解決に向けた方法を考えていく段階になると、

様々な困難を感じました。

インタビュアー細川:

その悩みって、私もよく入院中の患者さんから聞いたことがあります。

具体的にどんな困難を感じられたのでしょうか?

小平先生:

それはセラピストに限らず、看護師、介護士を含めたスタッフ達の人間の

『セクシュアリティ』に関する知識の少なさです。

しかも、そこには偏見が含まれています。

そのため、他のスタッフに協力を求めたくても、うまく周囲を巻き込むことができませんでした。

また、相談してくれた患者さん自身、初めて性のことを人に相談し、

周囲が動いていく状況に対して、気持ちが不安に傾いていたのではないかと思います。

しかし、私は周りのスタッフとの調節にばかり目が向き、肝心の患者さん本人の気持ちを

フォローしていくことができませんでした。

その結果、いざ支援できる準備が整っても実行に移せず、

結局、患者さんも私も不完全な気持ちのまま終わってしまいました。

インタビュアー細川:

確かに、もちろん学校では教えませんし、何より経験してないことですからね。

ある種仕方がないというか。腫れ物に触るというか。とにかく難しい部分ですよね。

小平先生:

はい、その時に難しさをすごく感じました。ただ、同時に問題意識も生まれたんですよね。

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セクシュアリティとは?

インタビュアー細川:

その「問題意識」という点についてもう少し詳しく聞きたいんですが、

まず、先ほど話しに出た『セクシュアリティ』について教えて下さい。

小平先生:

はい。ここで、「セクシュアリティ」という言葉の意味について、簡単に説明しておきます。

日本語では、「性」という置き換えで良いかと思いますが、セクシュアリティという言葉は

幅広い意味を含んでいるので曖昧になりやすいです。

インタビュアー細川:

なるほど。例えるとどんな感じでしょうか?

小平先生:

狭義の意味では性的な志向、性自認を指しており、例えば、異性愛者(ヘテロ)だとか、

無性愛者(アセクシュアル)、同性愛者(ゲイ、レズビアン)、両性愛者(バイセクシュアル)、

性と体の不一致であるトランスジェンダーなどを示す言葉として使われています。

一方、広義においては、人間の性行動、性欲、性意識全般を指します。

インタビュアー細川:

なるほど、ありがとうございます。では言葉の意味を理解したところで、

先ほどの問題意識についてもう少し深く聞いていきますね。

小平先生:

はい、わかりました。

小平愛子先生経歴

経歴:

群馬パース大学 理学療法学科 卒業

リハビリテーション病院に4年間勤務後、2015年1月から青年海外協力隊でスリランカへ派遣。

著書:身体障害者の性活動(一部執筆)

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キーワード

♯性 ♯トランスジェンダー  ♯青年海外協力隊

♯骨盤

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