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オーストラリアへの大学院留学に必要なこと #3|斎藤寛樹先生

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留学までの手続き 

 

留学までの手続きは推薦書を含め、必要事項を記載した願書を出し、合格通知を受け取るという意味では基本的に日本の大学と同じです。しかし、実習も含んだ臨床系大学院ということと海外に長期滞在するという意味でいくつか手続きが必要です。 

 

一つ目は入学先が英語圏の大学のため、母国語を英語としない学生は英語の基準を満たす必要があります。オーストラリアを中心にイギリス、カナダそしてニュージランドなどのコモンウェルス系の大学はThe International English Language Testing System (IELTS)という英語のテストを条件としているところが多いです。このIELTSはgeneral(主に移住や就職で使われる)とacademic(大学などの高等教育機関の出願で使う)という二つのモジュールがあり、それぞれリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの四つの項目で構成されています。https://www.ielts.org/

 

オーストラリアの臨床系の大学院は全ての項目で7.0以上を同時にとる必要があります(英検1級程度)。 IELTSは平均したスコアも出るのですが、このスコアを7.0取ればいいわけでなく、全ての項目で7.0以上という条件です。

 

そのためどこかの項目を他の項目で補うことはできないようになっています。自分の場合はこの四つの項目を7.0同時に取得するのに苦労し、何度もテストを受けたのですが、クラスメイトだった ヨーロッパやアジア(シンガポールや香港)圏の理学療法士たちは数回の受験で条件を満たしていたようで英語のレベルの高さに驚きました。

 

 

二つ目は実習やオーストラリアの実技試験を受けるために制限された免許(limited registration)を取得するということです。この免許はAustralian Health Practitioner Regulation and Agency(AHPRA)という国の機関から発行されるもので、実際の患者さんの治療を行う実習の時に必要になります。https://www.ahpra.gov.au/

 

英語の結果や日本での理学療法士の証明書などとても多くの書類を提出するわけですが、この仮免許取得は大学が全く関与できないため、自分で全て行う必要があります 。大学のディレクターやAHPRAのスタッフとのメールのやりとりや各州にあるAHPRAのオフィスに直接出向いて不明点なども確認したりしました。

 

それらの書類の提出をし、正式な合格通知を受け取ると学生としてオーストラリアで長期滞在するためのビザの取得を行います。ビザ取得の手続きは全てオンライン上で行いますが、 日本かオーストラリアのどちらかで指定されている医療機関での健康診断もあります。私の場合は、大学院での授業が始まる前の年はブリスベンという場所でワーキングホリディビザを使って一年間働いていたので、そちらで行いました。

 

一年間という留学でしたが、そこへ至るための手続きはとても時間と労力がいると感じています。また大学の合否や免許取得の条件はプロセスが複雑でまた頻繁にルールが変わるため、 自分で公式な機関のサイトなどで抜け目なく調べて手続きを行うことが一番の近道だと思っています。

 

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オーストラリアへの大学院留学に必要なこと #3|斎藤寛樹先生

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