脊髄性筋委縮症の運動機能定量化に成功

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脊髄性筋委縮症は、脊髄の前角細胞に異常が起き、筋委縮を来す神経原性の筋委縮症だ。劣性遺伝性の疾患で発症する時期によりⅠ型(0-6ヶ月)、Ⅱ型(6ヶ月-1歳6ヶ月)、Ⅲ型(1歳6ヶ月-20歳)、Ⅳ型(20歳以上)と分けられる。いずれも発症時期が早ければ早い程、重症となるケースが多い。その為、小児や乳児期に発症した場合、大掛かりなモーションキャプチャ装置では、患者や測定者への負担が大きく運動機能を評価する事が難しかった。しかし今回の研究で、携帯端末とマーカー1つで簡便に評価できるものが開発された。

 

岐阜大学は1月17日、脊髄性筋委縮症患者の運動機能を、モーションキャプチャを活用した3次元動作解析により定量的に評価する方法を世界で初めて開発したと発表した。

詳細を読む(引用元):QLifePro

 

1つのマーカーを肘に装着し、携帯の専用アプリだけで測定を行う事が出来る為、小児や乳児期などの運動機能を評価しにくい場合でも、より簡便で定量的に評価する事が可能となっている。正確に反復する事ができる能力「空間正確性」と連続的に運動を行える「なめらかさ」の2つの指標を数値化する。

 

運動機能を示すことで、治療効果をより客観的に見ることができ、患者の保護者の治療意欲を維持させることにもつながる。

今後は、筋ジストロフィーや脳血管障害、ADHDなどに応用し、これまで困難だった神経変性疾患の経過を追う事も可能となっていきそうだ。

 

この研究は、同大大学院連合創薬医療情報研究科・同医学系研究科の加藤善一郎教授と同連合創薬医療情報研究科大学院生の松丸直樹博士(岐阜薬科大学グローバル・レギュラトリー・サイエンス寄附講座特任助教)によって行われている。

 

脊髄性筋委縮症の運動機能定量化に成功

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