蒼々たる方々の中にポツンと田舎者が…
先日、表題の通りLE.O.VE株式会社主催「地域×医療×介護×予防「保険外サービス」の未来について考える」シンポジウムにご登壇させていただきました。
なぜ私だったのかと、今でも疑問で、大役を仰せつかったのですが、会場に貼りきれない方もいたそうで、「保険外サービス」への関心の高さを感じました。
まずは、ご登壇者のご紹介をしましょう。
岡崎 慎一郎 氏:経済産業省 商務・サービスグループヘルスケア産業 課 課長補佐
経産省の立場から、国の方針や現在経産省で行われている保険外サービスについてのお話を、聞かせていただきました。
最近、「健康経営」と言う言葉が、メディア界隈で使われ始めていますが、この言葉も経産省の方々きっかけで始まっています。
現在では、「健康経営銘柄」と言う、健康経営に力を入れている、各種企業別にランキングを作り、企業の参加を促しています。この健康経営に選ばれると言うことが企業にとっては、一つのブランドになり、求人活動が活発化したそうです。
今回は、一部の企業の健康銘柄が発表されていましたが、医療法人なども対象にしたものも行うようです。
健康予防において、トップでなければいけない医療現場では、実際のところ予防意識が低いように感じています。
その中でも、健康経営に力を入れている医療機関はどこなのか、非常に興味深いですね。
紀伊 信之 氏:株式会社日本総合研究所 リサーチ・コンサルティン グ部門 戦略コンサルティングマネジャー
理学療法業界で知らぬ人はいないであろう、ボバースの紀伊克昌先生の息子さんでもある、紀伊信之さん。
コンサルティングを行なっている企業の取り組みについて具体的な事例をご紹介いただきました。
非常に興味深かったのは、現在保険で行われているサービスの中でも、工夫次第で保険外サービスでも実行可能なサービスがあると言う点についてです。
一つの事例ですが、リハビリを主に行わないデイサービスでは、メインが食事や入浴となっています。このサービスであれば、近隣にある銭湯や温泉を使って、公共バスなどの乗り合わせで送迎することで、今保険内で行われているデイサービスと同じようなサービスになると言うことです。
高崎 尚樹 氏:株式会社ルネサンス 専務取締役
おそらく、現在日本のヘルスケア事業の中でも、もっとも歴史があり、保険外サービスとして定着している一つに、フィットネスジムがあると思います。今回は、その中でも私も通っている「ルネサンス(世界フィットネス業界第10位)」から、専務取締役の高崎尚樹さんが登壇されました。
日本におけるヘルスケアの第一人者でもあります、高崎さんですが、現在ルネサンスが行う保険外サービスについてお話いただきました。
現在でこそ、ヘルスケアの重要性が叫ばれていますが、フィットネスジムはヘルスケアの先駆けであり、実際にこれまで多くのヘルスケア事業を立ち上げられた方々のお話を聞かない手はありません。
その中でも印象的だったのは、保険外事業を行う上で重要な3つの軸についてです。
まず根底として重要なのは「社会にとっていいことか?」と言う問いに対する答えです。どんなにいい事業も、この問いに答えることができなければ、価値としては低いでしょう。
その中で重要な3つの軸とは、①技術(ハード、ソフト)②顧客の“真の”ニーズ③顧客グループ(対象顧客の規模)です。
今後、保険外サービスを計画する上で、こちらの3つの軸は非常に重要となるでしょう。
以上3名の方に加え、私が登壇させていただきましたが…。
今回登壇者でありながら学んだこと
登壇者でありながら、多くの学びを得ましたので、共有したいと思います。まず、このお話を聞いた率直な感想としては、「日本でヘルスケアを中心とした保険外サービスは現状難しい」ということです。
ヘルスケア事業を行う上で、そのサービスを使う側の“健康意識”の低さは今に始まったことではなく、またその意識を変えるのは個人の力では無理だと思っているからです。
当日もLE.O.VE株式会社代表取締役の多江社長から、お話があった通り、日本の社会保障システムは世界の中でも非常に手厚く、これによって日本人は健康に対して悪く言えば“甘え”が出ていると言うことです。
ともなれば、健康意識を変えるために、この甘えをなんとかせねばなりませんが、1日、2日でなんとかなるものではありません。
そもそも、人の健康を支える医療従事者の、健康意識の低さも問題だと思います。
この点について、理学療法士の立場から、専門家に対して当日はお話させていただきました。
そもそも保険外サービス受けられる人ってお金持っている人でしょ。
上記のほか、保険外サービスで気になるもう一つの点として、「客層」と言う部分に疑問がありました。保険外サービスのターゲットは、自らの健康意識の高い人に加え、保険よりも質の高いものを高額で受けることのできる人ではないかと言う点についてです。
図に表すとこんな感じです。
この図で言うところの、プリンのような部分のお客さんに手の届かないサービスでは「社会にとっていいことか?」と言う問いに対して、疑問の声が上がります。
当然、意識の高い人であれば、いいサービスにはお金を払いますが、それでも手の届かない人もいるはずです。
個人的に、保険外サービスに対して、この部分の「懸念が出るだろうと考えていましたので、当日質問させていただきました。
ご意見をいただく前の私の感覚を図で表すと…。
酷い言い方をすれば、お金を払えず、意識の低い人は切り捨てると言う考えです。ある意味正しい回答なのかなとは思いますが、可能性は探りたいところです。
これについて、今回学んだことは、以下の図のようになります。
いいサービス、いい事業には必ず、類似するサービスが作られます。
これによって、事業者は増え、その中で生き残るために、価格競争が起こり、最初の単価よりも価格が下がります。
例えば、「牛丼」戦後すぐであれば、ご飯の上に牛肉を乗せて搔っ食らう食べ物は、当時の中であったのかどうか知りませんが、高級品です。
ところがどっこい、吉野家ができ、すき家ができ、松屋ができ始めると、価格が下がり始め、今では庶民の味として親しまれていますよね。
このように、最初高級品だったものが、競争によって価格が下がるため、結果的に誰の手にも行き渡るのだと言うことです。
ですから、最初の段階では、上位の層をターゲットとする事業を考えることは間違えではないと言うことです。
オプションとしてのヘルスケアを提案
今回、ものすごい方々と登壇させていただき、改めて「保険外サービス」について考えてみることにしました。まず、必要か不必要かといえば、間違いなく今後保険外サービスは必要になります。
この点を踏まえて、現状で考えられることは、今すぐ国民全体の健康意識を変えることも、それを行うための行政の取り組みを待つのも時間がかかるし、他力本願です。
現状、具体的にはいくつか考えているものはありますが、ポイントは「結果的にヘルスケア」かなと思います。ある意味、言いわけとして「ヘルスケア」を使うと言う感じです。
例えば、世界中を騒がせた「ポケモンGO」。目的としては、レアポケモンや自身のポケモンのレベルアップのため、普段歩かない人が、大量に街へ繰り出しました。
目的「ポケモンゲットだぜ」→結果的に歩く→言い訳「ヘルスケア」
言い訳は大げさかもしれませんが、おそらく「ポケモン」を「ヘルスケア」のために行った人はいないでしょう。
イメージ的にはこのような形であれば、現状でもヘルスケアを根付かせることができるでしょう。
信じるか信じないかは、あなた次第です。
最後に、このような場に呼んでくださったLE.O.VE株式会社のみなさま、ご一緒させていただきました岡崎様、紀伊様、高崎様に感謝申し上げます。
*ご登壇者の方々と、LE.O.VE株式会社の多江社長、ファシリエーターの三鴨さんとのショット。私が、ガッチガチに緊張していたことが、お分かりになることでしょう。
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