金沢大学医薬保健研究域医学系循環器病態内科学の山岸正和らの研究グループは、北陸の心房細動患者を対象とした調査研究を通して、血中の脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)値が高いほど、脳梗塞の発症リスクが高くなることを発表した。
▶︎ 北陸の心房細動患者を対象とした調査研究で 血中BNP値が高いほど脳梗塞の発症リスクが高まることを発見
2013年から北陸の心房細動患者の年齢、生活習慣、持病、治療状況を登録し、1年ごとに脳梗塞や出血などのイベント発症状況や治療の変化などを追跡。
追跡開始2年目のデータにより、登録時のBNP値が170 pg/ml 以上の患者では脳梗塞を含む血栓塞栓症の発症率が高いことが分かった。
図 血栓塞栓症の累積発症率(リリースより)
この発見は、心房細動の重症度を評価する際の新しい目安となり、心房細動における脳梗塞の発症を予測し、予防するための指標となるなど、わが国における心房細動診断・治療のガイドラインにも加わる可能性がある。
本研究成果は、日本循環器学会学術誌「Circulation Journal」のオンライン版に掲載されている。