高齢者の7人に1人が認知症
内閣府が掲載しているデータを参考にして、数値を確認すると65歳以上の高齢者が抱える認知症患者数と有病率の将来推計は、平成24(2012)年は認知症患者数が462万人で65歳以上の高齢者の7人に1人(有病率15.0%)であったが、37(2025)年には約700万人、5人に1人になると見込まれている。(内閣府)
平成30年を迎えた現在だが、すでに高齢化社会の現実を身に感じている。都道府県ごとに抱える問題は様々ですが、過疎化している地域も身近にあり、介護職が不足しており、【充分なサービスを受けられない】【必要な量を提供できない】などの現実を目の当たりにすることは多い。
特に認知症に対する介護はかなりの負担が大きい。目を離すことができずに、介護側の息抜きもできずに共倒れも人ごとではない。
認知症には様々な分類に分けられる。
1アルツハイマー型認知症
2レビー小体型認知症
3脳血管性認知症
4前頭側頭型認知症
5若年性認知症
6アルコール性認知症
7まだら認知症など
様々な種類があるがアルツハマー型認知症が半分を占めている。
アルツハイマー型認知症は脳内にタンパク質(βアミロイド)が蓄積されて、脳内の神経細胞を脱落、変形させることで、脳の萎縮を助長させると言われています。
特に記憶をする際に重要な『海馬』という部分を中心に萎縮するため、記憶の低下、物忘れが目立ちます。また、海馬だけでなく、扁桃体、視床、視床下部の神経原線維変化が観察されます。
アルツハイマー型認知症の症状は①中核症状②周辺症状(BPSD)という2つに分かれます。
①中核症状は
・記憶障害・見当識障害・理解、判断能力の低下・実行機能の低下が主に認められます。
②周辺症状は中核症状を中心に現れる症状です。
例えば、中核症状の記憶障害により、物忘れが多くなることで、「なぜこんなに忘れがちになるの・・」「名前が思い出せない・・人に会いたくない」などと気分の落ち込みによりうつ症状を発症される方もいらっしゃいます。
また、介護負担の一つになる、徘徊です。徘徊は中核症状の影響やご本人のストレスなどにより起こることがあります。認知症の方に対してリハビリは有効です。有酸素運動などの体を使ったリハビリ、パズルなどの机上で行える脳トレなど。
リハビリの専門職である理学療法士(以下PT)作業療法士(OT)言語聴覚士(ST)は身体機能だけでなく、認知症に対するアプローチも考えていかなければなりません。
訪問看護ステーションやデイケア等の通所介護サービス、グループホームで働くスタッフが認知症の方へのリハビリに携わることが多いのではないでしょうか。
我々は訪問看護にて在宅生活での支援を行なっているのですが、在宅での認知症の方に対するケアとしてアロマを用いています。
認知症の方に対するアロマ効果の期待は大きいです。アロマを用いることで、脳内血流量を増やすことが研究結果で出ています。特に前頭前野の血流が増し、攻撃的行為や精神状態の落ち着きが見られます。
また、上記で説明したアルツハイマー型認知症では、大脳辺縁系周囲の神経脱落が初期時に始まります。嗅覚刺激は大脳辺縁系に強く作用するため、アロマの臭いを用いた効果は大きく期待できます。
アロマを用いた介入として、部屋の香りをアロマオイルを焚いてあげる。枕元に数的アロマを垂らす。などスタッフが関わらなくてもアロマの臭いを提供できるため、サービス時間以外でも関わることができます。
アロマはリハビリ専門職以外でも看護師、介護士、家族の方も簡単にできる認知症患者への治療法の1つではないでしょうか。
セミナー詳細
【日時】
第1回:5月19日:入門編
第2回:7月8日:神経血管編
第3回:9月8日:リンパドレナージ編
第4回:11月17日:応用編(整形疾患・内科疾患への応用)
【講師】塩谷美奈子
【時間】10時~15時
【募集】PT、OT、ST(定員40名)
【会場】熊本市内:メールでお知らせいたします
【申し込み方法】https://ssl.form-mailer.jp/fms/beed04ef563152
【料金】1回単発での申し込み:12,000円
全4回コース申し込み(割引):40,000円